パブロ・ピカソ Pablo PICASSO
「156シリーズよりNo.128. 71.5.16」
1971 etching
Image Size 36.5×49.3cm
Frame Size 72.0×81.3cm
Ed.50 スタンプサイン
*レゾネNo.1983(Bloch)
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ピカソの「156シリーズ」の中の一点です。
私が美術界に入ったのは1974年ですが、このとき出会ったUさんという当時有名な版画コレクターの方に「20世紀最大の画家はピカソだと思うけれど、コレクターの数なんてたかが知れているよね。だって全作品を持っている人は50人いないんだから」と言われて、きょとんとしたことを覚えています。
もってまわった言い方ですが、Uさんは、「この世界には数十億人の人間がいる。なのに人類史上稀にみる大画家のピカソの全作品(版画)をコレクションしている人はたった50人もいないのだ。なぜならピカソの版画のほとんどは限定50部にもかかわらず我々はいつでもピカソを買うことができるから。」といいたかったのですね。
もし全作品を持っているコレクターが50人いれば、ピカソの版画は絶対に市場に出てこない。
現代版画の複数性を見事に表現した含蓄ある言葉として今でも私の耳に残っています。
フェルメールやレオナルド・ダ・ヴィンチを持ち出すまでもなく、その時代の巨匠のオリジナルを所有することの困難さを知る私たちですが「版画」のおかげでピカソでさえ所有することができる。
さてこの「156シリーズ」は、他のピカソと同じく限定50部ですが(番号入り50部+AP15部=65部刷り)、その全てがスタンプサインです。鉛筆サインのものはほとんどありません。
Blochのカタログレゾネの表記をそのまま記すならば、
Signature stamps used by the publisher: (except for numbers 1881, 1929, 1935, 1938)
状態も良くお薦めです。
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