現代版画センター企画
「アンディ・ウォーホル全国展」スタート
会期:1983年6月8日~22日
会場:東京渋谷 パルコPART3
オープニング:1983年6月7日18時~


パルコと現代版画センター連名による招待状
●1983年6月渋谷・パルコ ウォーホル展ポスター(パルコ製作)


パルコに行く通りの壁にはウォーホルの「KIKU」他がプリントされた
受付の現代版画センタースタッフ。左から五十嵐恵子、田村洋子、広瀬陽子、前川美知子





安齊重男(左)と海藤日出男

●1983年ウォーホル全国展ポスター1(デザイン・田名網敬一)

●1983年ウォーホル全国展ポスター2<KIKU>(デザイン・浪漫堂)

●1983年ウォーホル全国展ポスター3<神話他>(デザイン・浪漫堂)

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◆版画センターニュースより再録
<強烈なインパクトを与える80年代の新ウォーホル体験>
1983年6月7日、東京渋谷は、パルコ・パート3のアンディ・ウォーホル展オープニング・パーティは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの音楽がBGMで流れるなか、開会の挨拶もなければ乾杯もなしという、いうなればウォーホル的幕開きで流れるように始まりました。参加者は、招待状をもってきた人約七百人、その他かなりの飛び込み参加者もいたりという具合で、夕刻6時よりの約2時間半、本当にちょっと名状し難い興奮に包まれました。参加者の各人各様のコメントは後段に譲るとして、好きにしろ嫌いにしろ、これほどオープニング・パーティという一種の儀式的場(普通は作品さえ見られないような)においてさえ、強烈なインパクトを与えるアンディ・ウォーホルという人間のすごさは、80年代のアート・シーンに特記すべきことでしょう。それはまた版画のそれこそ同時多発的な特性と、我が国で初のウォーホル・エディションに依るところが大きいとも言えます。恐らくこの1983年のウォーホル新体験は、全国各地にこれから拡がってゆくことでしょう。何より、その何千、何万というウォーホル・イメージをまず共有したいと版画センターは考えます。各地の様々な方々の手でウォーホル展を是非とも成功させて下さい。
パルコオープニング
パルコ会場1
パルコ会場2
パルコ会場3
パルコ会場4
パルコ会場5
パルコ会場6
パルコ会場7
パルコ会場8

針生一郎(左)と綿貫不二夫
岡部徳三
羽永光利、フランソア・モレシャン
建畠覚造、星野治樹、小林淳子
根本寿幸、坂井直樹
杉浦光伸(プリンター)、菅谷幸
石田了一
宮井陸郎、荒木経惟
●荒木経惟氏(写真家)へのインタビュー
アンディ・ウィリアムスと間違えて、蝶ネクタイで来ちゃったよ(笑)。でも、前よりキラキラというか、明るくなって来たんじゃないの。で、自分の線を見せようかなァというところ、自分の絵描きとしての力量をちょっと見せようかなァって茶目っ気が出てるんじゃないの。年が年だからいいんじゃないかなあ(笑)。「KIKU」もあれだけ華やかなっていいし、「動物」のは幼稚園児の手本になるしね。偉人伝もいいね。ただオレはもう少しラブ・シーンが欲しかったねェ。もうポルノだよ。ギンギラな感じでポルノをやるのが彼の役目というのは変だけど、「LOVE」ソフトでしょう。もっとドギツクならなきゃ、ドギツク。歌麿か春画に匹敵するようなのやって欲しかったなァ。四十八点!
森原智子、柳田冨美子、須永良子
栗山豊
日向あき子
●日向あき子氏(美術評論家)へのインタビュー
やはりいいですね。すごく落ち着いた感じですね。「KIKU」と「LOVE」は線が何というか、写真転写に写る前のアール・デコとか、ジャン・コクトーのような面白さが出てますね。彼は日本では、まあ、ジャンルを超えた人だからあまり評価されなかったけど、これから若い人たちが自分たちのものとして受け入れて、ピカソのような人になってくんじゃないかなと思います。
秋山祐徳太子
●秋山祐徳太子氏(作家)へのインタビュー
いや、ボクは'74年だかによばれていってね、大丸の時に。それでウォーホルさんにサインしてもらったり、いろいろあって、で、ビックリするのは、ウォーホルをこれだけ持ってきてきちんとやるということ、それは誰かやんなきゃいけなかったんだけど、呼び屋じゃなくて、ひとつの流通システムをもったところが一番重要なことだと思うんですよ。で、やっぱり現代版画というのはまだまだ遅れてると思うんですよ。そういう点ではウォーホルの作品が来て、大々的にやるというのは大歓迎ですね。これからはポップ・アーティストも逆に輸出して、双方が流通システムを作っていく上での手がかりになったんじゃないかと思う、今度の事は。感激ですね。
林健夫、宮澤壮佳
羽永光利
稲越功一
中村孝
五十嵐恵子、田村洋子
石岡瑛子(右)
小松方正
●小松方正氏(俳優)へのインタビュー
今までウォーホルは部分的には見てるんですよ、で、今日一貫した形で見せてもらって、やっぱり相当な迫力ですね。離れてたものがつながってくるんですよね。ああ、あの人の作品はこの部分でウォーホルの影響を受けたんだとかね、そういうことをしみじみ感じました。で、彼が時代を象徴するチャンピオンだというのが、何故そうなのか、僕は素人だから分からなかったわけで、きょう見てはっきり分りましたね。その、何でもない普通のところが素晴らしいんだね。普通で素晴らしいというのは最高だと思うねェ。で、僕はウォーホルみたいに多面的な顔をもちたいと思うね。僕は役者だから。
柳澤伯夫、柳澤紀子夫妻
●柳沢伯夫氏(衆議院議員)へのインタビュー
いろいろの意味でびっくりして圧倒されました。彼らしいところもあるし、重厚味もでてきた。そんな感じがしますね。「KIKU」は、本当のこと言っていいかな、篠原有司男さんがイミテーション・アートで浮世絵をやった時の色彩とすごく似てて、パッと見てすぐに連想しましたね。作品として見ればやっぱり日本を意識してるのかなァ。ウォーホルに対しては、すばらしい作品を送ってもらって、どうもありがとうと。でも、またニューヨークを思い出しましたね。ニューヨークの臭いがするんだよね。展覧会もすごいね。ちょっと圧倒されました。よく綿貫さんがやったなァと。感銘しました。そしてまぎれもなく画家ですね、ウォーホルは。
綿貫令子
石原悦郎、荒木経惟
小野耕世、橋本ユキ、植田実、根本寿幸、安齊重男
野田哲也夫人、柳澤紀子
牛久保公典、森原智子
佐藤重臣、岡部徳三
綿貫不二夫、今泉省彦
金坂健二、宮井陸郎
幸村真佐男
松岡正剛、宮井陸郎
綿貫不二夫、都築響一、植田実
安齊重男、榎本了壱、今野雄二
五十嵐、石田俊子、石田了一
岡部徳三、宮井陸郎
根本寿幸、小西渥(建築家)
大沢昌助、建畠覚造
●建畠覚造氏(作家)へのインタビュー
とてもいいですね。ウォーホルは昔から好きで、いつも現代を捉えてるでしょう。そう言っては悪いんだけど今日、リキテンシュタインを見て来たんだけど、ちょっとガッカリしたんですよね。こちらの方が面白いですね。『ユダヤ人』のシリーズの「アインシュタイン」なんか、素晴らしいですね。
植田実、藤江和子
小野耕世
沢原、池田一
プラスチックスバンドの中西俊夫、佐藤チカ
モレシャン
●F・モレシャンさんへのインタビュー
前からウォーホルは好きでした。どうして好きという説明はものすごく難しいです。感覚とも肌とも関係ありますしね、頭とは関係なくてね。ウォーホルはまず自分の時代をよく掴まえてますね。流行以上の素晴らしいものを守りながら、やはり時代を掴んでる。それから彼は自分についてマジメに考えてない。お仕事する時はものすごくマジメなのよ。でもウォーホルはいつまでも余裕のある芸術家です。どれが好きかって? 私は欲張りだからひとつだけではなくて、四つぐらい欲しい(笑)。「KIKU」も最高ですね。私は和服のデザインしますね、だから見ててうらやましくなりますね。このまま私の着物のために使いたくなるんですよ、ハーイ。
モレシャンさん親娘
一色与志子
尾崎正教
安齊重男、榎本了壱、今野雄二
秋山祐徳太子、羽永光利、西田考作
道下匡子(アメリカンセンター)
井手淳之助
安齊重男
●安齊重男氏(写真家)へのインタビュー
これだけいろんなものが見れるというのは、若い人にとっては単にウォーホルという名前だけじゃなく、実際作品を見て、おい、お前行ったか?と相当の人が来ると思うんですよ。すごくウォーホルのクリエイティブな部分が出てて、展覧会としてもすごくいいんじゃないかと思うんです。今回はプリントが主体ですね。プリントに的を絞ってやったというのが逆にいいんじゃないですかね。新作はまだゆっくりとは見てないけども、あの「KIKU」なんかも面白いと思いますね。やっぱりうまいですね。
今野雄二、森原智子
百瀬寿
百瀬寿
森仁志
松井裕子、百瀬寿
金坂健二
松井裕子、上田浩司
●上田浩司氏(盛岡第一画廊オーナー)へのインタビュー
やっぱり並べてみると大変見事ですね。版画センターでカタログを作るんでウォーホルのこと調べたでしょう。盛岡でもし僕が(かつてウォーホルを)受け入れてれば日本で初のウォーホル展をやってた筈なんですよね(笑)。今度の調査で分ってね。……ウォーホルを観念的に知ってたつもりで、ところが知らなかったんですね。新作もいいですね。わたくし事なんだけど、今日ちょうどおふくろの一周忌なんだけど、名前がキクといったんですよ。何の理由もないけどね……(笑)。
宮崎佳紀、中川徳章、岩城、岡田隆彦

綿貫令子

現代版画センターがエディションした「KIKU」シリーズの前で綿貫不二夫
綿貫令子


--------------------------
<Interview/インタビュー>
●荒井由泰氏(アートフル勝山の会)
いやァ、楽しいですね。こんなに迫力あるとは思わなかったです。あの『カエル』(「危機に瀕した種」シリーズ)でも、あんなに立派な存在感のあるカエルは見たことないですね。全部が生き生きとしている。題材自身はこんなありふれたものという感じだけど、それが逆に新鮮味を与えてくれるんですね。「KIKU」は正直スケールの面では迫力に欠けるかもしれないけど、それとは違って繊細さの面で楽しいなァと思います。福井の連中に早くもっていって見せたいなァ。
●倉垣光孝氏(浪漫堂主宰・ウォーホル全国展用ポスターを制作)
僕はポスターを作らせてもらうんで、事前にカタログの色校正を見てたんですよ。で、想像よりサイズが大きいんで、ポスターみたいだなァと。仕事柄、どうしてもこういうのが好きなんですよね。うちの会社の人間で人気投票やったら、一番が「LOVE 2」と、ミッキーマウスとスーパーマンでした。
●彦坂裕氏(建築家)
とにかくご盛況おめでとうございます。さっきも話してたんだけど、芸術というのはやはり生で見なきゃいけないでしょう………これしゃべると一万円かなんかくれるの!?(笑)いやァ、とにかく、でもマイクというのは緊張しちゃうねェ。
●荒木経惟氏(写真家)
アンディ・ウィリアムスと間違えて、蝶ネクタイで来ちゃったよ(笑)。でも、前よりキラキラというか、明るくなって来たんじゃないの。で、自分の線を見せようかなァというところ、自分の絵描きとしての力量をちょっと見せようかなァって茶目っ気が出てるんじゃないの。年が年だからいいんじゃないかなあ(笑)。「KIKU」もあれだけ華やかなっていいし、「動物」のは幼稚園児の手本になるしね。偉人伝もいいね。ただオレはもう少しラブ・シーンが欲しかったねェ。もうポルノだよ。ギンギラな感じでポルノをやるのが彼の役目というのは変だけど、「LOVE」ソフトでしょう。もっとドギツクならなきゃ、ドギツク。歌麿か春画に匹敵するようなのやって欲しかったなァ。四十八点!
●建畠覚造氏(作家)
とてもいいですね。ウォーホルは昔から好きで、いつも現代を捉えてるでしょう。そう言っては悪いんだけど今日、リキテンシュタインを見て来たんだけど、ちょっとガッカリしたんですよね。こちらの方が面白いですね。『ユダヤ人』のシリーズの「アインシュタイン」なんか、素晴らしいですね。
●柳沢伯夫氏(衆議院議員)
いろいろの意味でびっくりして圧倒されました。彼らしいところもあるし、重厚味もでてきた。そんな感じがしますね。「KIKU」は、本当のこと言っていいかな、篠原有司男さんがイミテーション・アートで浮世絵をやった時の色彩とすごく似てて、パッと見てすぐに連想しましたね。作品として見ればやっぱり日本を意識してるのかなァ。ウォーホルに対しては、すばらしい作品を送ってもらって、どうもありがとうと。でも、またニューヨークを思い出しましたね。ニューヨークの臭いがするんだよね。展覧会もすごいね。ちょっと圧倒されました。よく綿貫さんがやったなァと。感銘しました。そしてまぎれもなく画家ですね、ウォーホルは。
●安齊重男氏(写真家)
これだけいろんなものが見れるというのは、若い人にとっては単にウォーホルという名前だけじゃなく、実際作品を見て、おい、お前行ったか?と相当の人が来ると思うんですよ。すごくウォーホルのクリエイティブな部分が出てて、展覧会としてもすごくいいんじゃないかと思うんです。今回はプリントが主体ですね。プリントに的を絞ってやったというのが逆にいいんじゃないですかね。新作はまだゆっくりとは見てないけども、あの「KIKU」なんかも面白いと思いますね。やっぱりうまいですね。
●上田浩司氏(盛岡第一画廊オーナー)
やっぱり並べてみると大変見事ですね。版画センターでカタログを作るんでウォーホルのこと調べたでしょう。盛岡でもし僕が(かつてウォーホルを)受け入れてれば日本で初のウォーホル展をやってた筈なんですよね(笑)。今度の調査で分ってね。……ウォーホルを観念的に知ってたつもりで、ところが知らなかったんですね。新作もいいですね。わたくし事なんだけど、今日ちょうどおふくろの一周忌なんだけど、名前がキクといったんですよ。何の理由もないけどね……(笑)。
●日向あき子氏(美術評論家)
やはりいいですね。すごく落ち着いた感じですね。「KIKU」と「LOVE」は線が何というか、写真転写に写る前のアール・デコとか、ジャン・コクトーのような面白さが出てますね。彼は日本では、まあ、ジャンルを超えた人だからあまり評価されなかったけど、これから若い人たちが自分たちのものとして受け入れて、ピカソのような人になってくんじゃないかなと思います。
●小松方正氏(俳優)
今までウォーホルは部分的には見てるんですよ、で、今日一貫した形で見せてもらって、やっぱり相当な迫力ですね。離れてたものがつながってくるんですよね。ああ、あの人の作品はこの部分でウォーホルの影響を受けたんだとかね、そういうことをしみじみ感じました。で、彼が時代を象徴するチャンピオンだというのが、何故そうなのか、僕は素人だから分からなかったわけで、きょう見てはっきり分りましたね。その、何でもない普通のところが素晴らしいんだね。普通で素晴らしいというのは最高だと思うねェ。で、僕はウォーホルみたいに多面的な顔をもちたいと思うね。僕は役者だから。
●F・モレシャンさん
前からウォーホルは好きでした。どうして好きという説明はものすごく難しいです。感覚とも肌とも関係ありますしね、頭とは関係なくてね。ウォーホルはまず自分の時代をよく掴まえてますね。流行以上の素晴らしいものを守りながら、やはり時代を掴んでる。それから彼は自分についてマジメに考えてない。お仕事する時はものすごくマジメなのよ。でもウォーホルはいつまでも余裕のある芸術家です。どれが好きかって? 私は欲張りだからひとつだけではなくて、四つぐらい欲しい(笑)。「KIKU」も最高ですね。私は和服のデザインしますね、だから見ててうらやましくなりますね。このまま私の着物のために使いたくなるんですよ、ハーイ。
●秋山祐徳太子氏(作家)
いや、ボクは'74年だかによばれていってね、大丸の時に。それでウォーホルさんにサインしてもらったり、いろいろあって、で、ビックリするのは、ウォーホルをこれだけ持ってきてきちんとやるということ、それは誰かやんなきゃいけなかったんだけど、呼び屋じゃなくて、ひとつの流通システムをもったところが一番重要なことだと思うんですよ。で、やっぱり現代版画というのはまだまだ遅れてると思うんですよ。そういう点ではウォーホルの作品が来て、大々的にやるというのは大歓迎ですね。これからはポップ・アーティストも逆に輸出して、双方が流通システムを作っていく上での手がかりになったんじゃないかと思う、今度の事は。感激ですね。
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●1983年ウォーホル全国展ポスター3<マリリン他>
1983年 オフセット
103x72.5cm
デザイン:浪漫堂
制作:現代版画センター
●1983年ウォーホル全国展ポスター2<KIKU>
1983年 オフセット
103x72.5cm
デザイン:浪漫堂
制作:現代版画センター
●1983年6月渋谷・パルコ ウォーホル展ポスター
1983年 オフセット
103x72.5cm
デザイン・制作:パルコ
●1983年ウォーホル全国展ポスター1(田名網敬一)
1983年 オフセット
103x72.5cm
デザイン:田名網敬一
制作:現代版画センター
「アンディ・ウォーホル全国展」スタート
会期:1983年6月8日~22日
会場:東京渋谷 パルコPART3
オープニング:1983年6月7日18時~


パルコと現代版画センター連名による招待状
●1983年6月渋谷・パルコ ウォーホル展ポスター(パルコ製作)


パルコに行く通りの壁にはウォーホルの「KIKU」他がプリントされた
受付の現代版画センタースタッフ。左から五十嵐恵子、田村洋子、広瀬陽子、前川美知子




安齊重男(左)と海藤日出男
●1983年ウォーホル全国展ポスター1(デザイン・田名網敬一)

●1983年ウォーホル全国展ポスター2<KIKU>(デザイン・浪漫堂)

●1983年ウォーホル全国展ポスター3<神話他>(デザイン・浪漫堂)

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◆版画センターニュースより再録
<強烈なインパクトを与える80年代の新ウォーホル体験>
1983年6月7日、東京渋谷は、パルコ・パート3のアンディ・ウォーホル展オープニング・パーティは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの音楽がBGMで流れるなか、開会の挨拶もなければ乾杯もなしという、いうなればウォーホル的幕開きで流れるように始まりました。参加者は、招待状をもってきた人約七百人、その他かなりの飛び込み参加者もいたりという具合で、夕刻6時よりの約2時間半、本当にちょっと名状し難い興奮に包まれました。参加者の各人各様のコメントは後段に譲るとして、好きにしろ嫌いにしろ、これほどオープニング・パーティという一種の儀式的場(普通は作品さえ見られないような)においてさえ、強烈なインパクトを与えるアンディ・ウォーホルという人間のすごさは、80年代のアート・シーンに特記すべきことでしょう。それはまた版画のそれこそ同時多発的な特性と、我が国で初のウォーホル・エディションに依るところが大きいとも言えます。恐らくこの1983年のウォーホル新体験は、全国各地にこれから拡がってゆくことでしょう。何より、その何千、何万というウォーホル・イメージをまず共有したいと版画センターは考えます。各地の様々な方々の手でウォーホル展を是非とも成功させて下さい。
パルコオープニング
パルコ会場1
パルコ会場2
パルコ会場3
パルコ会場4
パルコ会場5
パルコ会場6
パルコ会場7
パルコ会場8
針生一郎(左)と綿貫不二夫
岡部徳三
羽永光利、フランソア・モレシャン
建畠覚造、星野治樹、小林淳子
根本寿幸、坂井直樹
杉浦光伸(プリンター)、菅谷幸
石田了一
宮井陸郎、荒木経惟●荒木経惟氏(写真家)へのインタビュー
アンディ・ウィリアムスと間違えて、蝶ネクタイで来ちゃったよ(笑)。でも、前よりキラキラというか、明るくなって来たんじゃないの。で、自分の線を見せようかなァというところ、自分の絵描きとしての力量をちょっと見せようかなァって茶目っ気が出てるんじゃないの。年が年だからいいんじゃないかなあ(笑)。「KIKU」もあれだけ華やかなっていいし、「動物」のは幼稚園児の手本になるしね。偉人伝もいいね。ただオレはもう少しラブ・シーンが欲しかったねェ。もうポルノだよ。ギンギラな感じでポルノをやるのが彼の役目というのは変だけど、「LOVE」ソフトでしょう。もっとドギツクならなきゃ、ドギツク。歌麿か春画に匹敵するようなのやって欲しかったなァ。四十八点!
森原智子、柳田冨美子、須永良子
栗山豊
日向あき子●日向あき子氏(美術評論家)へのインタビュー
やはりいいですね。すごく落ち着いた感じですね。「KIKU」と「LOVE」は線が何というか、写真転写に写る前のアール・デコとか、ジャン・コクトーのような面白さが出てますね。彼は日本では、まあ、ジャンルを超えた人だからあまり評価されなかったけど、これから若い人たちが自分たちのものとして受け入れて、ピカソのような人になってくんじゃないかなと思います。
秋山祐徳太子●秋山祐徳太子氏(作家)へのインタビュー
いや、ボクは'74年だかによばれていってね、大丸の時に。それでウォーホルさんにサインしてもらったり、いろいろあって、で、ビックリするのは、ウォーホルをこれだけ持ってきてきちんとやるということ、それは誰かやんなきゃいけなかったんだけど、呼び屋じゃなくて、ひとつの流通システムをもったところが一番重要なことだと思うんですよ。で、やっぱり現代版画というのはまだまだ遅れてると思うんですよ。そういう点ではウォーホルの作品が来て、大々的にやるというのは大歓迎ですね。これからはポップ・アーティストも逆に輸出して、双方が流通システムを作っていく上での手がかりになったんじゃないかと思う、今度の事は。感激ですね。
林健夫、宮澤壮佳
羽永光利
稲越功一
中村孝
五十嵐恵子、田村洋子
石岡瑛子(右)
小松方正●小松方正氏(俳優)へのインタビュー
今までウォーホルは部分的には見てるんですよ、で、今日一貫した形で見せてもらって、やっぱり相当な迫力ですね。離れてたものがつながってくるんですよね。ああ、あの人の作品はこの部分でウォーホルの影響を受けたんだとかね、そういうことをしみじみ感じました。で、彼が時代を象徴するチャンピオンだというのが、何故そうなのか、僕は素人だから分からなかったわけで、きょう見てはっきり分りましたね。その、何でもない普通のところが素晴らしいんだね。普通で素晴らしいというのは最高だと思うねェ。で、僕はウォーホルみたいに多面的な顔をもちたいと思うね。僕は役者だから。
柳澤伯夫、柳澤紀子夫妻●柳沢伯夫氏(衆議院議員)へのインタビュー
いろいろの意味でびっくりして圧倒されました。彼らしいところもあるし、重厚味もでてきた。そんな感じがしますね。「KIKU」は、本当のこと言っていいかな、篠原有司男さんがイミテーション・アートで浮世絵をやった時の色彩とすごく似てて、パッと見てすぐに連想しましたね。作品として見ればやっぱり日本を意識してるのかなァ。ウォーホルに対しては、すばらしい作品を送ってもらって、どうもありがとうと。でも、またニューヨークを思い出しましたね。ニューヨークの臭いがするんだよね。展覧会もすごいね。ちょっと圧倒されました。よく綿貫さんがやったなァと。感銘しました。そしてまぎれもなく画家ですね、ウォーホルは。
綿貫令子
石原悦郎、荒木経惟
小野耕世、橋本ユキ、植田実、根本寿幸、安齊重男
野田哲也夫人、柳澤紀子
牛久保公典、森原智子
佐藤重臣、岡部徳三
綿貫不二夫、今泉省彦
金坂健二、宮井陸郎
幸村真佐男
松岡正剛、宮井陸郎
綿貫不二夫、都築響一、植田実
安齊重男、榎本了壱、今野雄二
五十嵐、石田俊子、石田了一
岡部徳三、宮井陸郎
根本寿幸、小西渥(建築家)
大沢昌助、建畠覚造●建畠覚造氏(作家)へのインタビュー
とてもいいですね。ウォーホルは昔から好きで、いつも現代を捉えてるでしょう。そう言っては悪いんだけど今日、リキテンシュタインを見て来たんだけど、ちょっとガッカリしたんですよね。こちらの方が面白いですね。『ユダヤ人』のシリーズの「アインシュタイン」なんか、素晴らしいですね。
植田実、藤江和子
小野耕世
沢原、池田一
プラスチックスバンドの中西俊夫、佐藤チカ
モレシャン●F・モレシャンさんへのインタビュー
前からウォーホルは好きでした。どうして好きという説明はものすごく難しいです。感覚とも肌とも関係ありますしね、頭とは関係なくてね。ウォーホルはまず自分の時代をよく掴まえてますね。流行以上の素晴らしいものを守りながら、やはり時代を掴んでる。それから彼は自分についてマジメに考えてない。お仕事する時はものすごくマジメなのよ。でもウォーホルはいつまでも余裕のある芸術家です。どれが好きかって? 私は欲張りだからひとつだけではなくて、四つぐらい欲しい(笑)。「KIKU」も最高ですね。私は和服のデザインしますね、だから見ててうらやましくなりますね。このまま私の着物のために使いたくなるんですよ、ハーイ。
モレシャンさん親娘
一色与志子
尾崎正教
安齊重男、榎本了壱、今野雄二
秋山祐徳太子、羽永光利、西田考作
道下匡子(アメリカンセンター)
井手淳之助
安齊重男●安齊重男氏(写真家)へのインタビュー
これだけいろんなものが見れるというのは、若い人にとっては単にウォーホルという名前だけじゃなく、実際作品を見て、おい、お前行ったか?と相当の人が来ると思うんですよ。すごくウォーホルのクリエイティブな部分が出てて、展覧会としてもすごくいいんじゃないかと思うんです。今回はプリントが主体ですね。プリントに的を絞ってやったというのが逆にいいんじゃないですかね。新作はまだゆっくりとは見てないけども、あの「KIKU」なんかも面白いと思いますね。やっぱりうまいですね。
今野雄二、森原智子
百瀬寿
百瀬寿
森仁志
松井裕子、百瀬寿
金坂健二
松井裕子、上田浩司●上田浩司氏(盛岡第一画廊オーナー)へのインタビュー
やっぱり並べてみると大変見事ですね。版画センターでカタログを作るんでウォーホルのこと調べたでしょう。盛岡でもし僕が(かつてウォーホルを)受け入れてれば日本で初のウォーホル展をやってた筈なんですよね(笑)。今度の調査で分ってね。……ウォーホルを観念的に知ってたつもりで、ところが知らなかったんですね。新作もいいですね。わたくし事なんだけど、今日ちょうどおふくろの一周忌なんだけど、名前がキクといったんですよ。何の理由もないけどね……(笑)。
宮崎佳紀、中川徳章、岩城、岡田隆彦
綿貫令子
現代版画センターがエディションした「KIKU」シリーズの前で綿貫不二夫
綿貫令子

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<Interview/インタビュー>
●荒井由泰氏(アートフル勝山の会)
いやァ、楽しいですね。こんなに迫力あるとは思わなかったです。あの『カエル』(「危機に瀕した種」シリーズ)でも、あんなに立派な存在感のあるカエルは見たことないですね。全部が生き生きとしている。題材自身はこんなありふれたものという感じだけど、それが逆に新鮮味を与えてくれるんですね。「KIKU」は正直スケールの面では迫力に欠けるかもしれないけど、それとは違って繊細さの面で楽しいなァと思います。福井の連中に早くもっていって見せたいなァ。
●倉垣光孝氏(浪漫堂主宰・ウォーホル全国展用ポスターを制作)
僕はポスターを作らせてもらうんで、事前にカタログの色校正を見てたんですよ。で、想像よりサイズが大きいんで、ポスターみたいだなァと。仕事柄、どうしてもこういうのが好きなんですよね。うちの会社の人間で人気投票やったら、一番が「LOVE 2」と、ミッキーマウスとスーパーマンでした。
●彦坂裕氏(建築家)
とにかくご盛況おめでとうございます。さっきも話してたんだけど、芸術というのはやはり生で見なきゃいけないでしょう………これしゃべると一万円かなんかくれるの!?(笑)いやァ、とにかく、でもマイクというのは緊張しちゃうねェ。
●荒木経惟氏(写真家)
アンディ・ウィリアムスと間違えて、蝶ネクタイで来ちゃったよ(笑)。でも、前よりキラキラというか、明るくなって来たんじゃないの。で、自分の線を見せようかなァというところ、自分の絵描きとしての力量をちょっと見せようかなァって茶目っ気が出てるんじゃないの。年が年だからいいんじゃないかなあ(笑)。「KIKU」もあれだけ華やかなっていいし、「動物」のは幼稚園児の手本になるしね。偉人伝もいいね。ただオレはもう少しラブ・シーンが欲しかったねェ。もうポルノだよ。ギンギラな感じでポルノをやるのが彼の役目というのは変だけど、「LOVE」ソフトでしょう。もっとドギツクならなきゃ、ドギツク。歌麿か春画に匹敵するようなのやって欲しかったなァ。四十八点!
●建畠覚造氏(作家)
とてもいいですね。ウォーホルは昔から好きで、いつも現代を捉えてるでしょう。そう言っては悪いんだけど今日、リキテンシュタインを見て来たんだけど、ちょっとガッカリしたんですよね。こちらの方が面白いですね。『ユダヤ人』のシリーズの「アインシュタイン」なんか、素晴らしいですね。
●柳沢伯夫氏(衆議院議員)
いろいろの意味でびっくりして圧倒されました。彼らしいところもあるし、重厚味もでてきた。そんな感じがしますね。「KIKU」は、本当のこと言っていいかな、篠原有司男さんがイミテーション・アートで浮世絵をやった時の色彩とすごく似てて、パッと見てすぐに連想しましたね。作品として見ればやっぱり日本を意識してるのかなァ。ウォーホルに対しては、すばらしい作品を送ってもらって、どうもありがとうと。でも、またニューヨークを思い出しましたね。ニューヨークの臭いがするんだよね。展覧会もすごいね。ちょっと圧倒されました。よく綿貫さんがやったなァと。感銘しました。そしてまぎれもなく画家ですね、ウォーホルは。
●安齊重男氏(写真家)
これだけいろんなものが見れるというのは、若い人にとっては単にウォーホルという名前だけじゃなく、実際作品を見て、おい、お前行ったか?と相当の人が来ると思うんですよ。すごくウォーホルのクリエイティブな部分が出てて、展覧会としてもすごくいいんじゃないかと思うんです。今回はプリントが主体ですね。プリントに的を絞ってやったというのが逆にいいんじゃないですかね。新作はまだゆっくりとは見てないけども、あの「KIKU」なんかも面白いと思いますね。やっぱりうまいですね。
●上田浩司氏(盛岡第一画廊オーナー)
やっぱり並べてみると大変見事ですね。版画センターでカタログを作るんでウォーホルのこと調べたでしょう。盛岡でもし僕が(かつてウォーホルを)受け入れてれば日本で初のウォーホル展をやってた筈なんですよね(笑)。今度の調査で分ってね。……ウォーホルを観念的に知ってたつもりで、ところが知らなかったんですね。新作もいいですね。わたくし事なんだけど、今日ちょうどおふくろの一周忌なんだけど、名前がキクといったんですよ。何の理由もないけどね……(笑)。
●日向あき子氏(美術評論家)
やはりいいですね。すごく落ち着いた感じですね。「KIKU」と「LOVE」は線が何というか、写真転写に写る前のアール・デコとか、ジャン・コクトーのような面白さが出てますね。彼は日本では、まあ、ジャンルを超えた人だからあまり評価されなかったけど、これから若い人たちが自分たちのものとして受け入れて、ピカソのような人になってくんじゃないかなと思います。
●小松方正氏(俳優)
今までウォーホルは部分的には見てるんですよ、で、今日一貫した形で見せてもらって、やっぱり相当な迫力ですね。離れてたものがつながってくるんですよね。ああ、あの人の作品はこの部分でウォーホルの影響を受けたんだとかね、そういうことをしみじみ感じました。で、彼が時代を象徴するチャンピオンだというのが、何故そうなのか、僕は素人だから分からなかったわけで、きょう見てはっきり分りましたね。その、何でもない普通のところが素晴らしいんだね。普通で素晴らしいというのは最高だと思うねェ。で、僕はウォーホルみたいに多面的な顔をもちたいと思うね。僕は役者だから。
●F・モレシャンさん
前からウォーホルは好きでした。どうして好きという説明はものすごく難しいです。感覚とも肌とも関係ありますしね、頭とは関係なくてね。ウォーホルはまず自分の時代をよく掴まえてますね。流行以上の素晴らしいものを守りながら、やはり時代を掴んでる。それから彼は自分についてマジメに考えてない。お仕事する時はものすごくマジメなのよ。でもウォーホルはいつまでも余裕のある芸術家です。どれが好きかって? 私は欲張りだからひとつだけではなくて、四つぐらい欲しい(笑)。「KIKU」も最高ですね。私は和服のデザインしますね、だから見ててうらやましくなりますね。このまま私の着物のために使いたくなるんですよ、ハーイ。
●秋山祐徳太子氏(作家)
いや、ボクは'74年だかによばれていってね、大丸の時に。それでウォーホルさんにサインしてもらったり、いろいろあって、で、ビックリするのは、ウォーホルをこれだけ持ってきてきちんとやるということ、それは誰かやんなきゃいけなかったんだけど、呼び屋じゃなくて、ひとつの流通システムをもったところが一番重要なことだと思うんですよ。で、やっぱり現代版画というのはまだまだ遅れてると思うんですよ。そういう点ではウォーホルの作品が来て、大々的にやるというのは大歓迎ですね。これからはポップ・アーティストも逆に輸出して、双方が流通システムを作っていく上での手がかりになったんじゃないかと思う、今度の事は。感激ですね。
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●1983年ウォーホル全国展ポスター3<マリリン他>
1983年 オフセット103x72.5cm
デザイン:浪漫堂
制作:現代版画センター
●1983年ウォーホル全国展ポスター2<KIKU>
1983年 オフセット103x72.5cm
デザイン:浪漫堂
制作:現代版画センター
●1983年6月渋谷・パルコ ウォーホル展ポスター
1983年 オフセット103x72.5cm
デザイン・制作:パルコ
●1983年ウォーホル全国展ポスター1(田名網敬一)
1983年 オフセット 103x72.5cm
デザイン:田名網敬一
制作:現代版画センター
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