久しぶりに亭主の得意なオノサト・トシノブについてひとこと。
オノサト・トシノブ先生に初めてお会いしたのは1974年3月、現代版画センターのエディションのお願いに桐生に伺ったときでした。私が29歳、オノサト先生は62歳でした。
既に「円の画家」としての評価は高く、しかし美術界からは距離を置き、桐生のアトリエからは一歩も出ず、淡々とキャンバスに向かって「円」を描き続ける毎日でした。
オノサト先生は1986年に亡くなるまで、つまり1958年のリトグラフ「58-A」から1986年のシルクスクリーン「A.S.-26」まで213点の版画を制作しましたが、私も10数点のエディションをさせていただきましたが、中でも大作は、下に紹介する「銀河」でした。
オノサト・トシノブ=円、と思い勝ちですが、当然のことながら、画家の出発点には具象的なものも多く描かれていました。
なかなかそういう初期の作品を見る機会は少ないのですが、珍しい「円」の世界確立の前の初期油彩をご紹介しましょう。
オノサト・トシノブ「静物」
1951年 油彩・キャンバス
24×33cm(4号F) サインあり Sold
*1989年に練馬区美術館で開催された「オノサト・トシノブ展」に同時期の同じスタイルの作品が出品されています。
オノサト先生が39歳、まだ抽象(円)と具象の間を行きつ戻りつしていた時代の秀作で、セザンヌに傾倒していたことが偲ばれる貴重な作品と思います。この年、オノサト先生は生涯の伴侶となるトモコ夫人と結婚しています。
この絵を描いてから10年後の1962年3月、志水楠男さんが主宰する南画廊で個展を開いたオノサト先生は、志水さんの後押しで1964年、66年とヴェニス・ビエンナーレに出品し、国際的な舞台にもデビューします。
しかし、その後は、前述のようにアトリエに籠もり淡々と己の道を歩み続けました。
その頃制作されたシルクの初期作品です。刷りは名手・岡部徳三さん。
オノサト・トシノブ「シルクNo.11」
1967年 シルクスクリーン
40.0×40.0cm Ed.150 サインあり
※レゾネNo.31
「静物」から30年後、「シルクNo.11」から14年後に、私が依頼して完成した版画「銀河」が下の作品です。三つの作品を比べると、オノサト先生の辿られた歩みの大きさに感慨をもようさざるを得ません。
オノサト・トシノブ「銀河 Galaxy」
1981年 シルクスクリーン
43.7×100.0cm Ed.150 サインあり
※レゾネNo.174
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
オノサト・トシノブ先生に初めてお会いしたのは1974年3月、現代版画センターのエディションのお願いに桐生に伺ったときでした。私が29歳、オノサト先生は62歳でした。
既に「円の画家」としての評価は高く、しかし美術界からは距離を置き、桐生のアトリエからは一歩も出ず、淡々とキャンバスに向かって「円」を描き続ける毎日でした。
オノサト先生は1986年に亡くなるまで、つまり1958年のリトグラフ「58-A」から1986年のシルクスクリーン「A.S.-26」まで213点の版画を制作しましたが、私も10数点のエディションをさせていただきましたが、中でも大作は、下に紹介する「銀河」でした。
オノサト・トシノブ=円、と思い勝ちですが、当然のことながら、画家の出発点には具象的なものも多く描かれていました。
なかなかそういう初期の作品を見る機会は少ないのですが、珍しい「円」の世界確立の前の初期油彩をご紹介しましょう。
1951年 油彩・キャンバス
24×33cm(4号F) サインあり Sold
*1989年に練馬区美術館で開催された「オノサト・トシノブ展」に同時期の同じスタイルの作品が出品されています。
オノサト先生が39歳、まだ抽象(円)と具象の間を行きつ戻りつしていた時代の秀作で、セザンヌに傾倒していたことが偲ばれる貴重な作品と思います。この年、オノサト先生は生涯の伴侶となるトモコ夫人と結婚しています。
この絵を描いてから10年後の1962年3月、志水楠男さんが主宰する南画廊で個展を開いたオノサト先生は、志水さんの後押しで1964年、66年とヴェニス・ビエンナーレに出品し、国際的な舞台にもデビューします。
しかし、その後は、前述のようにアトリエに籠もり淡々と己の道を歩み続けました。
その頃制作されたシルクの初期作品です。刷りは名手・岡部徳三さん。
1967年 シルクスクリーン
40.0×40.0cm Ed.150 サインあり
※レゾネNo.31
「静物」から30年後、「シルクNo.11」から14年後に、私が依頼して完成した版画「銀河」が下の作品です。三つの作品を比べると、オノサト先生の辿られた歩みの大きさに感慨をもようさざるを得ません。
1981年 シルクスクリーン
43.7×100.0cm Ed.150 サインあり
※レゾネNo.174
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
コメント