さきほどお知らせしたとおり、アメブロに移行したはずのときの忘れもののブログのページが行方不明になってしまいました。
ということは、せっかくスタッフや外部の方に書いていただいた原稿も行方不明で(もとの原稿は残っていますので後日アップしますが)、遂に「毎日更新」記録が途絶えてしまいかねない。
何とか穴を空けずに皆さんにブログを読んでいただきたい・・・

亭主は、もともと版画育ちなので、オリジナル版画入りの詩画集や装画本には目がありません。ていうか急に何か書けといわれたら版画のことしか書けません。苦しいときの版画頼みというわけです。
先日も吉行淳之介さんと前川直さんの銅版画入り挿画本をご紹介したばかりですが、今日は本棚深く埋もれていたアルベール・マルケの挿画本を引っ張り出してご紹介しましょう。

マルケ
アルベール・マルケ「ELOGE DE ALBERT MARQUET アルベール・マルケ礼賛」
著者:レオン・ウェルスLEON WERTH
1948年 エッチング5点、ドライポイント3点、リトグラフ3点入り
MANUEL BRUKER EDITEUR刊 33×25cm
Ed.200部(うち81番)

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この本は、出版人であるマニュエル・ブルケールが、1931年の『ラウル・デュフィ礼賛』から1963年の『エレーヌ・マールの肖像』まで49点出版したオリジナル作品入りの画家シリーズの7番目として1948年に刊行されたものです。
医者でもあるブルケールが愛書家のために限定出版したもので、2003年には目黒区美術館でこのシリーズを紹介する展覧会が開催されたので、ご覧になった方も多いでしょう。
著者のレオン・ウェルスはフランスのエッセイスト、小説家、美術評論家。1900年ごろから『ランパルシアル・フランセ』『ル・モンド』などの新聞、雑誌に執筆。美術評論家としては、ボナール、ヴラマンク、モネ、シニャック、マルケらに関する評論を書いています。
あの不朽の名作、サン=テグジュペリの『星の王子様』は、ウェルスに献呈されているのをご存知ですか。

アルベール・マルケ Albert Marquet(1875年3月27日 - 1947年6月13日)は、ボルドーに生まれる。1893年、パリの装飾美術学校に学び、続いてエコール・デ・ボザール(官立美術学校)でギュスターヴ・モローの指導を受ける。ここで同窓生のマティス、ルオーらと知り合った。 後にフォーヴィスム(野獣派)と呼ばれる画家グループに加わるが、マルケの作風は激しいデフォルメや非現実的な色彩を用いない穏健なものである。派手さや革新性はないが、グレーや薄い青を基調とした落ち着いた色彩と穏やかなタッチで、パリの街や港の風景などを描いた。生涯にアルジェリアを含め各地へ旅したが、こうした穏やかな画風が変わることはなかった。