内間安瑆 Ansei UCHIMA
1921年アメリカ生まれ。40年父母の国日本に留学。早稲田大学で建築を学ぶ。戦後、創作版画の恩地孝四郎に巡り逢い抽象木版に志す。55年東京・養清堂画廊で初個展。59年帰米、以降ニューヨーク在住。62,70年グッゲンハイム・フェローシップ版画部門で受賞。サラ・ローレンス大学名誉教授。2000年永逝(享年79)。メトロポリタン美術館、ホイットニー美術館、シカゴ美術館、アムステルダム国立美術館他が作品を収蔵。
日米、二つの祖国をもった内間先生は浮世絵の伝統技法を深化させ「色面織り」と呼ぶ独自の技法を確立し、伝統的な手摺りで45度摺を重ねた『森の屏風 Forest Byobu』連作を生み出します。鮮やかな色彩のハーモニー、微妙なぼかしが入った色面が幾重にも重なる複雑な構成、多色にもかかわらず画面全体には静かな気品が漂う。現代感覚にあふれた瑞々しい木版画はこれからもっともっと評価されるに違いない。