マン・レイ展は25日で終了しましたが、引き続き作品をご紹介いたします。今回は、版画作品「板上の影」です。

マン・レイは、約120点の版画作品を制作しました。この数には版画集も含んでいますので実際の点数はもっとあります。技法も銅版、リトグラフ、ポショワール、フォトタイプなどを使い分けていました。それでも版画作品にはカタログレゾネがありますので、その概要がわかりますが、写真作品については点数が膨大で誰もその全貌を掴んでいないのではないでしょうか。
マン・レイは、ひとつのテーマを複数のメディアで制作することがありました。あの有名な「アングルのヴァイオリン」を版画にもしました。この「板上の影」も、たぶん最初はオブジェがあって、それを版画に置き換えた作品なのではないかと思いますが、もし、これが版画作品だけなら、それこそひじょうに奇抜なアイデアといえます。マン・レイのダダ的な精神は、オブジェに一番表れていますが、版画や油彩も写真でできない自由な表現の手段としていたのでしょう。
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マン・レイ
「板上の影」
1972年　ポショワール
イメージサイズ：46.0×36.0cm
Ed.140 ( E.A. )　サインあり
レゾネNo.98 （Studio Marconi）

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