kunStart10の初日は、静かに始まりました。

2月の末に地元の新聞でこのアートフェアの紹介記事が掲載され、私たちが出品している細江英公先生の「薔薇刑 #32」が大きく取り上げられました。
初日の観客の数は多くありませんが、年齢層は幅広く、皆さん時間をかけて見て回っています。小野先生の作品はここでも関心は高く、皆さん足を停めて見入っていました。同様に写真作品も1点1点じっくりご覧になる方が多くいらして、展示しているラインナップを「素晴らしい」と言ってくださる方も少なくありませんでした。




このアートフェアでは、今回「Focus Japan」という特集を組んでいて、我々日本から来た画廊だけでなく、他の画廊でも日本人の作家の作品を出品しているところが多くあります。ときの忘れもののすぐ前にあるブースのサン・ジミニャーノから来た画廊で出品している作家は、すべてイタリア在住の日本人です。

GALLERIA GAGLIARDI (San Gimignano)

また、このアートフェアには「SOLD OUT」というイベントがあります。これは、各ギャラリーが自分の出展作品から5000ユーロ相当の作品1点に「SOLD OUT」のシールを貼っておき、来場者は応募用紙に自分の気に入った「SOLD OUT」の作品を記入し、投票箱に入れて帰ります。最終日の夕方5時に抽選があり、当選した人が希望した作品をもらうことができるというものです。作品の代金はスポンサーが払ってくれるという、なかなか粋なイベントです。
19時からは招待客だけのヴェルニサージュでしたが、入ってくるお客さまが皆さん着飾っているので、さすがヨーロッパだなと思ったら、「エレガント」というドレスコードがあったとのこと。日中よりずっとたくさんの方がいらっしゃいました。面白いのが、さっきまで作業着を着て会場の壁のペンキを塗って歩いていた若者が、ちゃんと着替えて観客になっていたり、我々が宿泊しているシェラトンホテルのレセプションの若い女性もドレスアップして来ていたりと、アートに対する意識の高さと社交の場を楽しむ術を知っていることを感じました。

多くの方が我々のブースに来て下さいましたが、残念ながら本日は成果がありませんでした。明日は雪になりそうですが、一人でも多くの入場者があることを願ってやみません。（ボルツァーノより、三浦）

◆ときの忘れものはイタリア北部の町、ボルツァーノで始まったアートフェアに出展しています。
メインは小野隆生ですが、五味彬、細江英公、植田正治など写真作品も持っていっています。

KunStart 10 （7th INTERNATIONAL ART FAIR OF BOLZANO）
会期：2010年3月5日（金）―７日（日）
開場時間：10時～18時
会場：kunStart - Messe Bozen, via Galvani 34, 39100 Bozen
HP http://www.kunstart.it/