若い頃からせっかちでおっちょこちょいで短気だった。
学生時代、友人たちから「たんき(たぬき=綿貫)は損気」とからかわれた。
仕事の上での失敗は数知れず、スタッフたちも亭主の短気に随分泣かされた(に違いない、ゴメンナサイ)。
歳をとっていいことは、いくらせっかちに考えても「からだがいうことをきかない」という事態に直面して、いやでものんびりせざるを得ないことである。
おかげで他人様のせっかちを余裕をもって見られるようになった。

若い頃、面と向かって「ワタヌキさん、せっかちだねえ。それじゃあ人は動かんよ」と直言してくれたのが、三歳上のわが師匠・関根伸夫先生でした。
現代美術のゲの字も知らず美術界に飛び込んだ亭主に、そのイロハを懇切丁寧に教えてくれ、現代版画センター時代の軍師のごとき存在でした。
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今はロスに住み、制作活動されている関根先生が先日、画廊に来られました。
ちょうど福井県からアートフル勝山の会の荒井由泰さんも上京され、旧交をあたためました。
前列左が関根先生、右が荒井さん。

DSCF4443_600スタッフたちとの会食では昨年のロスの個展や、亭主と珍道中を繰り広げた昔話(1975年『島州一・関根伸夫全国展 クロスカントリー7500km』)に花が咲きました。
因みに右端のドイツ人は昨年末退職した李の推薦で入社した新スタッフのバルテルです。ドイツ語、フランス語、英語、そして日本語が実に堪能です。何しろ専門が日本の近世美術で円山応挙ときている、おそるべき人材です。

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1975年
『島州一・関根伸夫全国展 クロスカントリー7500km』
(クリックしてください)

今年はミラノで「もの派」展が予定されており、秋には同じくミラノで個展を開催する関根先生のますますのご活躍を期待しましょう。

●今日のお勧めは1982年に亭主がエディションした関根伸夫先生の秀作(亭主の自画自賛)です。
関根ピラミッド
関根伸夫
ピラミッドの頂き
1982年 ステンレス・彫刻
H20×15×30cm
Ed.30 signed

関根伸夫 点
関根伸夫 Nobuo SEKINE
大地の点
1982年
ステンレス・レリーフ
35.0x31.5x2.0cm
Ed.30  signed

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関根伸夫 Nobuo SEKINE
紫のパレットのproject
1982年
銅版
60.0×45.0cm
Ed.50 Signed

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