磯崎新設計の中上邸イソザキホールのオーナーとして、オノサト・トシノブ、難波田龍起、泉茂、元永定正、野田哲也、岡本太郎、木村利三郎、丹阿弥丹波子、吉原英雄、関根伸夫、小野隆生、舟越桂、北川健次、土屋公雄など多くの作家を招き、福井県勝山でコレクター運動を主導した中上光雄先生が1月27日に逝去されました。
享年88でした。

故・陽子夫人とともに集められた瑛九などコレクションの一部が福井県立美術館で「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み―中上光雄・陽子コレクションによる―」として展示されています。

＜先日は、有意義な旅をありがとうございました。
特に中上邸では、建築のもたらす温かい力に感激しておりましたが、
施主である中上様の最後のパーティーに参加させていただいたことを知り、
胸が一杯になりました。
中上光雄先生のぬくもりを、アートフル勝山の会やご家族の皆さまを通じて、感じることが出来、改めて光栄に存じます。
先生のご冥福を心からお祈りいたします。＞
（「現代美術と磯崎建築～北陸の冬を楽しむツアー」参加者Ｋさんより）

2015年1月24日夜（浜田宏司撮影）
中上邸イソザキホール

＜中上先生の訃報には驚かされました。
会食の席上、ご子息が「賑やかなことが好きなので、この席に参加できないことが残念でならないでしょう」とおっしゃっていましたが、来客を気遣う配慮に言葉もありません。＞
（「現代美術と磯崎建築～北陸の冬を楽しむツアー」参加者Ｈさんより）

1月24日夜、福井県勝山市の中上邸イソザキホールで開催されたアートフル勝山の会主催のレセプションでは、アートフル会員、中上家の皆さん、そして東京他からの15名のツアー参加者など40名が、中上先生のお人柄やコレクションについて語り合いあいました。磯崎建築の傑作（植田実）の豊かな内部空間が初対面の人たちの和やかな雰囲気を盛り上げておりました。
実はご家族の皆さんは、中上先生の余命が僅かであることを医師から告げられていたのですが、そのことは一切伏せて、「父も喜んでいます」と遠来の私たちを暖かく迎えてくださったのでした。

1974年以来、中上先生は奥様とともに私たちの支えとなり、どんなときにも励まし続けてくださいました。
生前のご厚情を謝し、心よりご冥福をお祈りいたします。

通夜（30日18時～）、告別式（31日10時～）は勝山市の白山苑（福井県勝山市片瀬町）にて執り行われます。

左から中上陽子、舟越桂、中上光雄、荒井由泰
1993年10月

下中央から時計回りに、中上光雄、荒井由泰、荒井多恵子、中上陽子、綿貫令子、浪川和江、綿貫不二夫
1995年10月
（撮影：浪川正男）


磯崎新設計
中上邸イソザキホール
（1983年竣工　撮影：古舘克明）
この建物誕生については亭主の回想をお読みください。

●『福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み
―中上光雄・陽子コレクションによる―』図録
2015年　96ページ　25.7x18.3cm
発行：中上邸イソザキホール運営委員会（荒井由泰、中上光雄、中上哲雄、森下啓子）
出品作家：北川民次、難波田龍起、瑛九、岡本太郎、オノサト・トシノブ、泉茂、元永定正、 木村利三郎、丹阿弥丹波子、吉原英雄、靉嘔、磯崎新、池田満寿夫、野田哲也、関根伸夫、小野隆生、舟越桂、北川健次、土屋公雄（19作家150点）
執筆：西村直樹（福井県立美術館学芸員）、荒井由泰（アートフル勝山の会代表）、野田哲也（画家）、丹阿弥丹波子（画家）、北川健次（美術家・美術評論）、綿貫不二夫（ときの忘れもの）
編集：ときの忘れもの

価格：1,200円のところ、会期中のみ1,000円で頒布
※送料別途250円
ときの忘れもので扱っています。メールにてお申し込みください。
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先（住所）」を明記してください。

「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み
―中上光雄・陽子コレクションによる―」
会期：2015年1月3日[土]～2月8日[日]
主催：福井県立美術館


出品作家：北川民次、難波田龍起、瑛九、岡本太郎、オノサト・トシノブ、泉茂、元永定正、 木村利三郎、丹阿弥丹波子、吉原英雄、靉嘔、磯崎新、池田満寿夫、野田哲也、関根伸夫、小野隆生、舟越桂、北川健次、土屋公雄
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◆2015年1月24日～25日「現代美術と磯崎建築～北陸の冬を楽しむツアー」
石原輝雄さんの体験記
浜田宏司さんの体験記
酒井実通男さんの体験記
◆福井県勝山の磯崎新設計「中上邸イソザキホール」については亭主の回想「台所なんか要りませんから」をお読みください。