マン・レイと交流のあった宮脇愛子さんが20日、膵臓がんのために死去された。84歳。フェルー通りで隠遁者のように暮らすマン・レイの様子を、軽妙なエッセイでわたしたちにも伝えてくれた彼女は、代表作『うつろひ』シリーズなどを経て、もっとも影響力のある現代の女性彫刻家として知られるようになった。車いすの助けを借りねばならない毎日でありながら、今年も新作を発表されるほどお元気であっただけに、残念である。心からご冥福を祈りたい。新聞などによれば11月に「偲ぶ会」が行われるという。
（マン・レイイスト 石原輝雄さんのブログより）
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現在開催中の「銀塩写真の魅力 V展」よりロベール・ドアノー作品のご紹介です。
「レンズは主観的だ。この世界をあるがままに示すのではない。私が気持ちよく感じ、人々が親切で、私が受けたいと思うやさしさがある世界だ。私の写真はそんな世界が存在しうることの証明なのだ。」
自作についてこのように語ったロベール・ドアノーは、パリの街や郊外において、一般市民の混沌とした日常生活のなかで起きる、予想できない奇跡的な瞬間をユーモアと情念を持って撮影し続けます。
その作品からは暖かなものが伝わってきます。街の中の人物、建物、背景などを前に「感嘆する瞬間」が訪れるのを忍耐強く待ち、「永遠から獲得した数分のうちの一秒」をカメラにおさめたのでした。
ロベール・ドアノー
「斜めの視線」
1948(Printed in 1978)
Gelatin Silver Print
50.7x60.8cm
ドアノー作品の中でもよく知られた作品です。
画廊のウィンドウ越しに立っている夫婦。夫人が作品を観ながら何やら夫に熱く語っていますが、夫はというと話を聞いているふり（？）をしながら実は横に掛かっている裸婦の絵をチラ見しています。
ユーモアと物語性に富み、二人の視線の交錯と温度差が実に印象的です。
ロベール・ドアノー
「Les cantinieres be la foi」
1950
Gelatin Silver Print
30.5x40.5cm
Signed
代わってこちらはあまり知られていない作品かもしれません。
何十人ものシスター達が石畳の上を行進するかの如く歩いています。
一見するとパレードか何かかと思いますが、同じ修道服に身を包んだシスター達には表情があまり無く、賑やかな雰囲気とは程遠いような気もしてきます。
●山梨の清里フォトアートミュージアムで「ロベール・ドアノーの写真 パリ・アルプス・幸せな時間」展が開催中です。
会期：2014年7月5日[土]―9月29日[月]
会場：清里フォトアートミュージアム
山梨県北杜市高根町清里3545-1222 Tel. 0551-48-5999
1994年に亡くなったロベール・ドアノーは市井の人々のかけがえのない一瞬や、心に沁み入る瞬間をとらえる類希な洞察力によって、日常のドラマを写真に紡ぎ、独自の世界を築いた写真家として、時代や国境を越えて、人々を魅了し続けています。代表作《パリ市庁舎前のキス》（1950年）は、世界で最も良く知られた写真の一枚でしょう。
生涯で約45万点のネガを残しましたが、近年は、その膨大なアーカイヴから、様々な新機軸による展覧会・出版によってますます評価が高騰しています。
■ロベール・ドアノー Robert DOISNEAU（1912-1994）
1912年パリ郊外のジョンティイ生まれ。印刷会社でリトグラフの仕事を経験後、1931年写真家に転向。1934年ルノー自動車で広告、工業写真家として勤務し、1939年に独立するが、すぐに召集を受ける。パリ陥落後はレジスタンス活動に加わる。戦後は1946年にラフォ通信社に参加し、フリー写真家として「パリ・マッチ」などのフォトジャーナリズム分野で活躍。一方、1948年から1952年まではファッション誌の「ヴォーグ」の仕事も行う。
パリの庶民生活をエスプリを持って撮影し、もっともフランス的な写真家として根強い人気がある。1947年にコダック賞、1956年にニエペス賞を受賞。また、シカゴ美術館(1960年)、フランス国立図書館(1968年)、ジョージ・イーストマン・ハウス(1972年)をはじめ世界中の主要美術館で回顧展が開催されています。1994年、歿。
◆ときの忘れものは「銀塩写真の魅力 V展」を開催しています。
会期＝2014年8月20日[水]―8月30日[土]
12:00-19:00 ※会期中無休
銀塩写真のモノクロームプリントが持つ豊かな表現力と創造性をご覧いただくシリーズも5回目となります。本展では下記出品作家の作品25点をご覧いただきます。
出品作家：ボブ・ウィロビー、ロベール・ドアノー、エドワード・スタイケン、ウィージー、ジェリー・N・ユルズマン、鬼海弘雄、西村多美子、小林紀晴、中藤毅彦、大竹昭子、楢橋朝子、植田正治、細江英公、五味彬、小栗昌子、百瀬恒彦
（マン・レイイスト 石原輝雄さんのブログより）
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現在開催中の「銀塩写真の魅力 V展」よりロベール・ドアノー作品のご紹介です。
「レンズは主観的だ。この世界をあるがままに示すのではない。私が気持ちよく感じ、人々が親切で、私が受けたいと思うやさしさがある世界だ。私の写真はそんな世界が存在しうることの証明なのだ。」
自作についてこのように語ったロベール・ドアノーは、パリの街や郊外において、一般市民の混沌とした日常生活のなかで起きる、予想できない奇跡的な瞬間をユーモアと情念を持って撮影し続けます。
その作品からは暖かなものが伝わってきます。街の中の人物、建物、背景などを前に「感嘆する瞬間」が訪れるのを忍耐強く待ち、「永遠から獲得した数分のうちの一秒」をカメラにおさめたのでした。
ロベール・ドアノー「斜めの視線」
1948(Printed in 1978)
Gelatin Silver Print
50.7x60.8cm
ドアノー作品の中でもよく知られた作品です。
画廊のウィンドウ越しに立っている夫婦。夫人が作品を観ながら何やら夫に熱く語っていますが、夫はというと話を聞いているふり（？）をしながら実は横に掛かっている裸婦の絵をチラ見しています。
ユーモアと物語性に富み、二人の視線の交錯と温度差が実に印象的です。
ロベール・ドアノー「Les cantinieres be la foi」
1950
Gelatin Silver Print
30.5x40.5cm
Signed
代わってこちらはあまり知られていない作品かもしれません。
何十人ものシスター達が石畳の上を行進するかの如く歩いています。
一見するとパレードか何かかと思いますが、同じ修道服に身を包んだシスター達には表情があまり無く、賑やかな雰囲気とは程遠いような気もしてきます。
●山梨の清里フォトアートミュージアムで「ロベール・ドアノーの写真 パリ・アルプス・幸せな時間」展が開催中です。
会期：2014年7月5日[土]―9月29日[月]
会場：清里フォトアートミュージアム
山梨県北杜市高根町清里3545-1222 Tel. 0551-48-5999
1994年に亡くなったロベール・ドアノーは市井の人々のかけがえのない一瞬や、心に沁み入る瞬間をとらえる類希な洞察力によって、日常のドラマを写真に紡ぎ、独自の世界を築いた写真家として、時代や国境を越えて、人々を魅了し続けています。代表作《パリ市庁舎前のキス》（1950年）は、世界で最も良く知られた写真の一枚でしょう。
生涯で約45万点のネガを残しましたが、近年は、その膨大なアーカイヴから、様々な新機軸による展覧会・出版によってますます評価が高騰しています。
■ロベール・ドアノー Robert DOISNEAU（1912-1994）
1912年パリ郊外のジョンティイ生まれ。印刷会社でリトグラフの仕事を経験後、1931年写真家に転向。1934年ルノー自動車で広告、工業写真家として勤務し、1939年に独立するが、すぐに召集を受ける。パリ陥落後はレジスタンス活動に加わる。戦後は1946年にラフォ通信社に参加し、フリー写真家として「パリ・マッチ」などのフォトジャーナリズム分野で活躍。一方、1948年から1952年まではファッション誌の「ヴォーグ」の仕事も行う。
パリの庶民生活をエスプリを持って撮影し、もっともフランス的な写真家として根強い人気がある。1947年にコダック賞、1956年にニエペス賞を受賞。また、シカゴ美術館(1960年)、フランス国立図書館(1968年)、ジョージ・イーストマン・ハウス(1972年)をはじめ世界中の主要美術館で回顧展が開催されています。1994年、歿。
◆ときの忘れものは「銀塩写真の魅力 V展」を開催しています。
会期＝2014年8月20日[水]―8月30日[土]
12:00-19:00 ※会期中無休
銀塩写真のモノクロームプリントが持つ豊かな表現力と創造性をご覧いただくシリーズも5回目となります。本展では下記出品作家の作品25点をご覧いただきます。出品作家：ボブ・ウィロビー、ロベール・ドアノー、エドワード・スタイケン、ウィージー、ジェリー・N・ユルズマン、鬼海弘雄、西村多美子、小林紀晴、中藤毅彦、大竹昭子、楢橋朝子、植田正治、細江英公、五味彬、小栗昌子、百瀬恒彦
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