The NUDE」展には、多数のご来場まことにありがとうございました。本当に多くの方がいらしてくださいました。
展示は終わりましたが、作品の紹介は続けてまいります。作品は画廊にございますので、ご興味がございましたら、ぜひ実物をご覧にいらしてください。
今日ご紹介するのは、服部冬樹「90 Minutes JESSICA I」です。
「90 Minutes JESSICA」の連作は7点あり、そのうち3点は「古典的な裸婦」と題されていますが、この作品は、他の4作のうちの1点です。
服部冬樹の作品は、モノクロームで撮ったものにさまざまな手を加えて、最終的にチバクロームのカラー作品となります。女性のヌードに「静物」とタイトルを付けた作品があることからも明らかなように、服部は、肉体をオブジェとして扱っています。ここでも、ポーズをとるモデルは石のような冷たい色であり、あたかもはるか昔に時間を止められてしまったかのようにも見えます。

hattori_03_jessica
服部冬樹
「90 Minutes JESSICA I ジェシカ」
1991年
Cibachrome
シートサイズ:50.4×40.3cm
Ed.3/3
右下・裏にサインあり
*レゾネNo.272(共同文化社「服部冬樹作品集」)

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

服部冬樹
1955年、北海道札幌市に生まれる。1978年、日本大学芸術学部写真学科卒業。大学時代にチェコスロヴァキアの写真家ヨゼフ・スデックの静物写真から影響を受け、花や花瓶を題材として制作を行っていたが、その後ヌード作品のシリーズを手がける。「快楽やエロティシズムを漂わせる肉体」という別の対象に移行しても、人体を「静物」として捉えるアプローチは、一貫している。在学中の77年に初の個展を開催(日本大学芸術学部図書館ギャラリー)。80年代からは主としてツァイト・フォト・サロンなどで発表活動を続ける。服部は、タゲレオタイプからチバクロームまで写真史上のさまざまな技法を再現し、作品としての写真が注目されている現在にあって、写真の美的側面だけでなく、その歴史そのものを現在に凝縮することで、写真とは何かという問いかけを提出している。

◆4月末からの連休は、暦通りの営業です。
4月29日(木)と、5月2日(日)~5日(水)は休廊です。

◆ときの忘れものは、2010年5月11日[火]―5月21日[土]まで「ニキ・ド・サンファル版画と松本路子写真展 Witch's Tea Party ~ニキ・ド・サンファルとの宴」を開催します。※会期中無休
松本路子写真展DM
ニキ・ド・サンファル生誕80周年を記念して、松本路子撮影のニキ・ド・サンファルのポートレート写真約20点と、松本路子氏コレクションのニキ・ド・サンファルの版画を6点ご紹介します。

5月15日(土)17時より、松本路子さんによるギャラリートークを開催します (※要予約 参加費1,000円)
ご予約のお申し込みは、メールにてお願いします。
◆今月のWEB展は、4月16日~5月15日まで「靉嘔展」を開催しています。
◆ときの忘れものはtwitter始めました。