駒井哲郎といえば「白と黒の造形」という著作名で知られる通り、モノクロームの世界こそが真骨頂と思われていますが、近年モノタイプなどの華麗な色彩にも注目が集まってきました。
きっかけは、世田谷美術館や資生堂ギャラリーで公開された福原コレクションのモノタイプを中心とする色彩の一大作品群でしょう。
「白と黒」の作家だとばかり思われてきた駒井先生が実は優れた色彩画家でもあったことが証明されたわけですが、これはコレクターの眼による「第二の創造」といっていいでしょう。
生前、作家は自らの作品集にモノタイプは収録しませんでした。
没後、ある大コレクターから大量の駒井作品を購入した東京都美術館(現在は東京都現代美術館に移管)は、なぜかモノタイプを購入対象からはずしてしまいます。
東京都についで多くの駒井作品を収蔵する埼玉県立近代美術館にもモノタイプはほとんどありません。
だが評価は確実に変わりつつあります。
仄聞するところによれば、平成20年春から使用される某社の高校の美術教科書には、駒井哲郎のモノタイプ作品(カラー)が掲載されるそうです。
駒井哲郎への評価はもちろん、現代版画の歴史からいっても、画期的なことですね。
では駒井先生はいったいどのくらいモノタイプを制作されたのでしょうか。
本や雑誌の表紙などに使われたものは、「駒井哲郎ブックワーク」(形象社)に収録されているので見当はつきますが、モノタイプは一点きりの作品ですから、個展などで頒布されてしまうと記録が残らず、作品集の類にもあまり収録されていないので、総数がどのくらいかはよくわからないのです。
全貌解明はこれからの課題だと思います。
確実にいえることは、従来考えられてきた量よりもはるかに多くの制作がなされたということです。
以下に掲載する3点のモノタイプ(3番の埼玉県立近代美術館所蔵の「閉じた扉」は図録からの再録なのでモノクロだが、もちろん実物はカラー作品である)をご覧になるとおわかりになるでしょうが、駒井先生はひとつのモチーフをもとにいくつものモノタイプ作品を手がけられたようです。
これだけメジャーになった作家でもわからないことはごまんとある・・・・・

1)駒井哲郎「Une fenetre fermee(閉ざされた窓)」
1975年 モノタイプ(カラー)17.0×16.3cm

2)駒井哲郎「雑誌新潮9月号表紙」
1972年 モノタイプ(カラー)16.2×17.0cm

3)駒井哲郎「fenetre fermee(閉じた扉)」
1972年 モノタイプ(カラー)11.5×8.2cm
*埼玉県立近代美術館所蔵
きっかけは、世田谷美術館や資生堂ギャラリーで公開された福原コレクションのモノタイプを中心とする色彩の一大作品群でしょう。
「白と黒」の作家だとばかり思われてきた駒井先生が実は優れた色彩画家でもあったことが証明されたわけですが、これはコレクターの眼による「第二の創造」といっていいでしょう。
生前、作家は自らの作品集にモノタイプは収録しませんでした。
没後、ある大コレクターから大量の駒井作品を購入した東京都美術館(現在は東京都現代美術館に移管)は、なぜかモノタイプを購入対象からはずしてしまいます。
東京都についで多くの駒井作品を収蔵する埼玉県立近代美術館にもモノタイプはほとんどありません。
だが評価は確実に変わりつつあります。
仄聞するところによれば、平成20年春から使用される某社の高校の美術教科書には、駒井哲郎のモノタイプ作品(カラー)が掲載されるそうです。
駒井哲郎への評価はもちろん、現代版画の歴史からいっても、画期的なことですね。
では駒井先生はいったいどのくらいモノタイプを制作されたのでしょうか。
本や雑誌の表紙などに使われたものは、「駒井哲郎ブックワーク」(形象社)に収録されているので見当はつきますが、モノタイプは一点きりの作品ですから、個展などで頒布されてしまうと記録が残らず、作品集の類にもあまり収録されていないので、総数がどのくらいかはよくわからないのです。
全貌解明はこれからの課題だと思います。
確実にいえることは、従来考えられてきた量よりもはるかに多くの制作がなされたということです。
以下に掲載する3点のモノタイプ(3番の埼玉県立近代美術館所蔵の「閉じた扉」は図録からの再録なのでモノクロだが、もちろん実物はカラー作品である)をご覧になるとおわかりになるでしょうが、駒井先生はひとつのモチーフをもとにいくつものモノタイプ作品を手がけられたようです。
これだけメジャーになった作家でもわからないことはごまんとある・・・・・

1)駒井哲郎「Une fenetre fermee(閉ざされた窓)」
1975年 モノタイプ(カラー)17.0×16.3cm

2)駒井哲郎「雑誌新潮9月号表紙」
1972年 モノタイプ(カラー)16.2×17.0cm

3)駒井哲郎「fenetre fermee(閉じた扉)」
1972年 モノタイプ(カラー)11.5×8.2cm
*埼玉県立近代美術館所蔵
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