1950年代から前衛美術運動に参加、幅広い分野で半世紀にわたり活躍したS氏と、同じく50年代から現代美術を蒐集してきた国際派の経済人F氏のコレクションから78点を入札方式で頒布した「戦後の前衛美術'50～'70 PartII S氏&F氏コレクションより」は、おかげさまで好評のうちに一昨日終了いたしました。



最終日12月5日にはたくさんのお客様が来廊し、入札に参加されました。
Ｓ氏とＦ氏という、お名前を言えばどなたでもご存知のお二人は亭主にとっても大恩人であり、年末のあわただしい時期に少しでも「コレクションの物語」を楽しんでいただけたらと企画した展示でしたが、そのコレクションからはおのずとにじみ出る個性がうかがわれ、幾度も来廊され、じっくりと作品をご覧になる方も少なくありませんでした。
展示の中心となった1950～70年代の作品が、あの時代にどのような位置を占めていたのか、作家とコレクターの物語をわかる範囲で皆様に伝えることが亭主の役目と思い、会期中数日は寝込んでしまいましたが、極力店番に精を出し、拙い説明を繰り返したのですが果たして効果があったのやら。
来場された皆様、入札してくださったお客様には心より御礼申し上げます。

出品作品中で最も入札票の多かったのは、松澤宥とミロでした。
スーラージュやマーク・トビーなど、今の若い世代には馴染みのない（だろう）本格派の作品に多くの入札があったことは、「ときの忘れもの」ならではと自画自賛しています。
松澤宥
『松澤宥 ψ（プサイ）の函』
1983年 造形社行
監修：ヨシダヨシエ、デザイン：芦澤泰偉、英訳：成田英明
30.6x30.2cm
Ed.350　サインあり

ジョアン・ミロ
（作品）
c.1959年
リトグラフ、手彩色
イメージサイズ：13.1×38.9cm
Ed. X サインあり

展示風景

ピエール・スーラージュ
《エッチング XI》
1957年
銅版
イメージサイズ：39.4x39.8cm
シートサイズ：65.6×50.1cm
サインあり、献辞あり

マーク・トビー
（作品）
1964年
水彩
イメージサイズ：44.0x24.5cm
サインあり、献辞あり

入札者は海外をはじめ、北海道から九州まで広範囲にわたりました。
78点中、56点が落札され、落札者にはもちろん、入札者全員に郵便で結果をお知らせしています。
落札された方への発送は極力迅速に進めますが、少々のお時間をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

ありがとうございました。