4月の「マン・レイ展」のときから、ギャラリートーク(以下GT)の後にちょっとしたパーティタイムを設けるようにしたのが好評で、今回の「4 Winds2009展」も、ただ初日にパーティをやるだけではつまらないので、GTのあとに作家を囲むパーティとしたほうが良いのでは、ということになり、初日からだいぶ経った7月18日(土)にGT&パーティを開催しました。
今回GTの講師をお願いしましたのは、茨城大学教育学部教授の小泉晋弥先生です。小泉先生は、日本の近代美術史について研究されていることから、近年の具象絵画の復活ともいえる状況について「戦後絵画の転換点を考える」というタイトルでお話いただきました。
吉本隆明『改訂新版 心的現象論序説』(角川文庫、1982年)とその森山公夫による解説「転換期にたつ思想」のテキストをもとに、まず心的領域、心的現象について、「原生的疎外」「純粋疎外」という哲学的な解釈を解説していただきました。そこから、「知覚」と「感情」の関係性ついて「あばたもえくぼ」の例えを使って説明いただいてから、美術論へ展開し、美術は「〈視えない〉ものを〈視える〉ものにおきなおすすべ」という観点に立ったとき、具象絵画は、対象に感情移入しており、身体と現実に近いものであり、抽象絵画は、身体と現実から遠く離れたところに対象を置いている。
つまり「画家の心が絵に近い所にあるときは具象となり、遠く離れると抽象になる。」、また、 絵画は「心に寄り添うものであり、メディウムはイメージを支える画家の心そのもの」であったものが、ピカソがメディウムとしてオブジェを絵の中に取り込んだことにより、その関係性が変わってしまった。この後、美術はオブジェ化に向かうが、第二次世界大戦後、その反動として、抽象表現主義、アンフォルメルなどのムーブメントが起きて、絵画におけるメディウムが、時間性を表現するものと空間性を表現するものに分かれていく。そして、1980年代以降、それは再びニュー・ペインティング、フォーマリズムにおいて、再統合されるという流れがあって現代の具象表現に至る。
と、分かったように書いていますが、実際、これが小泉先生のお話に合っているのか、お話の内容をどれくらい理解できたかはなはだ疑問です。途中からピカソ、ダリ、デュビュッフェ、岡本太郎、ポロック、白髪一雄、河原温、香月泰男、山口薫、山口長男、中西夏之、辰野登恵子、中村一美、清宮質文、マチスらの作品のスライドを使いながら、つとめて分かりやすくとご説明いただきましたが、とても難しかったです。
その点、二次会でのお話のほうが分かりやすかったように思いますし、作家とのやり取りもなるほどと納得させられるものでした。


◆ときの忘れものでは7月3日[金]―7月25日[土]「4 Winds 2009展 永井桃子・秋葉シスイ・矢口佳那・猪瀬直哉」を開催しています。
ときの忘れものが選んだ若手4名のグループ展で、心象を色鮮やかな植物に託する永井桃子、繊細な色彩の変化の中にそれを表現する秋葉シスイ、独特なマチエールの風景が語りかける矢口佳那、壮大な風景の中に強いメッセージを描く猪瀬直哉、それぞれの個性あふれる新作をご堪能ください。
出品作品を収録したリーフレット『ときの忘れものアーカイブスvol.3/4 Winds 2009展』(A5判、22頁)を販売しております(価格300円、送料120円、切手可)。メールにてお申し込みください。
今回GTの講師をお願いしましたのは、茨城大学教育学部教授の小泉晋弥先生です。小泉先生は、日本の近代美術史について研究されていることから、近年の具象絵画の復活ともいえる状況について「戦後絵画の転換点を考える」というタイトルでお話いただきました。
と、分かったように書いていますが、実際、これが小泉先生のお話に合っているのか、お話の内容をどれくらい理解できたかはなはだ疑問です。途中からピカソ、ダリ、デュビュッフェ、岡本太郎、ポロック、白髪一雄、河原温、香月泰男、山口薫、山口長男、中西夏之、辰野登恵子、中村一美、清宮質文、マチスらの作品のスライドを使いながら、つとめて分かりやすくとご説明いただきましたが、とても難しかったです。
その点、二次会でのお話のほうが分かりやすかったように思いますし、作家とのやり取りもなるほどと納得させられるものでした。
◆ときの忘れものでは7月3日[金]―7月25日[土]「4 Winds 2009展 永井桃子・秋葉シスイ・矢口佳那・猪瀬直哉」を開催しています。
ときの忘れものが選んだ若手4名のグループ展で、心象を色鮮やかな植物に託する永井桃子、繊細な色彩の変化の中にそれを表現する秋葉シスイ、独特なマチエールの風景が語りかける矢口佳那、壮大な風景の中に強いメッセージを描く猪瀬直哉、それぞれの個性あふれる新作をご堪能ください。
出品作品を収録したリーフレット『ときの忘れものアーカイブスvol.3/4 Winds 2009展』(A5判、22頁)を販売しております(価格300円、送料120円、切手可)。メールにてお申し込みください。
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