菅井汲スクランブルG

菅井汲「スクランブルG」
1976年 凸版+シルクスクリーン
刷り:石田了一 24.0×35.5cm 限定150部
鉛筆サインあり

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1975年、渡仏以来三度目の帰国をした菅井汲先生に私はパレスホテルで会い、日本での版画制作を依頼し、「スクランブル」「シグナル」「ポートレート」等の連作をエディションしました。
1967年の自動車事故で奇跡的に一命を取りとめて以来、幾何学的抽象を深化させていた菅井先生に対し「あれは信号みたいだ」と揶揄する声がありました。菅井先生はそれを面白がって「それじゃあ(期待に応えて)信号をやりましょう」といって、故郷の阪神間の信号や交差点、線路を写真に撮り、コラージュ風の連作が誕生しました。この作品の線路はもちろん古巣の阪急電車です(のはず、先生からそう聞いていましたが、撮影現場には立ち会わなかった)。
「私は一人で闘ってきた」、反骨の菅井先生らしいユーモアとウイットに富んだ作品です。