スタッフSの海外ネットサーフィン No.10
「Gustave Dore (1832–1883): Master of Imagination」

Musee d'Orsay


ここ数日、急激に暖かいを通り越して暑いとすら感じる天気が続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか、本日もスタッフSこと新澤のお目汚しの時間がやってまいりました。先日のART FAIR 東京のレポートも多くの方に見ていただけだようで、誠にありがとうございました。

今回の話のネタは第6回以来のパリなのですが、パリには殆ど思い出がないので、開き直って季節ネタを書かせていただきます。この時期だとスキーですね。最近新宿駅辺りでスキーやらスノーボードを担いだ団体客をよく見ますが、ヨーロッパの方でもこの時期までスキーは人気のレジャーです。自分の家族が住んでいたのは大西洋に面したフランス南西端だったので冬でも雪が降ったりはしませんでしたが、なら雪が降る場所に行けばいいじゃないとばかりにドライブ好きの父が10時間かけてフランスを横切り(距離にして約1,000km。何が父をそこまで駆り立てたのか…)、アルプス地方にスキー旅行に出かけていました。まぁ自分の記憶に強く残っているのはスキーよりも主にお腹いっぱいに食べたラクレットの美味しさと、滑ることに夢中で山の中腹にあったホテルを通り過ぎて麓まで降りてしまい(しかも道連れあり。父の同僚の娘さん、自分と同い年で当時中学生)、文無しだったのでリフトの乗り継ぎもできず、ベソかきながらスキー靴で坂道を三時間ほど登っていた所、警察から連絡を受けた公共バスに保護されてホテルまで乗せてもらった時の筆舌にし難い気恥ずかしさと気まずさですが。

オルセー美術館

さて、以上の記事とは全く関係のない今回の展覧会紹介はパリでルーブルと並んで日本人には知られている(と、思われる)Musee d'Orsay、オルセー美術館が舞台です。
1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて、オルレアン鉄道によって建設されたオルセー駅の鉄道駅舎兼ホテル(設計者はヴィクトール・ラルー)だったものが、イタリアの女性建築家ガエ・アウレンティの改修により再生、1986年に19世紀美術専門の美術館として開館しました。館の原則として2月革命のあった1848年から第一次世界大戦が勃発した1914年までの作品が展示対象となっており、それ以前の作品はルーブル美術館、以降の作品はポンピドゥー・センターという役割分担がなされています。

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このオルセーで現在開催中の展覧会の一つが今回ご紹介する「Gustave Dore (1832–1883): Master of Imagination」です。期間は2014年2月18日から5月11日まで、チケット料金は入館料の11ユーロに含まれます。
展覧会の対象はタイトルにもあるフランス19世紀屈指の作家とも呼ばれるギュスターヴ・ドレ。15歳の若さから画家として活躍し、挿絵画家としてダンテバルザックフランソワ・ラブレーミルトンの挿絵を手がけた他、イギリス版の聖書やエドガー・アラン・ポーの『大鴉』も手がけ、生前から国際的にその名を知られていた人物です。本展では挿絵だけに留まらず、ドローイング、油彩、水彩、エングレービング、彫刻など多彩な技法を用いて様々なジャンルを網羅したドレの作品を30年ぶりの回顧展で展示しています。

以後の関連映像作品のイメージに多大な影響を残した聖書の挿絵やドン・キホーテ、そのものずばりのデザインが映像化された(CG映画「シュレック2」に登場)本展のメイン画像に選ばれている「長靴を履いた猫」など、マンガ、アニメ文化にも少なくない影響をもたらした作品の数々は、マンガオタクである自分としては是非とも見てみたいイベントです。
(しんざわ ゆう)

Musee d'Orsay公式サイト:http://www.musee-orsay.fr/en/home.html
展覧会紹介ページ:“Gustave Dore (1832–1883): Master of Imagination”

■ときの忘れものは2014年3月12日[水]―3月29日[土]「瀧口修造展 II」開催しています(※会期中無休)。
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今回は「瀧口修造展 Ⅰ」では展示しなかったデカルコマニー30点をご覧いただきます。

●出品作品を順次ご紹介します。
II-18(152)瀧口修造
《Ⅱ-9》
デカルコマニー、紙
Image size: 12.1x10.1cm
Sheet size: 12.9x11.0cm

II-01(118)瀧口修造
《Ⅱ-10》
デカルコマニー、紙
Image size: 16.7x11.6cm
Sheet size: 16.7x11.6cm

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このブログでは関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。

カタログのご案内
表紙『瀧口修造展 I』図録
2013年
ときの忘れもの 発行
図版:44点
英文併記
21.5x15.2cm
ハードカバー
76ページ
執筆:土渕信彦「瀧口修造―人と作品」
再録:瀧口修造「私も描く」「手が先き、先きが手」
価格:2,100円(税込)
※送料別途250円(お申し込みはコチラへ)
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本日のウォーホル語録

<これからは、人は誰でも15分間有名になれるだろう。
―アンディ・ウォーホル>


ときの忘れものでは4月19日~5月6日の会期で「わが友ウォーホル」展を開催しますが、それに向けて、1988年に全国を巡回した『ポップ・アートの神話 アンディ・ウォーホル展』図録から“ウォーホル語録”をご紹介して行きます。
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