開催中の「ハインリッヒ・フォーゲラー展」に関連して、日本で出版された文献をご紹介します。
◆最新のものとしては、昨年美術館連絡協議会共催で巡回された「『白樺』誕生100年 白樺派の愛した美術」展図録です。
この展覧会は、京都文化博物館(2009年6月6日~7月20日)を皮切りに、宇都宮美術館(7月26日~9月6日)、ひろしま美術館(9月13日~10月25日)、神奈川県立近代美術館・葉山館(11月3日~12月20日)で開催されました。
雑誌『白樺』が創刊されて100年―。『白樺』は文芸雑誌として知られますが、毎号必ず海外の美術作品写真図版で紹介し、芸術評論も掲載する美術雑誌でもありました。『白樺』の同人たちの個性を尊重した主張は、当時の若い美術家から支持され、その後の日本人の美術の嗜好にも影響を及ぼしました。
本展では、『白樺』がいち早く紹介したセザンヌやロダン、ロートレックやビアズリーなどの西洋の画家や彫刻家の作品、岸田劉生や梅原龍三郎、高村光太郎など白樺同人と密接に関わった日本人の作家の作品に加えて、同人の原稿や書簡など、『白樺』と美術との関わりを多面的に紹介します。(主催の美連協のHPより)

「『白樺』誕生100年 白樺派の愛した美術」展図録
2009年 読売新聞大阪本社発行
26.5×19.0cm 233ページ
テキスト=山梨俊夫、古谷可由、濱崎礼二、長舟洋司、籾山昌夫、嶋田華子
同展には個人蔵の「早春」(春)と、国立西洋美術館所蔵の「愛」の2点が出品されています。
■上掲の図録は「青春の画家フォーゲラー」の日本将来とその受容に関しての文献ですが、それに対して、あまり知られてこなかったヴォルプスヴェーデを去りソ連に渡ってからのフォーゲラーについては、瀬木慎一の『現代詩手帖』連載が克明に追っています。
フォーゲラーのファンには必読の文献でしょう。単行本化が待たれます。


◆『現代詩手帖』2008年3月号(思潮社)所収 154~160頁
瀬木慎一 連載◎詩人たちの窓ー詩と絵画の照応第14回
「フォーゲラーとヴァルデンの転向」
・またしても女性/旧友の画家フォーゲラー/社会主義への転向
/ドイツ革命の渦中で/除名後の苦難と去就/ヴァルデンと表現派の発展
/ヴァルデンの去就
◆『現代詩手帖』2008年4月号(思潮社)所収 144~150頁
瀬木慎一 連載◎詩人たちの窓ー詩と絵画の照応第15回
「二人の亡命者の流刑死」
・フォーゲラーの奮闘/異分子の一斉排除/過疎地での孤独死
/ヴァルデンと表現主義論争/ヴァルデンの懸命の奮闘/論争の結末
◆最後にご紹介するのは、2008年の夏に山梨県清里のギャラリー譚詩舎で開催された展覧会の図録です。

『ヴォルプスヴェーデにおけるリルケとフォーゲラー』展図録
2008年8月5日発行 発行所:譚詩舎 発行人:布川鴇
展覧会会期:2008年8月8日~9月27日
25.5×18.2cm 52頁 モノクロ図版:23点
テキスト:
田中清光/リルケとロダン・そしてヴォルプスヴェーデ素描
神品芳夫/フォーゲラーとリルケ
尾花仙朔/回想-R・Mから学んだ事柄
富田裕/リルケとフォーゲラー展に寄せて-安息の「家」への帰還
吉田文憲/立原道造の問い
近藤晴彦/立原道造とフォーゲラー
鈴木俊/不可解なカザフ追放について
相沢史郎/激動の時代を生きた美術家
-「ハインリッヒ・フォーゲラー伝」書評より
リルケとフォーゲラー年譜
◆ときの忘れものは銅版画代表作15点による「ハインリッヒ・フォーゲラー展」を開催しています(2010年2月23日[火]―3月6日[土])


左)フォーゲラー「愛」
右)フォーゲラー「五月に」
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆最新のものとしては、昨年美術館連絡協議会共催で巡回された「『白樺』誕生100年 白樺派の愛した美術」展図録です。
この展覧会は、京都文化博物館(2009年6月6日~7月20日)を皮切りに、宇都宮美術館(7月26日~9月6日)、ひろしま美術館(9月13日~10月25日)、神奈川県立近代美術館・葉山館(11月3日~12月20日)で開催されました。
雑誌『白樺』が創刊されて100年―。『白樺』は文芸雑誌として知られますが、毎号必ず海外の美術作品写真図版で紹介し、芸術評論も掲載する美術雑誌でもありました。『白樺』の同人たちの個性を尊重した主張は、当時の若い美術家から支持され、その後の日本人の美術の嗜好にも影響を及ぼしました。
本展では、『白樺』がいち早く紹介したセザンヌやロダン、ロートレックやビアズリーなどの西洋の画家や彫刻家の作品、岸田劉生や梅原龍三郎、高村光太郎など白樺同人と密接に関わった日本人の作家の作品に加えて、同人の原稿や書簡など、『白樺』と美術との関わりを多面的に紹介します。(主催の美連協のHPより)

「『白樺』誕生100年 白樺派の愛した美術」展図録
2009年 読売新聞大阪本社発行
26.5×19.0cm 233ページ
テキスト=山梨俊夫、古谷可由、濱崎礼二、長舟洋司、籾山昌夫、嶋田華子
同展には個人蔵の「早春」(春)と、国立西洋美術館所蔵の「愛」の2点が出品されています。
■上掲の図録は「青春の画家フォーゲラー」の日本将来とその受容に関しての文献ですが、それに対して、あまり知られてこなかったヴォルプスヴェーデを去りソ連に渡ってからのフォーゲラーについては、瀬木慎一の『現代詩手帖』連載が克明に追っています。
フォーゲラーのファンには必読の文献でしょう。単行本化が待たれます。


◆『現代詩手帖』2008年3月号(思潮社)所収 154~160頁
瀬木慎一 連載◎詩人たちの窓ー詩と絵画の照応第14回
「フォーゲラーとヴァルデンの転向」
・またしても女性/旧友の画家フォーゲラー/社会主義への転向
/ドイツ革命の渦中で/除名後の苦難と去就/ヴァルデンと表現派の発展
/ヴァルデンの去就
◆『現代詩手帖』2008年4月号(思潮社)所収 144~150頁
瀬木慎一 連載◎詩人たちの窓ー詩と絵画の照応第15回
「二人の亡命者の流刑死」
・フォーゲラーの奮闘/異分子の一斉排除/過疎地での孤独死
/ヴァルデンと表現主義論争/ヴァルデンの懸命の奮闘/論争の結末
◆最後にご紹介するのは、2008年の夏に山梨県清里のギャラリー譚詩舎で開催された展覧会の図録です。

『ヴォルプスヴェーデにおけるリルケとフォーゲラー』展図録
2008年8月5日発行 発行所:譚詩舎 発行人:布川鴇
展覧会会期:2008年8月8日~9月27日
25.5×18.2cm 52頁 モノクロ図版:23点
テキスト:
田中清光/リルケとロダン・そしてヴォルプスヴェーデ素描
神品芳夫/フォーゲラーとリルケ
尾花仙朔/回想-R・Mから学んだ事柄
富田裕/リルケとフォーゲラー展に寄せて-安息の「家」への帰還
吉田文憲/立原道造の問い
近藤晴彦/立原道造とフォーゲラー
鈴木俊/不可解なカザフ追放について
相沢史郎/激動の時代を生きた美術家
-「ハインリッヒ・フォーゲラー伝」書評より
リルケとフォーゲラー年譜
◆ときの忘れものは銅版画代表作15点による「ハインリッヒ・フォーゲラー展」を開催しています(2010年2月23日[火]―3月6日[土])

左)フォーゲラー「愛」
右)フォーゲラー「五月に」
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