細江英公展アンドレ・ケルテス写真展」に続いて、明日9日から「細江英公写真展-ガウディへの讃歌」を二期に分けて開催します。

細江英公は、1964年にバルセロナでガウディ建築との衝撃的な出会いを体験し、その13年後、1977年から数度に亘る撮影を行ない「ガウディへの讃歌」として、写真集や展覧会で発表しました。その折に55×40cm前後の大判で焼き付けされたヴィンテージ・プリントは展示されたのみで、ずっと細江アトリエで眠り続けていました。
今回それらを二期に分けて展示販売いたします。
Part1では、1977~78年に撮影した作品、
Part2では、1984年に撮影した作品を、それぞれご覧いただきます。
いずれもその当時プリントされたもので、サイン及び年記も当時のものです。
あらゆる映像がデジタル化され、印画紙が駆逐されて行くこの時代に、あらためて写真作品の芸術的価値が認識され、海外のオークション市場では数千万円での落札も珍しくなくなりました。
約30年間眠り続けていた細江英公の貴重なヴィンテージ・プリントを入手できるチャンスです。ぜひご来廊ください。

初日の5月9日[金]17時より、作家を迎えてオープニングを開催します。是非、お越しください。

5月23日[金]18時より、細江英公ギャラリートークを行ないます。
ギャラリートーク会費1,000円(1ドリンク)※要予約
参加ご希望の方は、氏名・電話番号を明記の上、メール、電話またはファックスでお申し込み下さい。先着順、定員になり次第締切ります。
TEL  03-3470-2631
Mail info@tokinowasuremono.com
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 初めてバルセロナの「ガウディ」に遭遇したのは1964年のことだから22年前に遡る。あまりにも突然の出会いとその巨大な肉魂のような建造物に圧倒された私は、自分が写真家であることも忘れ、一枚の写真も撮らずに、ただ肉眼のレンズを通し脳裡のフィルムにしっかりと露光して帰ってきた、撮らなかったというより、撮ることができなかったその理由は、本能的な恐怖感と同時に惹かれていく自分を発見し、ここはいったん退去して再び出直した方がよいと判断したからである。何よりも私にはガウディへの知識もなく、またそれほどの巨大な怪物に挑む精神的準備がなかった。
 本格的な撮影を始めたのはそれから13年後の1977年の2月からである。「ガウディ」に関する多少の学習とカメラの重装備をしてまず訪れたのはサクラダ・ファミリアだった。用心深く近づいてカメラを向けたものの、巨人「ガウディ」の皮膚は分厚くて内部に立入る隙を見つけることができなった。少しばかり勉強したかといって、そんな知識は何の役にも立たないことが分かったし、それよりも中途半端な知識は、逆に「ガウディ」について自由なモノの見方や直感の妨げになるばかりだと気づいた。
 その頃、早朝のグエル公園を歩きながら、突然稲妻に打たれたようなインスピレーションを感じた。
(細江英公「仮説の証明」『細江英公写真 ガウディへの讃歌』1986年より抜粋)

◆ときの忘れものでは、5月9日~5月31日まで「細江英公写真展 ガウディへの讃歌」を開催します。
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