奈良原一高 Ikko NARAHARA
1931年福岡県生まれ。本姓は楢原。中央大学法学部卒業後、早稲田大学大学院で美術史を専攻。前衛美術に傾倒し、1955年には池田満寿夫、靉嘔らが結成したグループ「実在者」に参加。在学中の1956年に、初個展「人間の土地」を開催し、ほぼ無名の新人の個展としては例外的な反響を呼び、鮮やかなデビューを飾った。それに続き、1958年には極限状況を生きる人間にフォーカスを当てた「王国」を発表、日本写真批評家協会賞新人賞受賞。1959年東松照明・細江英公・川田喜久治・佐藤明・丹野章と、写真家によるセルフ・エージェンシー「VIVO」を結成(1961年解散)。
その後滞欧し、帰国後の出版した写真集 『ヨーロッパ静止した時間』で、日本写真批評家協会賞作家賞、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞を受賞。1975年写真集 『消滅した時間』、1986年写真集『ヴェネツィアの夜』で日本写真協会賞年度賞。1996年紫綬褒章受章。2002年パリ写真美術館で、2004年東京都写真美術館で回顧展が開催されるなど、国内外で高く評価されている。2005年日本写真協会賞功労賞受賞。
2020年死去。