五味彬写真展が始まりました。第一号のお客様はわざわざ九州から出ていらっしゃったTさんです。ありがとうございます。前日まで展示作品に集中されていた五味先生の様子は、五味先生のホームページをご覧ください。
 さて、昨日三浦も書いていますが、日本橋の三越で「パリ・ドアノー ロベール・ドアノー写真展」が開催されており、社長と二人行ってきました。これだけまとまってドアノーの作品を見るのは私は初めてで感激しました。会期が13日までなので、ドアノーファンの方、お急ぎください。
 作品はもちろんですが、会場の一角で上映されている映像(約17分)が良かった。
「私は内気なので、対象に近づくのが怖かった。だが離れて撮ったからこそ、背景が意味をもってきた」「写真は謙虚なスペースを大事にするべきだ」「幸福の瞬間を私は撮ってきた」という風なドアノー自身の言葉が多くの映像とともに字幕で流れ、見飽きませんでした。
 下にご紹介する代表作「パリ市庁舎前のキス」は、役者によるいわゆるやらせ写真ですが、この写真が発表されると、「私たちがモデルだ」と名乗り出たカップルが15組もいたというエピソードも語られていました。ドアノーによれば「あの写真は幸福の象徴なのだ、だから多くの人々が自分たちの幸福の瞬間を思い起こし自分達だと思ったのだ」というわけです。
 会場出口には、アトリエ・ロベール・ドアノーによる没後のモダン・プリントを販売する広告が出ていました。いわゆるアトリエ版です。参考までにメモしてきました。
・モダン・プリントは、ドアノーの専属プリンターであったHerve Hudry氏が現像する。
・今回のモダン・プリントは以下の5作品、3サイズ、各限定20部。
 1)ヴァンドーム広場(1949)
 2)マドモアゼル・アニタ(1951)
 3)パリ祭のラストワルツ(1949)
 4)煙草屋の犬、14区(1953)
 5)ギャラリー・ロミのウィンドー(1948)
・価格 30×40cm=528,000円
    40×50cm=640,000円
    50×60cm=800,000円
さすがにドアノー、没後のモダン・プリントが50万円以上するのですから、生前のサイン入りの評価がいかに高いか知れるというものです。

以下の2点は、ときの忘れものの在庫作品です。ちゃんとサインも入っており、保存状態も良好です。ぜひコレクションに加えてください。
ドアノー市庁舎前のキス
ロベール・ドアノー「市庁舎前のキス,パリ La baiser de l'Hotel de Ville, Paris」
 1950, Printed later, Signed
 Gelatin Silver Print
 24×30cm 写真右下に自筆サイン

ドアノーメリーゴーランド
ロベール・ドアノー「バレ氏のメリーゴーランド Le Manege de Monsieur Barre
 1955年(プリント:1977年) Signed
 Gelatin Silver Print
 30.5×25.0cm 写真右下に自筆サイン

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから