「建築家・阿部勤のいえ展 暮らしを愉しむデザイン」
会期:2025年4月4日~6月26日
会場:GALLERY A4(ギャラリー エー クワッド)
東陽町の竹中工務店東京本店1Fにあるギャラリーエークワットで「建築家・阿部勤のいえ展 暮らしを愉しむデザイン」が開催中のため、行ってきました。
ときの忘れものはご縁があって、2017年より阿部勤先生が設計した個人住宅LAS CASAS(1994年竣工)に入っております。
阿部先生は2023年1月10日に亡くなられましたが(享年86)、LAS CASASは阿部先生の精神が今も息づく名建築で、スタッフは心地の良い空間で日々仕事ができる幸せを噛みしめております。
さて、会場には、阿部先生の年表とともに、小型の住宅模型が貼り付いていました。設計した住宅の数はなんと99軒!日本一なのではないかと思いますが、どうなのでしょうか・・・

図面、スケッチ、映像、[中心のある家]のダイニング・キッチンの再現、製図に必要な道具類、オブジェのコレクションやデスクや椅子などの展示がありました。椅子は坂倉準三さんデザインで、結婚祝いにいただいたものだそうです。


阿部先生の自邸[中心のある家]には、至る所にアートやオブジェなどのコレクションがあり、今回はその一部が展示されていました。色んな形の知恵の輪やルービックキューブ、鉱物、万華鏡など、阿部先生の好奇心旺盛さが伝わってきました。
インタビュー映像は是非ご覧いただきたいのですが、阿部先生とアルテック建築研究所を共同主宰した建築家・室伏次郎先生のインタビューでは、[中心のある家]を「阿部パビリオン」とおっしゃっりました。
私も一度[中心のある家]を訪ねさせていただいたことがありますが、空間はもちろんインテリアやセンスのいい小物までも阿部先生の好きがいっぱい詰まっており、室伏先生がおっしゃる「パビリオン」という言葉がしっくりきました。
そして、阿部先生のことを「断面の魔術師」とおっしゃっており、LAS CASASも大きな吹き抜けやスキップフロア、ブリッジやドーム型のトップライトがあり、魅力的な断面をもっていますが、[桜台の家]の断面が一番面白いとのことでした。
また、坂倉準三事務所出身だからコルビジェが好きかと思うと、実はフランク・ロイド・ライトが好きだったらしいというお話など、身近にいらっしゃった室伏先生ならではのお話を伺うことができました。
写真家の藤塚光政さんのインタビューでは、「阿部さんは自邸のことを「自画像」と言っていた」とのことで、阿部先生自身も、自邸はご自身そのものだと認識があったことがわかりました。
マギーズ東京の代表の方や、小学生の頃から[中心のある家]に暮らされたご子息のインタビューもありましたので、会期は6月26日までですので、是非ご覧ください。
展示を拝見し、阿部先生に[中心のある家]にお招きいただいた日のことを思い出しました。
白いレンジローバーで颯爽と駅までお迎えに来てくださり、角地にあるご自宅の交差点側に車を斜めに停め(バックして停める必要がない)、出掛ける時はそのまま出て行けるようにしているという、この時点でイケてると思いました。
一般的には、四角い敷地に対して建物を敷地と平行にどちらかに寄せ、庭や駐車スペースを確保しがちですが、[中心のある家]は四角い敷地に対して四角い建物を45度振って建てており、庭や駐車場は角に4つに分かれているという面白い配置。




台所はコンパクトで動きやすく、料理人かと思うほどたくさんの道具が吊られており、パスタは麺から手作り、来客が多いから常備しているという大きなハモンセラーノを切り分けてくださったあの日がとても懐かしい。


映画「蝶の眠り」のロケ地ともなっており、とても魅力的な住宅なので、阿部先生亡き後、これからの[中心のある家]の行く末を案じながら帰路につきました。

阿部勤先生と植田実先生とともに
●『中心のある家 建築家・阿部勤 自邸の50年』

著:阿部勤 写真:藤塚光政
体裁:A4変・140頁
価格:4,400円(税込)+ 送料250円
発行日:2022年9月25日
装丁:加藤賢策(LABORATORIES)
発行:株式会社学芸出版社
★オンラインでのご購入はこちらからどうぞ。
◆「開廊30周年記念 塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」
Part 1 2025年6月5日(木)~6月14日(土)
Part 2 2025年6月18日(水)~6月28日(土)
※6月17日(火)に展示替え、日・月・祝日休廊
ときの忘れものは開廊30周年を迎えました。記念展として「塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」展を開催しています。
●松本莞『父、松本竣介』
2025年6月8日東京新聞に<昭和初期から戦後活躍 早世の洋画家 松本竣介の生き様 新宿在住次男・莞さん 逸話まとめ出版>という大きな記事が掲載されました。
また『美術手帖』2025年7月号にも中島美緒さんの書評「家庭から見た戦時の画家の姿」が掲載されています。
ときの忘れものは松本竣介の作品を多数所蔵しています。
松本莞さんのサインカード付『父、松本竣介』(みすず書房刊)を特別頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートーク他を開催してまいります。詳細は1月18日ブログをお読みください。
今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
著者・松本莞
『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築空間(阿部勤設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は原則として休廊ですが、企画によっては開廊、営業しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

二階廊下、ウォーホルと関根伸夫
会期:2025年4月4日~6月26日
会場:GALLERY A4(ギャラリー エー クワッド)
東陽町の竹中工務店東京本店1Fにあるギャラリーエークワットで「建築家・阿部勤のいえ展 暮らしを愉しむデザイン」が開催中のため、行ってきました。
ときの忘れものはご縁があって、2017年より阿部勤先生が設計した個人住宅LAS CASAS(1994年竣工)に入っております。
阿部先生は2023年1月10日に亡くなられましたが(享年86)、LAS CASASは阿部先生の精神が今も息づく名建築で、スタッフは心地の良い空間で日々仕事ができる幸せを噛みしめております。
さて、会場には、阿部先生の年表とともに、小型の住宅模型が貼り付いていました。設計した住宅の数はなんと99軒!日本一なのではないかと思いますが、どうなのでしょうか・・・

図面、スケッチ、映像、[中心のある家]のダイニング・キッチンの再現、製図に必要な道具類、オブジェのコレクションやデスクや椅子などの展示がありました。椅子は坂倉準三さんデザインで、結婚祝いにいただいたものだそうです。


阿部先生の自邸[中心のある家]には、至る所にアートやオブジェなどのコレクションがあり、今回はその一部が展示されていました。色んな形の知恵の輪やルービックキューブ、鉱物、万華鏡など、阿部先生の好奇心旺盛さが伝わってきました。
インタビュー映像は是非ご覧いただきたいのですが、阿部先生とアルテック建築研究所を共同主宰した建築家・室伏次郎先生のインタビューでは、[中心のある家]を「阿部パビリオン」とおっしゃっりました。
私も一度[中心のある家]を訪ねさせていただいたことがありますが、空間はもちろんインテリアやセンスのいい小物までも阿部先生の好きがいっぱい詰まっており、室伏先生がおっしゃる「パビリオン」という言葉がしっくりきました。
そして、阿部先生のことを「断面の魔術師」とおっしゃっており、LAS CASASも大きな吹き抜けやスキップフロア、ブリッジやドーム型のトップライトがあり、魅力的な断面をもっていますが、[桜台の家]の断面が一番面白いとのことでした。
また、坂倉準三事務所出身だからコルビジェが好きかと思うと、実はフランク・ロイド・ライトが好きだったらしいというお話など、身近にいらっしゃった室伏先生ならではのお話を伺うことができました。
写真家の藤塚光政さんのインタビューでは、「阿部さんは自邸のことを「自画像」と言っていた」とのことで、阿部先生自身も、自邸はご自身そのものだと認識があったことがわかりました。
マギーズ東京の代表の方や、小学生の頃から[中心のある家]に暮らされたご子息のインタビューもありましたので、会期は6月26日までですので、是非ご覧ください。
展示を拝見し、阿部先生に[中心のある家]にお招きいただいた日のことを思い出しました。
白いレンジローバーで颯爽と駅までお迎えに来てくださり、角地にあるご自宅の交差点側に車を斜めに停め(バックして停める必要がない)、出掛ける時はそのまま出て行けるようにしているという、この時点でイケてると思いました。
一般的には、四角い敷地に対して建物を敷地と平行にどちらかに寄せ、庭や駐車スペースを確保しがちですが、[中心のある家]は四角い敷地に対して四角い建物を45度振って建てており、庭や駐車場は角に4つに分かれているという面白い配置。




台所はコンパクトで動きやすく、料理人かと思うほどたくさんの道具が吊られており、パスタは麺から手作り、来客が多いから常備しているという大きなハモンセラーノを切り分けてくださったあの日がとても懐かしい。


映画「蝶の眠り」のロケ地ともなっており、とても魅力的な住宅なので、阿部先生亡き後、これからの[中心のある家]の行く末を案じながら帰路につきました。

阿部勤先生と植田実先生とともに
●『中心のある家 建築家・阿部勤 自邸の50年』

著:阿部勤 写真:藤塚光政
体裁:A4変・140頁
価格:4,400円(税込)+ 送料250円
発行日:2022年9月25日
装丁:加藤賢策(LABORATORIES)
発行:株式会社学芸出版社
★オンラインでのご購入はこちらからどうぞ。
◆「開廊30周年記念 塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」
Part 1 2025年6月5日(木)~6月14日(土)
Part 2 2025年6月18日(水)~6月28日(土)
※6月17日(火)に展示替え、日・月・祝日休廊
ときの忘れものは開廊30周年を迎えました。記念展として「塩見允枝子×フルクサス from 塩見コレクション」展を開催しています。●松本莞『父、松本竣介』
2025年6月8日東京新聞に<昭和初期から戦後活躍 早世の洋画家 松本竣介の生き様 新宿在住次男・莞さん 逸話まとめ出版>という大きな記事が掲載されました。
また『美術手帖』2025年7月号にも中島美緒さんの書評「家庭から見た戦時の画家の姿」が掲載されています。
ときの忘れものは松本竣介の作品を多数所蔵しています。
松本莞さんのサインカード付『父、松本竣介』(みすず書房刊)を特別頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートーク他を開催してまいります。詳細は1月18日ブログをお読みください。
今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
著者・松本莞『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築空間(阿部勤設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は原則として休廊ですが、企画によっては開廊、営業しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

二階廊下、ウォーホルと関根伸夫
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