Tsuyuさんから、新年のメッセージ

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私は、“今年からああする、こうする”というような抱負はあまり抱かない。小さい頃から自分の誕生日さえも祝う事が好きではなかった。時が過ぎる事を祝うのに興味を持たなかった。でも Claude Levi-Straussが言っていたように人間は儀式、伝統があってこそ、人間のアイデンティチーがある。そう最近感じられるようになった。だからと言って今年の抱負を書いて下さいと頼まれてからもう一週間以上もたっているのに何を書いていいのかちっとも思いつかない。でも抱負はある。それは、現在世界に何がおこっているのかを意識出来る人間になる事。これからの地球を大事にして幅広く思いやりのある人間、人々や子供たちを立派に育てられる真のある人間になる事。 でも周囲の事だけではなく自分をよく知り素直に表現出来る事。それは今年だけではなく一生の抱負だ。でも時々それをふっと忘れる時がある。そりゃ私だって人間だ。もっとたわいない欲望や野心、(例えば, Bosendorferのピアノがほしい、Hermèsのバーキンを持ちたい、飛行機はファーストに乗れるくらいになりたい, Simon Mc Burney と仕事がしたい、朝起きたばかりなのに目がぱちくりしていてジャージーをはいていても様になっているスタイルのいい Perfect Blonde Womanになってみたい、 Akram Khan と一緒に踊ってみたい、夜中にチップスを食べても太らないタイプになりたい、かっこいいバーで何気なく人の前で Tom Waitsの曲を歌いながらピアノを弾いてみたい、London に住みたい、 Sophia Coppola みたいに Louis Vuitton からバッグをデザインして下さいと頼まれたい、 Marian Goodman から引っこ抜かれたい、etc...“欲望は苦しみの元だ” Nietzsche)に自分を無くす時もある。そういう時は、ナメクジ見たいにどろんとした心境で落ち込む。でもそういう時にいつも自分を目覚めさせてくれるのが、アートだ。それは音楽、舞踊、文学、演劇、絵画、いろんな形のアートだ。人間の心の凄まじさと冷たさから暖かさ、あらゆる感情、空間、時の流れ、そして心理を教えてくれる。そういう いいアートに出会うと、余分な欲望をおいて真髄になれる。眠りに入った私の本質を起こしてくれる。

私は新しい年が始まったからと言って特別な抱負は抱かないのですが、この紙上で今年はそんな私の人生にスパイスをつけてくれるアートが皆様方にも行き届くように祈ります。(つゆ)


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ブリュッセル32010年11月のブリュッセルでの展示


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「Mesdames Butterflies IV」
2009年
Traditional Korean paper and Japanese nylon thread
H400.0cm


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「Mesdames Butterflies」
2010年
Traditional Korean paper and Japanese nylon thread
H200.0cm


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TSUYU
「Degradation」
2010年
39.0×50.0cm


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*画廊亭主敬白
映画女優としても活躍するTsuyuさんは、既に昨年、父の国韓国でのアートフェア(ソウル、テグ)に出品していただき、高い注目を集めました。
いよいよ今年は、母の国日本でデビューします。