先週終わったジョナス・メカス展の後片付けもせず、<未来派の視察>にさっさと成田を飛び立った三浦ですが、その後なんの連絡もなし、ようやく昨日短いメールが入りました。
<いろいろご迷惑をおかけしているかと思います。こちらは疲れているものの気力を振り絞って歩き回っております。昨日は安藤さんがリノベーションしたピノー財団のプンタ・デラ・ドガーナに行きました。展示されている作品はともかく、良い展示空間になっていました。今日は、パラッツォ・グラッシやビエンナーレに行く予定です。>
まあ、彼らしいメールであちこち精力的に歩き回っているようです。私は旅行先の移動が大嫌いで、気に入った場所に何日でものんびりしていたい。
ところで、ジョナス・メカス展にはたくさんの若い人たちが来てくれました。
展示したのは、メカスさん自身が撮影した16mmフィルムより、3コマ程度の部分を抜粋し、写真として焼きつけるシリーズで「フローズン・フィルム・フレームズ-静止した映画」と呼ばれる仕事です。上映会も好評で映像の力をあらためて痛感しました。
芳名簿に書き込まれたコメント
**********
「上京したばかりの十代の頃、六本木で<リトアニアへの旅の追憶>を観て深く感動しました。13年くらいたって今日もう一度観てまた深く感動しました。来てよかったです。(Hさん、女性)」
「先週、そして今日とMontaukのシリーズについて色々と教えて頂き、この素晴らしい作品がより一層、深く心の中に染み込んでいったような気がします。ありがとうございました。(Fさん、男性)」
**********
Hさんのように以前観たときの感動を思い出し、いらっしゃった方も少なくありませんでした。名作は古びない、映像も絵画も同じですね。
Fさんに私が話したのは「this side of paradise」連作についてでした。
「this side of paradise」の元になった映像は、1960年代末から70年代始め、ジョン・F・ケネディの未亡人であったジャッキー・ケネディに請われ、子息のジョン・ジュニアやキャロラインといとこたちに映画を教えていた時期に撮影されたフィルムです。悲劇的な父親の死から程ない頃、父親のいない暮らしに慣れるまでの、心の準備が少しでも楽にできるよう、子供たちが何かすることをみつけてやりたいと考えたジャッキーが、子供たちに美術史を教えていたピーター・ビアードを通じて、メカスに頼みました。
アンディ・ウォーホルから借り受けたモントークの古い家で、ジャッキーとその妹家族、子供達、メカス、週末にはウォーホルやビアードが加わり、皆で過ごした夏の日々の、ある時間、ある断片が作品には切り取られています。
暗殺された偉大な大統領の未亡人がウォーホルの別荘を借りて、子供たちにはメカスさんが家庭教師となってひと夏を過ごす、いかにも60年代のアメリカを象徴しています。
モントークの浜辺に遊ぶ彼らの姿からは明るい輝くような笑顔があふれ出ています。
しかしその後の人生は決して明るいものではなかった、メカスさんのカメラはそのことを予感していたのでしょうか。
ご紹介するのは「this side of paradise」からの作品です。

ジョナス・メカス
「Anthony,John and Lee with their 8mm camera in action-Montauk,Aug.1972」
2000年 C-print
30.5×20.3cm Ed.10
signed
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

ジョナス・メカス
「The evening of Montauk, August, 1972」
2000年 C-print
30.0×20.0cm Ed.10
signed
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<いろいろご迷惑をおかけしているかと思います。こちらは疲れているものの気力を振り絞って歩き回っております。昨日は安藤さんがリノベーションしたピノー財団のプンタ・デラ・ドガーナに行きました。展示されている作品はともかく、良い展示空間になっていました。今日は、パラッツォ・グラッシやビエンナーレに行く予定です。>
まあ、彼らしいメールであちこち精力的に歩き回っているようです。私は旅行先の移動が大嫌いで、気に入った場所に何日でものんびりしていたい。
ところで、ジョナス・メカス展にはたくさんの若い人たちが来てくれました。
展示したのは、メカスさん自身が撮影した16mmフィルムより、3コマ程度の部分を抜粋し、写真として焼きつけるシリーズで「フローズン・フィルム・フレームズ-静止した映画」と呼ばれる仕事です。上映会も好評で映像の力をあらためて痛感しました。
芳名簿に書き込まれたコメント
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「上京したばかりの十代の頃、六本木で<リトアニアへの旅の追憶>を観て深く感動しました。13年くらいたって今日もう一度観てまた深く感動しました。来てよかったです。(Hさん、女性)」
「先週、そして今日とMontaukのシリーズについて色々と教えて頂き、この素晴らしい作品がより一層、深く心の中に染み込んでいったような気がします。ありがとうございました。(Fさん、男性)」
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Hさんのように以前観たときの感動を思い出し、いらっしゃった方も少なくありませんでした。名作は古びない、映像も絵画も同じですね。
Fさんに私が話したのは「this side of paradise」連作についてでした。
「this side of paradise」の元になった映像は、1960年代末から70年代始め、ジョン・F・ケネディの未亡人であったジャッキー・ケネディに請われ、子息のジョン・ジュニアやキャロラインといとこたちに映画を教えていた時期に撮影されたフィルムです。悲劇的な父親の死から程ない頃、父親のいない暮らしに慣れるまでの、心の準備が少しでも楽にできるよう、子供たちが何かすることをみつけてやりたいと考えたジャッキーが、子供たちに美術史を教えていたピーター・ビアードを通じて、メカスに頼みました。
アンディ・ウォーホルから借り受けたモントークの古い家で、ジャッキーとその妹家族、子供達、メカス、週末にはウォーホルやビアードが加わり、皆で過ごした夏の日々の、ある時間、ある断片が作品には切り取られています。
暗殺された偉大な大統領の未亡人がウォーホルの別荘を借りて、子供たちにはメカスさんが家庭教師となってひと夏を過ごす、いかにも60年代のアメリカを象徴しています。
モントークの浜辺に遊ぶ彼らの姿からは明るい輝くような笑顔があふれ出ています。
しかしその後の人生は決して明るいものではなかった、メカスさんのカメラはそのことを予感していたのでしょうか。
ご紹介するのは「this side of paradise」からの作品です。

ジョナス・メカス
「Anthony,John and Lee with their 8mm camera in action-Montauk,Aug.1972」
2000年 C-print
30.5×20.3cm Ed.10
signed
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ジョナス・メカス
「The evening of Montauk, August, 1972」
2000年 C-print
30.0×20.0cm Ed.10
signed
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