「お宅では作品の買取をしていますか」という問い合わせが増えてきました。
先日など一日にお二人の方から同じような電話があり、驚きました。
以前、このブログでも、「●●をもっているが、いくらなら買い取ってくれるか」という乱暴な電話について書いたことがありますが、最近のお客様は皆さんとても丁寧です。

電話の主「以前、そちらに伺ったことがあるのですが、私もそろそろ歳なので、集めた作品や画集などを整理したいと考えています。お宅様ではそういうものの買取はなさっていますか」
亭主「もちろん、買取はしています。しかし、実物を拝見しないと値段は踏めません。」
電話の主「それは承知しています。ではどうしたらよろしいでしょうか」
亭主「ご自分でお持ちになるのは大変でしょうから、もしお差支えなかったら、私の方から車でお伺いします。実物を拝見し、私どもが買取値段を査定、ご提案し、ご納得いただければ買わせていただきます。私どもで得意でないものなどはその場で値段を踏めない場合もあります。そのときはいったんお預かりして、後日、査定金額をご提案させていただきます。もしご納得いただけない場合は直ちにご返却します」

というようなやり取りがあり、最近亭主は息子の車に乗って見知らぬ方をお尋ねする機会が増えました。
大昔は、行商で売り歩いたのですが、いまは買取のための行脚です。

話し変わって、このブログにはたくさんの方に寄稿していただいていますが、寄稿数においては建築評論の植田実先生がもっとも多い。既に90本近い原稿を執筆されています。
美術展のおこぼれ生きているTATEMONO 松本竣介を読む 他)
ところが昨年来、体調を崩されてしまい、このところブログの執筆がちょっと間があいています。
お酒を控えておられるので、宴会がてら植田先生の講義を聞く機会も減ってしまい植田ファンとしては残念無念。

7月15日に新宿の工学院大学アーバンテックホールで講演されるというので、さっそく申し込みました。

『建築士の日』(7月1日)記念講演会
建築家の住宅史―「住宅建築賞」を振り返る―

講師|植田 実(編集者、建築評論家、住宅課題賞2001年―現在 審査委員長)
主催|一般社団法人 東京建築士会
日時|2014 年7月15日(火)
会場|工学院大学アーバンテックホール
開催時間|19:00 ~ 21:00

参加費|本会正会員・準会員1000 円、一般2000 円、学生500円
申込方法(申込先着順)|E‑mail にてイベント名・氏名・住所・勤務先・TEL/FAX・本会正会員の方は会員番号を明記の上、本会宛にご送信ください。
E‑mail|info@tokyokenchikushikai.or.jp
植田実先生講演会
OPEN COLLEGE 2014 vol.1
主催|一般社団法人 東京建築士会
銀座建築デザイン大学東京建築士会では、様々な活動を通し、建築情報を提供しながら建築士制度の普及に努めています。その一環として、本会では様々な視点から、建築に関する文化・教養・技術面での事業・講習会等を企画しており、『銀座建築デザイン大学』と題した連続講座を開催しています。このセミナーは、見る・聴くの講義型から、観る・聴く・触る・造るといった五感を使った体験的かつ参加型のテーマにしており、毎回様々なテーマをキーワードとして年 3 ~ 4 回開催を予定しています。いずれもひとつのテーマ内容を深く理解していただくために、2 ~ 3 時間程度を一区切りとして、テーマによっては複数の講師、本委員会委員のコーディネーターによって運営されます。私たち建築士の日常業務に欠かせない知識であるにも拘らず、比較的取り上げられる機会が少ない内容や最新情報が得にくい課題・テーマを選んでいます。密度の高いレクチャーと講師との交流を通じて、自己研鑽を図る場としていただければ幸いと考えています。
(東京建築士会のHPより)
●会場:工学院大学アーバンテックホール
〒163‑8677 東 京 都 新 宿 区 西 新 宿 1‑24‑2 
工学院大学 新宿キャンパス 高層棟3F

植田 実(うえだ まこと)
-編集者、建築評論家、住宅課題賞 2001年~現在審査委員長
1935年 東京都生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専攻卒業。
「建築」編集を経て、1968 年に「都市住宅」創刊編集長として斬新な雑誌づくりで建築界に新風を巻き起こした。戦前の住宅作品から現代の若手建築家の作品まで旺盛な好奇心で見て歩き、数多くの住宅を取材、体験してきた。磯崎新、原広司、安藤忠雄、毛綱毅曠、伊東豊雄らの才能をいち早く見つけだし、紹介した功績は大きい。現在フリー、住まいの図書館出版局編集長。建築文化の普及・啓蒙に貢献した業績により、2003 年日本建築学会賞文化賞を受賞。
主な著書:1988 年「ジャパン・ハウス」(グラフィック社)、1989 年「真夜中の家」(住まいの図書館出版局)、2003 年「アパートメント」(平凡社コロナ・ブックス)、2004 年「集合住宅物語」(みすず書房)、2005 年「植田実の編集現場」(花田佳明との共著、ラトルズ)、2007 年「建築家五十嵐正一 -帯広で五百の建築をつくった」(西田書店)、2007 年「都市住宅クロニクルI・II」(みすず書房)、2011 年「住まいの手帖」「真夜中の庭」(みすず書房)、2014 年「いえ 団地 まち -公団住宅設計計画史」(木下庸子との共著、住まいの図書館出版局)、2014 年「日本の名建築167 -日本建築学会受賞建築作品集 1950-2013」(共著、技報堂出版)

◆植田先生が最近出された本をご紹介します。
植田実『いえ 団地 まち』木下庸子 植田実編著
『いえ 団地 まち
公団住宅 設計計画史』
2014年
住まいの図書館出版局 発行
540ページ
17.6x11.4cm
¥ 3,240(税込み)