ときの忘れものでは、9月19日[金]―10月4日[土]まで「小野隆生新作展2008」を開催していますが、一方6月から伊豆・伊東の池田20世紀美術館で開催中の「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」はいよいよ明日が最終日となりました。お近くの方、遠方の方、ぜひご覧になってください。
小野隆生展表面小野隆生展裏面

 彫刻家・井上武吉設計の小ぶりなスケールの美術館ですが、ホアン・グリス、マチス、ピカソ、フォートリエ、ウォーホル、そしてフランシス・ベーコンなど、20世紀を代表する作家たちを常設展示しており、見応えがあります。1975年にここが開館したとき、遂に日本にも現代美術をメインとする美術館ができたのかと、まぶしいような感激を味わいました。小学校しか出ていない池田英一さんが、功なり名をとげ、確か当時20億円をつぎ込み、コレクションをつくり、美術館を建設したのですが、それに協力したのがフジテレビ・ギャラリーでした。ギャラリーは先年なくなってしまいましたが、この美術館が誕生し、いまも活動を続けていることで、フジテレビ・ギャラリーの名は歴史に残るでしょう。
 今回の小野隆生展は地階のフロアーで開催されています。上述の一階の常設展示を見てから、階段を下り、小野隆生展の会場に足を踏み入れると、小野隆生がヨーロッパの美術の伝統の一角に自分の位置をしっかりと定め、淡々と描き続けていることがよくわかります。
自分にとってのライバルは、500年前のルネッサンスの画家たちだ」という反時代的な姿勢を、なんだかこの池田20世紀美術館の中では妙に納得してしまうのですね。
 先日のときの忘れもののオープニングに現れた画家は、上野のフェルメール展を朝早く見て、そそくさと去って行きました。喧騒の東京を離れ、またあの中世がそのまま止まってしまったような城塞都市のアトリエにこもり、次なる絵空事の世界を築いていくに違いありません。
 池田20世紀美術館の周辺は、いわゆる別荘地ですが、おいしいレストランが多いので、ぜひ寄ってください。お蕎麦、とんかつ、天麩羅、どれもいけます。場所は美術館で聞けば教えてくれます。
池田20世紀美外観1池田20世紀美外観2

池田20世紀美小野展示1池田20世紀美小野展示2

池田20世紀美小野展示3池田20世紀美小野展示4

池田20世紀美小野展示5池田20世紀美小野展示6

◆展示の様子はときの忘れもののホームページのスライドショーでもご覧になれます(コチラをクリックしてください)。
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