昨日は「卯野木憲二展」の初日でした。初日といってもいつなら来廊される方は数人なので、卯野木先生には画廊につめていただくのは夕方からで結構ですから、と言っていたのだが、なぜか朝からひっきりなしに来客が続き、目の回るような忙しさだった。
中には、一昨日の朝日新聞を見て、1948年生まれの作家が1971年に卒業した多摩美の恩師が駆けつけてくださり、画廊で37年ぶりの対面までありました。
卯野木先生の凄いところは、一つ一つの椅子が生れた背景、歴史、職人の手わざ、その構造、特徴、デザインを熟知された上で、その椅子が一番美しく見える角度から、描いていることです。お客様に丁寧に講義する様子を見ながら、こんな面白い話ならギャラリートークを開くんだったと後悔しています。椅子好きの方、必見です。
 さて、いま最も注目されている若手写真家の一人、澤田知子の初期作品をご紹介します。
撮影当時20歳、後のコミカルな雰囲気とは異なる病的ともいえる自画像です。何者かに変身するという試みは既に彼女のスタイルを形作っています。
澤田知子
澤田知子「Early Days 15」
 1997 gelatin silver print
 Image Size 23.0×15.0cm
 Sheet Size 30.0×25.4cm
Ed.15 signed

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澤田知子(さわだ ともこ)1977年神戸市生まれ。成安造形大学卒業。2000年キャノン「写真新世紀」で優秀賞受賞、自ら変装し外見を変化させることで、外見と内面の関係の曖昧さを追求して一躍注目を浴びる。自動証明写真機で撮った400人(もちろん全て作家自身)の作品や、たった一枚の写真が人生最大の決断と選択を負うこともあり得る、究極の証明写真「お見合い写真」を題材にした作品など、意表をつく写真で海外でも高い評価を獲得している。2004年第29回木村伊兵衛写真賞を受賞、アメリカ国際写真センター(ICP)の「インフィニティー・アウォーズ」若手写真家部門で受賞。