出品番号4.
荒川修作 Shusaku ARAKAWA
「こんにちは、ピカソ」
1973年 シルクスクリーン 限定90部
56.5×76.4cm サインあり 額付
◆今回の現代美術オークションには、70年代の作品が少なくありませんが、中でもこの荒川修作の作品は、60年~70年代の現代美術の熱かった時代を知る身としては感慨深いものがあります。
最近はアートよりも建築の世界で活躍している荒川さんですが、戦後の日本人作家で世界の舞台で戦い、勝利を手にしたのが、パリの菅井汲と、ニューヨークの荒川修作でした。
私は1983年にニューヨークの荒川さんのアトリエに伺ったのですが、その巨大さに度肝を抜かれました。既に「アラカワって日本人なの」といわれるいくらい世界的な活躍をしていたのですが、少年のような知的な好奇心を持ち続けていたことを印象深く思い出します。
最近の村上隆さんの大活躍を、ジャーナリストたちが「世界の桧舞台で初めて認められた」などとよいしょするのを読むと、おいおい誰か忘れちゃおりませんか、といいたくなります。
そういう歴史を無視した論調が大手を振ってまかり通るのは、美術ジャーナリズムの衰退の証拠でもあるし、先人たちが築いた自国の文化を貶めることになる。
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