明日から、ときの忘れものでは「フォーゲラーとその時代展」を開催します。会期=2008年4月4日[金]―4月19日[土]
12:00-19:00 *日・月・祝日休廊
明治末期に雑誌『白樺』で紹介されるや同時代の日本の作家たちに、大きな影響を与えたハインリヒ・フォーゲラー。彼の青春様式とも称される瑞々しい初期作品を中心に、19世紀末から20世紀初頭にかけておこった新しい芸術運動の息吹を伝える作品を紹介します。
同時に、芸術家村ヴォルプスヴェーデに集った3人の仲間/フリッツ・オーヴァーベック(Fritz Overbec 1869-1909)、フリッツ・マッケンゼン(Fritz Mackensen 1866-1953)、ハンス・アム・エンデ(Hans am Ende 1864-1918)と、同時代の日本の作家、竹久夢二や恩地孝四郎の作品を出品します。
先日、案内状を見た瀬木慎一先生が『現代詩手帖』に連載している<詩人たちの窓ー詩と絵画の照応>の3月号「フォーゲラーとヴァルデンの転向」と、4月号「二人の亡命者の流刑死」のコピーをファックスで送ってくださいました。
1894年からヴォルプスヴェーデに定住したフォーゲラーが自然を舞台とした物語的な世界を銅版画に刻み、その作品が1910年に日本にいち早く紹介され、文芸雑誌『白樺』に特集が組まれたことはよく知られています。
まさに青春の画家として創作版画の竹久夢二や恩地孝四郎らに多大な影響を与え、ヴォルプスヴェーデは武者小路実篤らの「新しき村」や夢二の榛名山美術研究所の構想のモデルともなりました。
しかしその後の戦争と革命の時代は彼の人生を大きく狂わせ、ソ連にわたりプロレタリアートの画家・運動家として活動するも、1942年悲惨な生涯を閉じました。
瀬木慎一先生の論考は、その後半生を克明に描いて胸をうちます。
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