安藤忠雄「水の教会」と「光の教会」

昨日はル・コルビュジエの版画をご紹介しましたので、本日は安藤忠雄作品をご紹介しましょう。
建築家・安藤忠雄先生には教会建築がいくつかありますが、最も有名なのが大阪の茨木市北春日丘にある茨木春日丘教会、別名「光の教会」でしょう。竣工は礼拝堂が1989年、併設の教会ホール(愛称・日曜学校)が1999年です。
北海道勇払郡占冠村にある礼拝堂、「水の教会」はアルファリゾート・トマム内の一施設として1988年に竣工しました。大自然の中のロケーションの美しさもあって若い人に人気で、今はもっぱら結婚式場として使われているようですね。

一方は信者の浄財によって恐ろしく低予算で建てられた。(その顛末は平松剛さんの『光の教会 安藤忠雄の現場』に詳しい。)
他方、「水の教会」は1980年代に宮城県を本拠地とする総合デベロッパー「関兵」グループによって開発が進められたホテルアルファトマムの施設として潤沢な資金で建設されます。
トマムは日本には全くなかったヨーロッパ型のスキー場+ゴルフ場+ホテルの高級リゾート地として注目を集めました。
しかし、その後のバブル崩壊により運営会社が破綻し、紆余曲折の後、軽井沢で新しいリゾートホテルの運営に成功した星野リゾートに引き継がれています。

「光の教会」は礼拝堂の竣工間もない頃、訪ねました。簡素ななかに凛とした空気の漂う素晴らしい建築です。
そのずいぶん前になりますが、亭主と社長は「水の教会」のあるトマムに一週間ほど滞在したことがあります。残念ながらそのときはまだ工事中で、「水の教会」は完成していませんでした。

二つの教会は版画にもなっているので、ご紹介しましょう。

安藤忠雄「水の教会」
安藤忠雄
「水の教会」
1992年頃 シルクスクリーン
103×73cm AP
サインあり

安藤忠雄「光の教会」600
安藤忠雄
光の教会
1998年  シルクスクリーン
イメージサイズ:28.6×75.2cm
シートサイズ:60.0×90.0cm
A版(和紙):Ed.10
B版(洋紙):Ed.35
サインあり

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