
元永定正「いいろろ」
1977年 Silkscreen(刷り:石田了一) Ed.100
47.0×61.0cm 鉛筆サイン有り
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この作品は、1977年に現代版画センター企画によって全国展開された「現代と声」のために制作された作品です。これ以前にも版画制作はされていたのですが、本格的なものはこれが最初で、いわば実質的な版画デビュー作品です。
この企画には、各分野から9人の作家が選ばれましたが、その顔触れは、靉嘔、オノサト・トシノブ、磯崎新、加山又造、小野具定、一原有徳、野田哲也、関根伸夫、そして元永定正でした。
当時の現代版画センターの<軍師>は関根伸夫で、彼の強力な推薦で私は今はない名古屋の桜画廊での個展会場で、初めて元永先生に会いました。関東とは全く違うメンタリティに圧倒されました。
当時、元永先生の存在は東京ではすっかり忘れさられており、この企画が発表されるや「えっ、元永さん生きてたの?」といわれたことを覚えています。
この後の元永先生の大爆発と活躍はご存知の通り。
◆作家の紹介/元永定正(もとなが さだまさ)は、1922年(大正11)三重県生まれ、県立上野商業学校卒。さまざまな職業を転々とするが、55年関西を拠点にする具体美術協会に参加、吉原治良に師事する。「誰も人のやらないことをやる」という吉原の教えに目覚めて抽象画を描き始める。64年現代日本美術展で受賞。各種国際展で活躍。83年日本芸術大賞を受賞し、名実共に日本を代表する抽象画家としての地位を確立した。「僕は知性派じゃなく、アホ派です」と韜晦しつつ、80歳をこえ、ますますパワーあふれる制作を続けている。
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