「GUTAI 具体 Gコレクションより」展は、昨日終了しました。
本日、明日と画廊はお休みさせていただきます。
僅か数ヶ月前の昨年12月末に突如降ってわいた企画ですが、なぜにばたばたとこの時期に開催したのか。
一つには、もちろんNYのグッゲンハイムの「具体展」の開催です。
もう一つの理由は、3月下旬に「ART FAIR TOKYO 2013」はじめイベントが東京で集中して開催されるので、海外からもお客さんが多数来て、ついでに青山にも来てくれるに違いないといわば便乗させてもらったわけです。
その結果は、グッゲンハイムの効果は抜群でした。
あちらでも相当の話題になっているらしく、アメリカ、カナダ、イタリアなどから作品の問合せや注文が相次ぎました。
ところが国内の反応はさっぱりでした。大いに期待したアートフェアのために来日する海外のコレクター向けというもくろみは完全にはずれました。
来廊者もオープン当初は賑わいましたが、以後最終日の昨日までいつも通りの一日数人の静かな毎日でありました。
しかし得がたい出会いがいくつもあり、思いがけない良い結果でした。


自営業の画商には定年がありません。
サラリーマン時代の同期の仲間のほとんどがリタイアして悠々自適の人生を送っていますが、画商の亭主にはまだまだやることが残されており、新たな出会いや学ばなければならないことも出てきます。
自慢じゃないですが亭主は美術業界に入って以来40年近く、所謂「好景気」というものに遭遇したことがありません。
入った当時は絵画ブームの暴落の直後で、悲惨な状況でした。
その後10年悪戦苦闘して、バブルの直前に撃沈してしまったので、バブルはまったく知りません。業界から遠く離れ、コンビニのバイトや企画会社で給料をいただきながら借金返済に明け暮れ、バブル後半はA4判・736ページという本の編集に没頭しておりました。
もっとも磯崎新先生には「君は、バブル前に倒産していて良かった。バブルに遭遇していたらとんでもないことになり、借金もゼロが二つくらい違ってとても再起できなかったろう」と言われましたから、かえって良かったのかも知れません。
亭主の倒産のときの債権者だった某画廊さんは、その後のバブルで大ブレークしたあとに倒産、新聞種にもなりましたが、40数億円の負債を抱えて業界から去って行きました。
社長が「ときの忘れもの」を開廊したのは1995年ですから、まさに「失われた20年」に重なり、ちっともいいことはない。少し景気が良くなったかしらと思った途端にリーマン・ショックがあり、あのときは蒼くなるほどの売上げ激減でした。そして2011年3月11日の大震災・・・・・
不景気が続いてきた中での「具体」展の開催でした。
アメリカやヨーロッパでの高い評価は聞いておりましたが、元永定正先生以外の「具体」作家には全く縁がなく、作品もほとんど扱ったことはありません。
「貧乏画廊のお前のところでやれば少しは潤うだろう」との石山修武先生のご厚意に感謝するばかりです。にわか勉強で文献資料に目を通し、具体ゆかりの方々にもお話を伺うことができました。
開催まで紆余曲折、ハラハラドキドキの毎日でしたが、気持ちの良い最終日を迎えることができました。



縁のなかった作品群がこんなにも幸せな気持ちにさせてくれるのか。
ただの一度もお目にかかったことのない出品作家の皆さん、具体を率いた故・吉原治良先生、企画監修を買って出てくれた石山修武先生、素晴らしい作品を提供して下さった「Gコレクション」さま、ギャラリー・トークで具体発祥の地・芦屋から参加して下さった河﨑晃一先生、そして何より、作品をお買い上げいただいた国内や世界各地のお客様に深く深く感謝する次第です。
会期中は珍しく寝込むこともなく皆勤だったので、今日から伊豆の温泉で「露天風呂愛好会」の仲間と休養してまいります。
ほんとうにありがとうございました。
◆「GUTAI 具体 Gコレクションより」展は終了しましたが、引き続き出品作品は扱ってまいります。

企画・監修=石山修武
出品:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高﨑元尚、鷲見康夫、田中敦子、金山明、山崎つる子、森内敬子
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
●カタログのご案内
『具体 Gコレクションより』展図録
2013年 16ページ 25.6x18.1cm
執筆:石山修武 図版15点
略歴:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高﨑元尚、鷲見康夫
価格:800円(税込)
※送料別途250円
※お申し込みはコチラから。
本日、明日と画廊はお休みさせていただきます。
僅か数ヶ月前の昨年12月末に突如降ってわいた企画ですが、なぜにばたばたとこの時期に開催したのか。
一つには、もちろんNYのグッゲンハイムの「具体展」の開催です。
もう一つの理由は、3月下旬に「ART FAIR TOKYO 2013」はじめイベントが東京で集中して開催されるので、海外からもお客さんが多数来て、ついでに青山にも来てくれるに違いないといわば便乗させてもらったわけです。
その結果は、グッゲンハイムの効果は抜群でした。
あちらでも相当の話題になっているらしく、アメリカ、カナダ、イタリアなどから作品の問合せや注文が相次ぎました。
ところが国内の反応はさっぱりでした。大いに期待したアートフェアのために来日する海外のコレクター向けというもくろみは完全にはずれました。
来廊者もオープン当初は賑わいましたが、以後最終日の昨日までいつも通りの一日数人の静かな毎日でありました。
しかし得がたい出会いがいくつもあり、思いがけない良い結果でした。


自営業の画商には定年がありません。
サラリーマン時代の同期の仲間のほとんどがリタイアして悠々自適の人生を送っていますが、画商の亭主にはまだまだやることが残されており、新たな出会いや学ばなければならないことも出てきます。
自慢じゃないですが亭主は美術業界に入って以来40年近く、所謂「好景気」というものに遭遇したことがありません。
入った当時は絵画ブームの暴落の直後で、悲惨な状況でした。
その後10年悪戦苦闘して、バブルの直前に撃沈してしまったので、バブルはまったく知りません。業界から遠く離れ、コンビニのバイトや企画会社で給料をいただきながら借金返済に明け暮れ、バブル後半はA4判・736ページという本の編集に没頭しておりました。
もっとも磯崎新先生には「君は、バブル前に倒産していて良かった。バブルに遭遇していたらとんでもないことになり、借金もゼロが二つくらい違ってとても再起できなかったろう」と言われましたから、かえって良かったのかも知れません。
亭主の倒産のときの債権者だった某画廊さんは、その後のバブルで大ブレークしたあとに倒産、新聞種にもなりましたが、40数億円の負債を抱えて業界から去って行きました。
社長が「ときの忘れもの」を開廊したのは1995年ですから、まさに「失われた20年」に重なり、ちっともいいことはない。少し景気が良くなったかしらと思った途端にリーマン・ショックがあり、あのときは蒼くなるほどの売上げ激減でした。そして2011年3月11日の大震災・・・・・
不景気が続いてきた中での「具体」展の開催でした。
アメリカやヨーロッパでの高い評価は聞いておりましたが、元永定正先生以外の「具体」作家には全く縁がなく、作品もほとんど扱ったことはありません。
「貧乏画廊のお前のところでやれば少しは潤うだろう」との石山修武先生のご厚意に感謝するばかりです。にわか勉強で文献資料に目を通し、具体ゆかりの方々にもお話を伺うことができました。
開催まで紆余曲折、ハラハラドキドキの毎日でしたが、気持ちの良い最終日を迎えることができました。



縁のなかった作品群がこんなにも幸せな気持ちにさせてくれるのか。
ただの一度もお目にかかったことのない出品作家の皆さん、具体を率いた故・吉原治良先生、企画監修を買って出てくれた石山修武先生、素晴らしい作品を提供して下さった「Gコレクション」さま、ギャラリー・トークで具体発祥の地・芦屋から参加して下さった河﨑晃一先生、そして何より、作品をお買い上げいただいた国内や世界各地のお客様に深く深く感謝する次第です。
会期中は珍しく寝込むこともなく皆勤だったので、今日から伊豆の温泉で「露天風呂愛好会」の仲間と休養してまいります。
ほんとうにありがとうございました。
◆「GUTAI 具体 Gコレクションより」展は終了しましたが、引き続き出品作品は扱ってまいります。

企画・監修=石山修武
出品:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高﨑元尚、鷲見康夫、田中敦子、金山明、山崎つる子、森内敬子
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『具体 Gコレクションより』展図録2013年 16ページ 25.6x18.1cm
執筆:石山修武 図版15点
略歴:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高﨑元尚、鷲見康夫
価格:800円(税込)
※送料別途250円
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