日和崎尊夫 Takao HIWASAKI
1941年高知市生まれ。武蔵野美術学校卒業。日本美術家連盟の版画工房で畦地梅太郎の講習と、加藤清美の腐食銅版画の講習を受講。64年帰郷し、廃れていた木口木版画技法を独学で身につけ、[海渕の薔薇][KALPA]など完成度の高い作品を発表。66年日本版画協会新人賞、67年日本版画協会賞を受賞。77年木口木版画家の会[鑿の会]結成に参加。91年山口源大賞を受賞するが、翌年食道癌のため永逝(50歳)。
「時の流れは早く、ビュランの彫りはかぼそい。だが、たとえこの星が微細なまばたきであれ、けっしてその光を消してはならないー。1978年3月 日和崎尊夫」
長谷川潔、駒井哲郎とともに[版]でしか表現できない独自の世界を築き、数々の酒にまつわる武勇伝に彩られた天才画家は50歳で逝き、あとには500点余りの木口木版画が残されました。闇を刻む詩人の精緻な作品には本物だけが持つ品格が備わっています。