小野隆生の「断片」をめぐって
その5.ピストル―――遠い昔の拾い物

ピストルというイメージから、人はさまざまなことを連想します。画家がイタリアに住んでいるということで、マフィアに結びつけることも可能です。
画家自身はピストルを持っていません。射撃の趣味もないようです。前回の「傘」のように、散歩の途中の拾い物でももちろんありません。こんな物騒なものが路上に落ちていたら大変です。
では、画家は何故ピストルを描いたのでしょう。それは少年の頃のイコノグラフィーと重なってくると彼は言います。画家は岩手県水沢で生まれ育ちました。子供の頃に流行っていたもの、それがピストルでした。他の男の子と同じように彼もピストルに夢中になったそうです。どんな種類があるのかを調べたり、また西部劇に出て来るピストルにも強く惹かれたそうです。そのときの体験と記憶が、長い年月を経て、今ここに「断片」として姿を現したといえるのではないでしょうか。それは、遠い昔の「拾い物」なのです。
(2008年7月21日 いけがみちかこ)
*掲載図版は小野隆生「断片98-Ⅰ」池田20世紀美術館カタログno.31
1998年 テンペラ・板 56.9×80.1cm
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
左は、池田20世紀美術館の展示スナップです。
◆6月26日~9月30日までの三ヶ月間、伊豆の伊東にある池田20世紀美術館で「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」が開催されています。上記の「断片98-Ⅰ」も出品展示されています。
展示の様子はスライドショーでご覧になれます(コチラをクリックしてください)。


◆ときの忘れものでは、7月18日[金]―7月26日[土]まで「石山修武新作版画展」を開催しています。また世田谷美術館で8月17日[日]まで「建築がみる夢 石山修武と12の物語」が開催されています。併せてご覧ください。
その5.ピストル―――遠い昔の拾い物

ピストルというイメージから、人はさまざまなことを連想します。画家がイタリアに住んでいるということで、マフィアに結びつけることも可能です。
画家自身はピストルを持っていません。射撃の趣味もないようです。前回の「傘」のように、散歩の途中の拾い物でももちろんありません。こんな物騒なものが路上に落ちていたら大変です。
では、画家は何故ピストルを描いたのでしょう。それは少年の頃のイコノグラフィーと重なってくると彼は言います。画家は岩手県水沢で生まれ育ちました。子供の頃に流行っていたもの、それがピストルでした。他の男の子と同じように彼もピストルに夢中になったそうです。どんな種類があるのかを調べたり、また西部劇に出て来るピストルにも強く惹かれたそうです。そのときの体験と記憶が、長い年月を経て、今ここに「断片」として姿を現したといえるのではないでしょうか。それは、遠い昔の「拾い物」なのです。
(2008年7月21日 いけがみちかこ)
*掲載図版は小野隆生「断片98-Ⅰ」池田20世紀美術館カタログno.31
1998年 テンペラ・板 56.9×80.1cm
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◆6月26日~9月30日までの三ヶ月間、伊豆の伊東にある池田20世紀美術館で「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」が開催されています。上記の「断片98-Ⅰ」も出品展示されています。
展示の様子はスライドショーでご覧になれます(コチラをクリックしてください)。


◆ときの忘れものでは、7月18日[金]―7月26日[土]まで「石山修武新作版画展」を開催しています。また世田谷美術館で8月17日[日]まで「建築がみる夢 石山修武と12の物語」が開催されています。併せてご覧ください。
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