このところ、親族の法事やお世話になった方々の「偲ぶ会」で喪服を着るような機会が増えた。
と言っても私はフォーマルな格好が苦手なので(まるでヤクザの親分みたいになってしまう)、10年前演奏会用につくった黒いスーツでまにあわせている。
先日珍しくその黒いスーツを着て、おめでたい会に出席した。
古い友人Kさんが、還暦と、再婚と、孫の誕生という三重の喜びを祝う会を開いたのだった。
早稲田の学生時代に起業して、今では社員数十人の会社に育てた彼は、ここ二十年ばかりちょい悪親父の独身生活を楽しんでいたと思ったら、還暦を迎えたにもかかわらず二周り(もっとかも)も若い凄い美人と再婚したのだ。
これはちょっとショックでしたね。
Kさんとの出会いは全くの偶然だったのだが、ともに松永伍一先生に私淑し、私の学生時代の寮の後輩がKさんの友人だったりと、いくつもの人脈が重なり、仕事でも随分助けていただいた。
会費制で麻布十番の広いバースペースを借り切ってのお祝いの会には200人もの友人たちが集まった。薄暗い会場にはサンバのバンドが入り、耳を劈くばかり。久しぶりに会う人たちと「いつも会うのは葬式ばかりなのに、こういう席は珍しい」などと言葉を交わしながら、会場をうろうろしてしまった。
いくら主賓のKさんが還暦を迎えたといっても、出席者の大半は私より若い人だ。
それだけ彼が元気で、なおかつ時代の先端にいるということなのだろう。
益々の活躍と幸せな結婚生活をお祈りしています。