10月31日から始まった写真コレクション展「写真に恋する」に出品する作品を、スタッフの三浦と尾立が日替わりでご紹介いたします。その第1回目は、服部冬樹「Green Sofa Nude II」です。
服部冬樹の作品のほとんどは女性のヌードを撮影したものですが、彼の作品の中のモデルには、生命感が感じられません。まるで彫像のようです。実際、最初期の作品は花や彫像を撮っており、その後でヌードを撮り始めますが、顔のないトルソばかりでした。この独特な色彩と質感は、モノクロで撮影されたフィルムから、カラーレイションと名づけられた手法を使って描出されており、その抑えた色調と相まって、モデルは化石化され時間を止められてしまったかのような印象を与えます。
この「Green Sofa Nude II」は、イタリアで撮影されたものですが、壁の紺色と緑色のソファに薄い紫の裸体が浮き上がって見え、ソファのラインとモデルの体のラインの交差が非常に美しい作品です。エディションが3というのは、通常からすると非常に少ない数で、これはプリントの作成がいくつもの段階を経て制作されるため、同じ調子で多くのプリントを作るのが困難なことを意味しています。
最近は使用していたチバクロームの入手が難しくなったためか、新作の話題を聞けないのが残念です。(三浦次郎)

服部冬樹「Green Sofa Nude II」
1991年 Chibacrome print
Ed.3 25.0x44.7cm サインあり
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◆服部冬樹(はっとりふゆき)1955年北海道生まれ。1978年日本大学芸術学部写真学科卒業。1979年日本大学芸術学部図書館ギャラリーで初個展。カラーレイションと命名された手法で、独特の色彩と硬質なテクスチャを表出し、静物を思わせるヌード作品を制作する。北海道に在住し、制作を続ける。ツァイト・フォト・サロン、NDA画廊、ギャラリーDOT、イル・テンポなどで個展。写真集「Fuyuki Hattori Photographs」(共同出版社、1992)、「コンテンポラリー・ヌード:Classical Nude」(美術出版社、1994)
◆ときの忘れものでは、10月31日[金]―11月8日[土]まで「写真に恋する 写真コレクション展」を開催しています。
服部冬樹の作品のほとんどは女性のヌードを撮影したものですが、彼の作品の中のモデルには、生命感が感じられません。まるで彫像のようです。実際、最初期の作品は花や彫像を撮っており、その後でヌードを撮り始めますが、顔のないトルソばかりでした。この独特な色彩と質感は、モノクロで撮影されたフィルムから、カラーレイションと名づけられた手法を使って描出されており、その抑えた色調と相まって、モデルは化石化され時間を止められてしまったかのような印象を与えます。
この「Green Sofa Nude II」は、イタリアで撮影されたものですが、壁の紺色と緑色のソファに薄い紫の裸体が浮き上がって見え、ソファのラインとモデルの体のラインの交差が非常に美しい作品です。エディションが3というのは、通常からすると非常に少ない数で、これはプリントの作成がいくつもの段階を経て制作されるため、同じ調子で多くのプリントを作るのが困難なことを意味しています。
最近は使用していたチバクロームの入手が難しくなったためか、新作の話題を聞けないのが残念です。(三浦次郎)

服部冬樹「Green Sofa Nude II」
1991年 Chibacrome print
Ed.3 25.0x44.7cm サインあり
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◆服部冬樹(はっとりふゆき)1955年北海道生まれ。1978年日本大学芸術学部写真学科卒業。1979年日本大学芸術学部図書館ギャラリーで初個展。カラーレイションと命名された手法で、独特の色彩と硬質なテクスチャを表出し、静物を思わせるヌード作品を制作する。北海道に在住し、制作を続ける。ツァイト・フォト・サロン、NDA画廊、ギャラリーDOT、イル・テンポなどで個展。写真集「Fuyuki Hattori Photographs」(共同出版社、1992)、「コンテンポラリー・ヌード:Classical Nude」(美術出版社、1994)
◆ときの忘れものでは、10月31日[金]―11月8日[土]まで「写真に恋する 写真コレクション展」を開催しています。
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