




銀座の並木通りにあるHouse of Shiseidoで6月~9月かけて11週間「美のかたち こころの器 資生堂ギャラリー<現代工藝展 1975~1995>より」という長い名前の展覧会が開催されたことは、以前このブログでもご紹介しました。
資生堂ギャラリーで1975年から20回にわたり開催された<現代工藝展>に出品された工藝作品の中から陶芸分野の、鈴木治、十三代今泉今右衛門、加守田章二、清水卯一、鈴木蔵、田村耕一、藤本能道、松井康成、八木一夫の9作家の68作品が展示され、さらに資生堂と縁の深い富本憲吉の作品(ほとんどが初公開)が特別展示されました。
この展覧会の構成監修は和光大学の三上豊先生があたられ、出品された陶芸作品に現在活躍するいけばな作家11人に毎週お花を生けていただくという卓抜なアイデアを出されました。
資生堂が所蔵する上記9作家の作品は所謂鑑賞陶器、美術品ですから、実際にお花を生けるとなるといろいろ問題があり、実現までには紆余曲折がありました。
ともあれ、11週間にわたり、以下の11人のいけばな作家たちが上記の陶芸作品の中から自由に選んだ作品に毎週お花を生けるという連続個展が開催されました。
参加されたのは、千羽理芳(古流松應会家元)、日向洋一(草月流)、下田尚利(大和花道家元)、工藤和彦(小原流)、粕谷明弘(一葉式いけ花家元)、吉村隆(龍生派)、大吉昌山(草月流)、長井理一(古流松藤会家元)、宇田川理翁(古流理恩会家元)、早川尚洞(清風瓶華家元)、大塚理司(古流かたばみ会家元)。
いけばなは生きている植物を生けるわけですから、どんどん枯れて(変化して)行きます。
一瞬の美ともいえる個展です。従ってモノとしての作品は残らず、記録が写真としてあるだけです。
そこで、展覧会終了後、参加された11人のいけばな作家たちが自らの制作記録として、図録を刊行されました。
発行:Fの会事務局、A4判、16ページ、執筆:三上豊、下田尚利、
編集は、この展覧会にアドバイザーとして私が関わった縁もあり、ときの忘れものの尾立麗子が担当しました。デザインは北澤敏彦さんです。
発行元からいただいたので、少しですがおわけできます。
ご希望の方はメールにてお申し込みください。
ときの忘れものでは、29日まで「恩地孝四郎と創作版画の作家たち」展を開催しています。
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