とうとう師走、12月になってしまった。歳をとると時間の経つのが早い。
一昨日は故郷の嬬恋村で中学校(=小学校)のクラス会があり、出席の予定だったのだが、仕事がたてこみ欠席してしまった。それで昨日は久しぶりの休日だったのだが、電車に乗っていそいそと京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターまででかけ、蔵原惟繕監督「執炎」をまた観た。社長は「26日に観たばかりじゃない」と呆れ顔だったが(もちろん付き合ってくれない)、私は毎日でも観たい。
会場に着いたら先日より少し観客が多いようだ。外国の人も結構いるなぁと見回していたら、スタッフの三浦の姿も。いくら上司が行けといったからといって「義理堅いねえ」とお詫びと御礼。
蔵原監督の弟の蔵原惟二さんも来ておりご挨拶する。以前、蔵原惟二さんが来廊されたおりに偶然居合わせ「執炎」談義に加わったSさんも、あのときの話を忘れずにいてくれたらしくて来場されていた。いろいろな人に会えて嬉しい。
昨夜、ネットで検索していたら、「寥川亭通信」というのに行き当たった。「執炎」は全編ナレーションが入り、出演者たちの台詞は少ないのだが、それがとっても美しい。日本語の表現の豊かさを感じさせてくれる。撮影当時、「郷里の兵庫県・但馬海岸の平家落人伝説の村が舞台になっており、方言指導を頼まれた」人の回想記である。浅丘ルリ子演ずるヒロインの育った家の撮影は「能登の時国家」でだったとのこと。あの風格のある屋敷、納得です。
「執炎」は何度観ても(といっても44年間で4回ですが)いい。芦川いづみが夫の戦死を聞いて「あの人の足の裏にはほくろがあってなあ、私はそれしか覚えていないんよ」という場面でも泣いてしまった・・・
話かわって、画廊にはいろいろな人が訪れる。そのほとんどが一回きりの出会いである。私たちはそういう出会いの中から「美術品所有」の共犯者を探すという誠に効率の悪い不思議な商売なのだが、しかし、それはそれで思わぬ出会いもあり嬉しいこともある。
いつだったか自分で描いたドローイングを抱えてきた一人の若者が、その後独立して設計事務所を開いた。まだ仕事はそうないらしい。ホームページをつくったという案内がきた。
先ず、<MANIFEST>とあるのにが新鮮ですね。
***********
MANIFEST
水にはカタチがないから
自由にさまざまな器に入ることができる
不定形の定形
世界中にはたくさんの場所があり
色々な人たちの生活が営まれている
そんな場所には
それぞれの歴史や文化、自然環境、風景、物語がある
建築にはそんな人々の夢が宿るのだろうか
変化する時間と共に
そこにいることが嬉しくなるような
どこかユーモアのある
個々の場所に対してオリジナルな建築を一緒につくりたい
水のように自由な気持ちをもって
************
こういう若者に出会えるのも画廊商売の面白いところだ。
希望に満ちた若者の未来に光あれ。
一昨日は故郷の嬬恋村で中学校(=小学校)のクラス会があり、出席の予定だったのだが、仕事がたてこみ欠席してしまった。それで昨日は久しぶりの休日だったのだが、電車に乗っていそいそと京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターまででかけ、蔵原惟繕監督「執炎」をまた観た。社長は「26日に観たばかりじゃない」と呆れ顔だったが(もちろん付き合ってくれない)、私は毎日でも観たい。
会場に着いたら先日より少し観客が多いようだ。外国の人も結構いるなぁと見回していたら、スタッフの三浦の姿も。いくら上司が行けといったからといって「義理堅いねえ」とお詫びと御礼。
蔵原監督の弟の蔵原惟二さんも来ておりご挨拶する。以前、蔵原惟二さんが来廊されたおりに偶然居合わせ「執炎」談義に加わったSさんも、あのときの話を忘れずにいてくれたらしくて来場されていた。いろいろな人に会えて嬉しい。
昨夜、ネットで検索していたら、「寥川亭通信」というのに行き当たった。「執炎」は全編ナレーションが入り、出演者たちの台詞は少ないのだが、それがとっても美しい。日本語の表現の豊かさを感じさせてくれる。撮影当時、「郷里の兵庫県・但馬海岸の平家落人伝説の村が舞台になっており、方言指導を頼まれた」人の回想記である。浅丘ルリ子演ずるヒロインの育った家の撮影は「能登の時国家」でだったとのこと。あの風格のある屋敷、納得です。
「執炎」は何度観ても(といっても44年間で4回ですが)いい。芦川いづみが夫の戦死を聞いて「あの人の足の裏にはほくろがあってなあ、私はそれしか覚えていないんよ」という場面でも泣いてしまった・・・
話かわって、画廊にはいろいろな人が訪れる。そのほとんどが一回きりの出会いである。私たちはそういう出会いの中から「美術品所有」の共犯者を探すという誠に効率の悪い不思議な商売なのだが、しかし、それはそれで思わぬ出会いもあり嬉しいこともある。
いつだったか自分で描いたドローイングを抱えてきた一人の若者が、その後独立して設計事務所を開いた。まだ仕事はそうないらしい。ホームページをつくったという案内がきた。
先ず、<MANIFEST>とあるのにが新鮮ですね。
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MANIFEST
水にはカタチがないから
自由にさまざまな器に入ることができる
不定形の定形
世界中にはたくさんの場所があり
色々な人たちの生活が営まれている
そんな場所には
それぞれの歴史や文化、自然環境、風景、物語がある
建築にはそんな人々の夢が宿るのだろうか
変化する時間と共に
そこにいることが嬉しくなるような
どこかユーモアのある
個々の場所に対してオリジナルな建築を一緒につくりたい
水のように自由な気持ちをもって
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こういう若者に出会えるのも画廊商売の面白いところだ。
希望に満ちた若者の未来に光あれ。
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