東京オペラシティ アートギャラリーの「LOVE ファッション 私が着がえるとき」の内覧会に行ってきました。
LOVE ファッション 私が着がえるとき
会期:2025年4月16日(水)~6月22日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
昨年秋から京都国立近代美術館、熊本市現代美術館で開催された展覧会が東京オペラシティ アートギャラリーに巡回してきました。




展示は、17~18世紀のヨーロッパ貴族のフォーマル・ウェアから始まり、絹糸や金属糸を使用し、美しい刺繍があしらわれているドレスや、コルセットでウエストをギュッと絞ったドレス、また帽子には珍しい鳥の羽根や剥製までもあしらわれたギョッとするような1910年代の貴重なもの、毛皮などあり。
個人的には、ファッションに革命を起こした、ココ・シャネルのパンツスタイルなど見られたら、スタイルの変遷が緩やかに流れるように思いましたが、そんな貴重なものはもうないのかもしれませんね。
近年では、動物の権利や愛護の面から、デザイナー自身が毛皮製品の生産・販売はしないと公言し、禁止の流れを牽引しているステラ・マッカートニーなどがおり、袖に「Fur free fur」と書かれたコートが展示されていました。また、カステル・バジャックのぬいぐるみを縫い合わせて作られたコートもユニークでした。

ディオール、バレンシアガ、ギャルソン、ヘルムート・ラング、アレキサンダー・マックイーンなど、歴史があり、代表的なファッション・ブランドに加え、日本人ファッション・デザイナー、川久保玲、トモ・コイズミ、ヨシオクボなども斬新なファッションを発表しています。
鮮やかなチュールのドレス、体のラインを強調するボディースーツや鎧にしか見えないボディースーツなど多様で、時代の流れが読み取れると同時に、ファッションは自由であることを主張しているようでもありました。

特に、川久保玲さんの「Body Meets Dress, Dress Meets Body」という1997年のコレクションは、
フェザー・パッドによる大きな瘤が洋服の一部となっており、エイリアンのボディラインのようで、斬新で面白い。
プレタポルテの洋服とは全く異なり、レディ・ガガくらいしか着ないような、尖ったアイデアの服たちは、アートともいえるような、被服の目的がないものばかり。こんなにも自由な発想で服がつくれるのかと感心しました。
実物を見てみたかったトモ・コイズミの、オーガンジーをふんだんに使いボリュームを出したドレスもあり(東京オリンピックの開会式でMisiaが着ていた衣装のブランド)、こんなにもボリューミーなのに、オーガンジーという素材のおかげで軽やか、とっても素敵でした。
ヨシオクボは、ナイロン・チュールで、着ぐるみを巨大化したような服は、服なのか?誰が着るのか?どういう目的で着るのか?わかりませんが、ファッションまだまだ発展できるんだと思わせます。ファッション・デザイナーは、アーティストなのですね。


AKI INOMATAさんの写真とオブジェ《やどかりに「やど」をわたしてみる》は、マイアミかどこかの海外のフェアで見たことがあり、面白いことをする方だなと思っていた作品。ヤドカリに、透明の樹脂で都市や城の形を作った宿(衣装)を身につけさせ、写真や動画、オブジェそのものも展示してありました。注目されている作家さんでもあります。

愛について ┃収蔵品展083 寺田コレクションより
展示作品:難波田紀夫 「自画像 1975」
:難波田史男 「神秘 1970」「山脈1973」
:難波田龍起 「合掌 1976」
https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=311

上の階には、難波田史男さんの水彩2点と、難波田龍起さんの油彩1点が並んでおり、刺激的なファッションを見て覚醒していた脳が、難波田さんの作品を見て、ようやく落ち着きを取り戻しました。
(おだち れいこ)
*画廊亭主敬白
先週、ときの忘れものは開廊30周年を迎えることができました。
飽きっぽく、短気(若いころ”短気は損気”とよく揶揄されました。短気→たんき→たぬき→綿貫)な亭主には珍しい、のではなく何事も慎重で沈着な社長と、次代のリーダー尾立のおかげです。
副社長の尾立が入社したのはちょうど開廊から10年目の本日、2005年6月13日でした。
ときの忘れもののスタッフはアルバイトも入れると9人、うち女性が6人、男性は亭主を入れて3人です。役員3人のうち女性が2人。
給料はもちろん、労働条件その他、まったく男女差無し(当たり前ですが)。
画商界は昔から女性が活躍してきました。それについては2012年09月26日のブログに「ギャラリー16・井上道子さんの50周年を祝す」と題して書いたことがあります。
そのときあげた女性ギャラリストは、
京都のギャラリー16の井上道子さん
フォルム画廊の福島葉子さん
山形の「しろがね美術サロン」の佐藤さん、
八戸の「ギャラリー・ビーネ・ムライ」の村井さん、
大阪の「番画廊」の松原さん
神戸のギャラリー・ド・ラ・ペの平田和子さん
名古屋の桜画廊の藤田八栄子さん
名古屋の伽藍洞ギャラリーの南谷博子さん
京都のギャラリーココの渋谷清子さん
既に鬼籍に入られた方もいますが、その流れはいまも続き、女性がオーナーの画廊は多い。
でもさきごろ発表された(ときの忘れものも出展しますが)某アートフェアのある賞の審査員6人は全員男性です。どんな場合にも必ず女性を入れるという意識がないのでしょうね。
まるで政治の世界と同じじゃないですか、いや政界だって一人や二人女性を入れている。何だかなぁ・・・
◆「開廊30周年記念 塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」
Part 1 2025年6月5日(木)~6月14日(土)
Part 2 2025年6月18日(水)~6月28日(土)
※6月17日(火)に展示替え、日・月・祝日休廊
ときの忘れものは開廊30周年を迎えました。記念展として「塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」展を開催しています。
●松本莞『父、松本竣介』
2025年6月8日東京新聞に<昭和初期から戦後活躍 早世の洋画家 松本竣介の生き様 新宿在住次男・莞さん 逸話まとめ出版>という大きな記事が掲載されました。
また『美術手帖』2025年7月号にも中島美緒さんの書評「家庭から見た戦時の画家の姿」が掲載されています。
ときの忘れものは松本竣介の作品を多数所蔵しています。
松本莞さんのサインカード付『父、松本竣介』(みすず書房刊)を特別頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートーク他を開催してまいります。詳細は1月18日ブログをお読みください。
今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
著者・松本莞
『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築空間(設計:阿部勤)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は原則として休廊ですが、企画によっては開廊、営業しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

二階、三階
LOVE ファッション 私が着がえるとき
会期:2025年4月16日(水)~6月22日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
昨年秋から京都国立近代美術館、熊本市現代美術館で開催された展覧会が東京オペラシティ アートギャラリーに巡回してきました。




展示は、17~18世紀のヨーロッパ貴族のフォーマル・ウェアから始まり、絹糸や金属糸を使用し、美しい刺繍があしらわれているドレスや、コルセットでウエストをギュッと絞ったドレス、また帽子には珍しい鳥の羽根や剥製までもあしらわれたギョッとするような1910年代の貴重なもの、毛皮などあり。
個人的には、ファッションに革命を起こした、ココ・シャネルのパンツスタイルなど見られたら、スタイルの変遷が緩やかに流れるように思いましたが、そんな貴重なものはもうないのかもしれませんね。
近年では、動物の権利や愛護の面から、デザイナー自身が毛皮製品の生産・販売はしないと公言し、禁止の流れを牽引しているステラ・マッカートニーなどがおり、袖に「Fur free fur」と書かれたコートが展示されていました。また、カステル・バジャックのぬいぐるみを縫い合わせて作られたコートもユニークでした。

ディオール、バレンシアガ、ギャルソン、ヘルムート・ラング、アレキサンダー・マックイーンなど、歴史があり、代表的なファッション・ブランドに加え、日本人ファッション・デザイナー、川久保玲、トモ・コイズミ、ヨシオクボなども斬新なファッションを発表しています。
鮮やかなチュールのドレス、体のラインを強調するボディースーツや鎧にしか見えないボディースーツなど多様で、時代の流れが読み取れると同時に、ファッションは自由であることを主張しているようでもありました。

特に、川久保玲さんの「Body Meets Dress, Dress Meets Body」という1997年のコレクションは、
フェザー・パッドによる大きな瘤が洋服の一部となっており、エイリアンのボディラインのようで、斬新で面白い。
プレタポルテの洋服とは全く異なり、レディ・ガガくらいしか着ないような、尖ったアイデアの服たちは、アートともいえるような、被服の目的がないものばかり。こんなにも自由な発想で服がつくれるのかと感心しました。
実物を見てみたかったトモ・コイズミの、オーガンジーをふんだんに使いボリュームを出したドレスもあり(東京オリンピックの開会式でMisiaが着ていた衣装のブランド)、こんなにもボリューミーなのに、オーガンジーという素材のおかげで軽やか、とっても素敵でした。
ヨシオクボは、ナイロン・チュールで、着ぐるみを巨大化したような服は、服なのか?誰が着るのか?どういう目的で着るのか?わかりませんが、ファッションまだまだ発展できるんだと思わせます。ファッション・デザイナーは、アーティストなのですね。

AKI INOMATAさんの写真とオブジェ《やどかりに「やど」をわたしてみる》は、マイアミかどこかの海外のフェアで見たことがあり、面白いことをする方だなと思っていた作品。ヤドカリに、透明の樹脂で都市や城の形を作った宿(衣装)を身につけさせ、写真や動画、オブジェそのものも展示してありました。注目されている作家さんでもあります。

愛について ┃収蔵品展083 寺田コレクションより
展示作品:難波田紀夫 「自画像 1975」
:難波田史男 「神秘 1970」「山脈1973」
:難波田龍起 「合掌 1976」
https://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=311

上の階には、難波田史男さんの水彩2点と、難波田龍起さんの油彩1点が並んでおり、刺激的なファッションを見て覚醒していた脳が、難波田さんの作品を見て、ようやく落ち着きを取り戻しました。
(おだち れいこ)
*画廊亭主敬白
先週、ときの忘れものは開廊30周年を迎えることができました。
飽きっぽく、短気(若いころ”短気は損気”とよく揶揄されました。短気→たんき→たぬき→綿貫)な亭主には珍しい、のではなく何事も慎重で沈着な社長と、次代のリーダー尾立のおかげです。
副社長の尾立が入社したのはちょうど開廊から10年目の本日、2005年6月13日でした。
ときの忘れもののスタッフはアルバイトも入れると9人、うち女性が6人、男性は亭主を入れて3人です。役員3人のうち女性が2人。
給料はもちろん、労働条件その他、まったく男女差無し(当たり前ですが)。
画商界は昔から女性が活躍してきました。それについては2012年09月26日のブログに「ギャラリー16・井上道子さんの50周年を祝す」と題して書いたことがあります。
そのときあげた女性ギャラリストは、
京都のギャラリー16の井上道子さん
フォルム画廊の福島葉子さん
山形の「しろがね美術サロン」の佐藤さん、
八戸の「ギャラリー・ビーネ・ムライ」の村井さん、
大阪の「番画廊」の松原さん
神戸のギャラリー・ド・ラ・ペの平田和子さん
名古屋の桜画廊の藤田八栄子さん
名古屋の伽藍洞ギャラリーの南谷博子さん
京都のギャラリーココの渋谷清子さん
既に鬼籍に入られた方もいますが、その流れはいまも続き、女性がオーナーの画廊は多い。
でもさきごろ発表された(ときの忘れものも出展しますが)某アートフェアのある賞の審査員6人は全員男性です。どんな場合にも必ず女性を入れるという意識がないのでしょうね。
まるで政治の世界と同じじゃないですか、いや政界だって一人や二人女性を入れている。何だかなぁ・・・
◆「開廊30周年記念 塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」
Part 1 2025年6月5日(木)~6月14日(土)
Part 2 2025年6月18日(水)~6月28日(土)
※6月17日(火)に展示替え、日・月・祝日休廊
ときの忘れものは開廊30周年を迎えました。記念展として「塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」展を開催しています。●松本莞『父、松本竣介』
2025年6月8日東京新聞に<昭和初期から戦後活躍 早世の洋画家 松本竣介の生き様 新宿在住次男・莞さん 逸話まとめ出版>という大きな記事が掲載されました。
また『美術手帖』2025年7月号にも中島美緒さんの書評「家庭から見た戦時の画家の姿」が掲載されています。
ときの忘れものは松本竣介の作品を多数所蔵しています。
松本莞さんのサインカード付『父、松本竣介』(みすず書房刊)を特別頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートーク他を開催してまいります。詳細は1月18日ブログをお読みください。
今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
著者・松本莞『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築空間(設計:阿部勤)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は原則として休廊ですが、企画によっては開廊、営業しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

二階、三階
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