今年の9月、甥っ子(三男)のアテンドでイタリアに行く予定です。彼の希望でローマ~フィレンツェ~ヴェネチアと周ります。昨年も次男のアテンドでヴェネチア~フィレンツェ~パリと周ったので、三男にはニューヨークあたりを希望して欲しかったのですが、次男の影響か、イタリアとなりました。しかし、ローマへ行ったのは一度きりで、それもヴァチカンに行っただけでしたので、私自身も楽しみです。それに今年はヴェネチアでは、ビエンナーレもありますし。
その予習ということではありませんが、ヴァチカンを舞台にした話題の映画「天使と悪魔」を見てきました。原作をうまくアレンジしてあって、前回の「ダ・ヴィンチ・コード」同様、ちょっと知的でエンターテインメント性のあるアクション映画になっています。実は、両方の作品とも一日の出来事なのですが、そのノンストップさが面白さのひとつになっているのでしょう。

昨日は、ときの忘れもの亭主夫妻(変な言い方ですが)は、我々スタッフを残して、夕方、映画を見に行ってしまいました。その映画が「夏時間の庭」です。前日の朝日新聞の夕刊にも紹介されていて、フランス映画にしては、割と話題になっているのではないでしょうか。
この作品は、今年3月のフランス映画祭のオープニング上映作品で、実は私、そのときに見てしまいました。監督はオリビエ・アサイヤス、ジュリエット・ビノシュの他、シャルル・ベルリングやジェレミー・レニエが出演しています。母が遺した郊外の屋敷と絵画や家具を三人の子供たちがどうするかというホームドラマなのですが、映画で出てくるコローの絵や、ルドンの絵、マジョレルの机や戸棚、ホフマンの戸棚など、ルーヴルやオルセーから持ってきた本物が使われています。日本では考えられないことですが、この映画は、オルセー美術館20周年記念として企画されたもので、絵や工芸が好きな方には楽しめます。美術品や工芸品は、本来どこにあるべきなのかを考えさせてくれたり、コレクターの方には、自分のコレクションの行く末がちょっと心配になる話かもしれません。ストーリー自体はそれほど特別なものではありませんが、現代を良くとらえていて、丁寧な造りの映画です。
ラストの孫娘の涙が良かったですね。 (三浦次郎)
ジュリエット・ビノシュフランス映画祭オープニングセレモニーの様子です。赤いドレスを纏っているのがビノシュで、後列右端は「Z」で知られるコスタ・ガブラス監督です。

フランスでその生涯を終えた孤高の版画家・長谷川潔の作品をご紹介します。
長谷川潔長谷川潔「コップに挿した野花
(『長谷川潔の肖像』より)
1963年 ビュラン
20.7×16.7cm
Ed.220 版上サイン
※レゾネNo.336
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