番号      0028-001
作家名    殿敷 侃
作品名    「カニ」
技法      銅版
作品サイズ  12.3×16cm
限定     30部
サイン    ボールペンによるサインあり
作品の状態  良好。
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◆作家の紹介/殿敷侃 とのしき ただし(1942-1992)広島市生まれ。3歳のときに被爆。父親は原爆で亡くなり、母親も五年後に病死した。26歳で画家を志して国鉄を退職。1975年長門市に移り、香月泰男らに教えを受ける。70年代後半には、作家自身の被爆体験にもとづいた細密な描写の作品で注目され、1979、80年と安井賞に連続して入選、やがて版画に移行する。さらに1982年のヨーロッパ旅行で、「ドクメンタ7」のボイスの作品に大きな衝撃を受け、翌年の山口県美術展覧会の「THE BUNCH OF
BLACK REBEL(黒の反逆集団)」で約4トンのタイヤなどの廃品をぶちまけたインスタレーションを発表、その後社会に問題提起をすべく果敢にインスタレーションを制作しつづけて活躍を期待されたが、50歳で亡くなった。

◆作品のワンポイント/被爆体験をもとに細密極まる鉛筆画で石を描き続けていた「とのしき」という珍しい作家の名前を覚えている人はいるだろうか。久保貞次郎の勧めもあって鉛筆をニードルに持ち替えて、銅版作品でもカニや貝やトンボなどの小さな生き物を細密な作品に描いた。いずれ再評価されるに違いない。
殿敷侃「カニ」