ときの忘れもののブログは一年365日更新しています。
毎日更新するのはたいへんですが、研究者、コレクター、作家など豪華執筆陣のご尽力で、一日も欠かさず情報発信を続けています。
もちろん読者あってのブログで、たくさんの方に読んでいただいていることが執筆者の皆さんのモチベーションを維持する源となっています。
20年近く前、次男の拓野がホームページの開設を言い出したのが始めです。
次男「父さん、きっとネットで絵を買う時代が来るよ」
亭主「誰が実物も見ずに買うもんか」
次男「じゃあ、どうやって父さんは世界中の人たちに絵を紹介していくの」
亭主「・・・・・・」
次男「ネットで発信すれば世界中の人が父さんの扱う絵を知ることができるのに」
亭主「誰がその費用を払うんだよ!」
次男「ただだよ」
亭主「えっ? アメリカに電話したら高額な電話代がかかるんだよ、まして世界中に発信したら、いったいいくらかかると思うんだ!」
次男「だから、ただだよ」
てな頓珍漢なやりとりがありまして、結局ホームページ、ブログの開設は息子にときどき飯を食わせるという安上がりな費用で解決しました。
その後のシステム維持は長男に引き継がれ、今日に至っていますが、最初の頃はもちろん何の反応もなく、ときに挫けそうになる亭主に息子たちが叱咤激励した言葉は以下の三つでした。
「とにかく何でもいいから毎日更新、発信し続けること」
「コンテンツを豊富にすること」
「コピペせずにオリジナルな内容を発信すること」
理系の彼らにはネットの世界がよく見えていたのでしょう。
毎日更新するにはネタが必要ですが、業界付き合いもほとんどない亭主には読者の皆さんを満足させる話題の仕入先もありません。ときどき穴埋めに書く駄文もそろそろ飽きられてきたでしょう。
毎月の締め切りをきちんと守り、素敵な原稿を送ってくれる執筆者の皆さんがいなければ毎日どころか一週間に一度の更新すらままならない。
1日は大竹昭子さん、3日はfrgmの皆さん、5日は石原輝雄さん、8日は笹沼俊樹さん、11日は芳賀言太郎さん、13日は土渕信彦さん、15日は野口琢郎さん、20日は井桁裕子さん、25日は小林美香さん、28日は森本悟郎さんに加え、我が社のスタッフS(26日掲載)の11人が現在の定期執筆者です。
大竹昭子さんのように既にここでの連載が単行本として出版されたものもあります。
今まで締め切りに間に合わず(それもよんどころ無い事情で)掲載日を順延したのが1~2回ありましたが、ほとんどの場合、きちんと原稿が送られてきます。手書きの方もいますし、テキスト化して添付の画像を掲載するのはスタッフたちの仕事ですが、それぞれの分野で一家言を持つ方々の原稿を丁寧に読むことがそのまま社員教育になっており、この点でも執筆者の皆さんには感謝しています。
これら11人の定期執筆者の他に、不定期で執筆をお願いしている方が何人かいらっしゃいます。
「いつでもいいですから、何か書いてくださいよ」とお会いする度に懇願するのですが、これが実に難しい。
どうやら「人間は締め切りがないと書かない(書けない)」らしいと気付いた次第です。
こうなったら「締め切り設定の定期執筆者」を増やす以外にない!
その第一弾は森下泰輔さんの「戦後・現代美術事件簿」です。
先日、東京都現代美術館で会田誠さんの作品の撤去(要請)問題があったばかりですが、別にそれに合わせたわけではなく、森下さんとは前回の連載エッセイ「私のAndy Warhol体験」が終了した直後から次回は現代美術が歩んできた中で<事件(スキャンダル)になってしまった>ものを取り上げましょうと打ち合わせを重ねてきました。
資料収集や原稿の準備で長い時間がかかり、ようやく連載開始にこぎつけました。
アート(表現)が官憲によって摘発される事例は「ろくでなしこ」さんや、レスリー・キーさんの事例よりはるかに昔からありました。
今となっては「どうしてこんなのが」と思われることが多いのですが、私たち画商にとっては明日はわが身となりかねません。
明日18日から連載開始です。
第二弾は9月から建築についての新連載で、若い女性研究者にお願いしています。
どうぞご期待ください。
●ときの忘れもののブログで素晴らしいエッセイを掲載してくれる(でも近頃はちっとも書いてくれない)コレクター ・深野一朗さんが主宰していたJIKKA(実家)というノンプロフィットギャラリー(貸し画廊ではありません)が3年間の華々しい活動を終えて8月1日でクローズしました。コレクター深野の次なる舞台はどこなのでしょうか。とても期待しています。
最後の個展は多田圭祐さんでした。
多田圭祐 Keisuke TADA
"trace/sticker/figure"
2015年
コットンにアクリル
412x412x40mm
Signed
◆ときの忘れもののブログは下記の皆さんのエッセイを連載しています。
・大竹昭子のエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・frgmの皆さんによるエッセイ「ルリユール 書物への偏愛」は毎月3日の更新です。
・石原輝雄のエッセイ「マン・レイへの写真日記」は毎月5日の更新です。
・笹沼俊樹のエッセイ「現代美術コレクターの独り言」は毎月8日の更新です。
・芳賀言太郎のエッセイ「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」は毎月11日の更新です。
・土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」は毎月13日の更新です。
・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
・森下泰輔の新連載エッセイ「戦後・現代美術事件簿」は8月18日から始まります。
・井桁裕子のエッセイ「私の人形制作」は毎月20日の更新です。
・小林美香のエッセイ「母さん目線の写真史」は毎月25日の更新です。
・「スタッフSの海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。
・森本悟郎のエッセイ「その後」は毎月28日の更新です。
・植田実のエッセイ「美術展のおこぼれ」は、更新は随時行います。
同じく植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」は終了しました。
「本との関係」などのエッセイのバックナンバーはコチラです。
・「美術館に瑛九を観に行く」は随時更新します。
・飯沢耕太郎のエッセイ「日本の写真家たち」は英文版とともに随時更新します。
・浜田宏司のエッセイ「展覧会ナナメ読み」は随時更新します。
・深野一朗のエッセイは随時更新します。
・「久保エディション」(現代版画のパトロン久保貞次郎)は随時更新します。
・「殿敷侃の遺したもの」はゆかりの方々のエッセイ他を随時更新します。
・故・木村利三郎のエッセイ、70年代NYのアートシーンを活写した「ニューヨーク便り」の再録掲載は終了しました。
・故・針生一郎の「現代日本版画家群像」の再録掲載は終了しました。
・故・難波田龍起のエッセイ「絵画への道」の再録掲載は終了しました。
・森下泰輔のエッセイ「私のAndy Warhol体験」は終了しました。
・ときの忘れものでは2014年からシリーズ企画「瀧口修造展」を開催し、関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
・「現代版画センターの記録」は随時更新します。新たに1974年10月7日の「現代版画センターのエディション発表記念展」オープニングの様子を掲載しました。
今までのバックナンバーはコチラをクリックしてください。
毎日更新するのはたいへんですが、研究者、コレクター、作家など豪華執筆陣のご尽力で、一日も欠かさず情報発信を続けています。
もちろん読者あってのブログで、たくさんの方に読んでいただいていることが執筆者の皆さんのモチベーションを維持する源となっています。
20年近く前、次男の拓野がホームページの開設を言い出したのが始めです。
次男「父さん、きっとネットで絵を買う時代が来るよ」
亭主「誰が実物も見ずに買うもんか」
次男「じゃあ、どうやって父さんは世界中の人たちに絵を紹介していくの」
亭主「・・・・・・」
次男「ネットで発信すれば世界中の人が父さんの扱う絵を知ることができるのに」
亭主「誰がその費用を払うんだよ!」
次男「ただだよ」
亭主「えっ? アメリカに電話したら高額な電話代がかかるんだよ、まして世界中に発信したら、いったいいくらかかると思うんだ!」
次男「だから、ただだよ」
てな頓珍漢なやりとりがありまして、結局ホームページ、ブログの開設は息子にときどき飯を食わせるという安上がりな費用で解決しました。
その後のシステム維持は長男に引き継がれ、今日に至っていますが、最初の頃はもちろん何の反応もなく、ときに挫けそうになる亭主に息子たちが叱咤激励した言葉は以下の三つでした。
「とにかく何でもいいから毎日更新、発信し続けること」
「コンテンツを豊富にすること」
「コピペせずにオリジナルな内容を発信すること」
理系の彼らにはネットの世界がよく見えていたのでしょう。
毎日更新するにはネタが必要ですが、業界付き合いもほとんどない亭主には読者の皆さんを満足させる話題の仕入先もありません。ときどき穴埋めに書く駄文もそろそろ飽きられてきたでしょう。
毎月の締め切りをきちんと守り、素敵な原稿を送ってくれる執筆者の皆さんがいなければ毎日どころか一週間に一度の更新すらままならない。
1日は大竹昭子さん、3日はfrgmの皆さん、5日は石原輝雄さん、8日は笹沼俊樹さん、11日は芳賀言太郎さん、13日は土渕信彦さん、15日は野口琢郎さん、20日は井桁裕子さん、25日は小林美香さん、28日は森本悟郎さんに加え、我が社のスタッフS(26日掲載)の11人が現在の定期執筆者です。
大竹昭子さんのように既にここでの連載が単行本として出版されたものもあります。
今まで締め切りに間に合わず(それもよんどころ無い事情で)掲載日を順延したのが1~2回ありましたが、ほとんどの場合、きちんと原稿が送られてきます。手書きの方もいますし、テキスト化して添付の画像を掲載するのはスタッフたちの仕事ですが、それぞれの分野で一家言を持つ方々の原稿を丁寧に読むことがそのまま社員教育になっており、この点でも執筆者の皆さんには感謝しています。
これら11人の定期執筆者の他に、不定期で執筆をお願いしている方が何人かいらっしゃいます。
「いつでもいいですから、何か書いてくださいよ」とお会いする度に懇願するのですが、これが実に難しい。
どうやら「人間は締め切りがないと書かない(書けない)」らしいと気付いた次第です。
こうなったら「締め切り設定の定期執筆者」を増やす以外にない!
その第一弾は森下泰輔さんの「戦後・現代美術事件簿」です。
先日、東京都現代美術館で会田誠さんの作品の撤去(要請)問題があったばかりですが、別にそれに合わせたわけではなく、森下さんとは前回の連載エッセイ「私のAndy Warhol体験」が終了した直後から次回は現代美術が歩んできた中で<事件(スキャンダル)になってしまった>ものを取り上げましょうと打ち合わせを重ねてきました。
資料収集や原稿の準備で長い時間がかかり、ようやく連載開始にこぎつけました。
アート(表現)が官憲によって摘発される事例は「ろくでなしこ」さんや、レスリー・キーさんの事例よりはるかに昔からありました。
今となっては「どうしてこんなのが」と思われることが多いのですが、私たち画商にとっては明日はわが身となりかねません。
明日18日から連載開始です。
第二弾は9月から建築についての新連載で、若い女性研究者にお願いしています。
どうぞご期待ください。
●ときの忘れもののブログで素晴らしいエッセイを掲載してくれる(でも近頃はちっとも書いてくれない)コレクター ・深野一朗さんが主宰していたJIKKA(実家)というノンプロフィットギャラリー(貸し画廊ではありません)が3年間の華々しい活動を終えて8月1日でクローズしました。コレクター深野の次なる舞台はどこなのでしょうか。とても期待しています。
最後の個展は多田圭祐さんでした。
多田圭祐 Keisuke TADA"trace/sticker/figure"
2015年
コットンにアクリル
412x412x40mm
Signed
◆ときの忘れもののブログは下記の皆さんのエッセイを連載しています。
・大竹昭子のエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・frgmの皆さんによるエッセイ「ルリユール 書物への偏愛」は毎月3日の更新です。
・石原輝雄のエッセイ「マン・レイへの写真日記」は毎月5日の更新です。
・笹沼俊樹のエッセイ「現代美術コレクターの独り言」は毎月8日の更新です。
・芳賀言太郎のエッセイ「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」は毎月11日の更新です。
・土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」は毎月13日の更新です。
・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
・森下泰輔の新連載エッセイ「戦後・現代美術事件簿」は8月18日から始まります。
・井桁裕子のエッセイ「私の人形制作」は毎月20日の更新です。
・小林美香のエッセイ「母さん目線の写真史」は毎月25日の更新です。
・「スタッフSの海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。
・森本悟郎のエッセイ「その後」は毎月28日の更新です。
・植田実のエッセイ「美術展のおこぼれ」は、更新は随時行います。
同じく植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」は終了しました。
「本との関係」などのエッセイのバックナンバーはコチラです。
・「美術館に瑛九を観に行く」は随時更新します。
・飯沢耕太郎のエッセイ「日本の写真家たち」は英文版とともに随時更新します。
・浜田宏司のエッセイ「展覧会ナナメ読み」は随時更新します。
・深野一朗のエッセイは随時更新します。
・「久保エディション」(現代版画のパトロン久保貞次郎)は随時更新します。
・「殿敷侃の遺したもの」はゆかりの方々のエッセイ他を随時更新します。
・故・木村利三郎のエッセイ、70年代NYのアートシーンを活写した「ニューヨーク便り」の再録掲載は終了しました。
・故・針生一郎の「現代日本版画家群像」の再録掲載は終了しました。
・故・難波田龍起のエッセイ「絵画への道」の再録掲載は終了しました。
・森下泰輔のエッセイ「私のAndy Warhol体験」は終了しました。
・ときの忘れものでは2014年からシリーズ企画「瀧口修造展」を開催し、関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
・「現代版画センターの記録」は随時更新します。新たに1974年10月7日の「現代版画センターのエディション発表記念展」オープニングの様子を掲載しました。
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