昨日、伺ったSです。悪僧も今週で見納めかと思い伺ったのですが、昨日のブログで2点目も入手とのこと、とても驚き喜んでおります。
恐る恐る伺いますが、1/20はもう売約済でしょうか 駒井ファンとしてコレクションのレベルアップを図りたいと思っていますが、在庫の有無をお知らせ下さい

こういうメールをいただくと、画商冥利に尽きます(嬉し涙)。
先日いらした作家の方から、「今の学生は駒井さんを知らない」という話を聞いたばかりで、「悪僧」が二枚も手に入ったと有頂天になっている亭主はいったいなんなんだ・・・・とひとりしょぼくれておりました。
山口長男、駒井哲郎らの名作と過ごせるのもあと数日、しっかりと眼に焼き付けておきましょう。
お客様にもぜひお見逃しなきよう、来廊をお待ちしています。

先週はスタッフの韓国出張の留守を社長と亭主はフルタイム出勤で乗り切ったのですが、やはり歳で疲労困憊。社長は歯にきてしまい、痛みをこらえていたらしいのですが、遂に昨日歯医者へ。3本も抜く羽目になりました。亭主と違って我慢強いのが社長の欠点であります。

さて、昭和初期の長崎で写真館を営んでいた井手傅次郎が撮った写真を集めた本が、傅次郎の孫・根本千絵さんによって出版されました。
ご家族の歴史をご家族の手でまとめられた、それも傳次郎さんの写真が残されていたからこそ、まさに写真の力を感じる一冊です。
自費出版のため一般の書店での取り扱いはないとのことですが、ときの忘れもので販売させていただくことになりました。
どうぞご注文ください。

『長崎・響写真館』根本千絵
『長崎・幻の響写真館―井手傅次郎と八人兄妹物語―』

2016年
254ページ
25.7x18.2cm
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目次(抄):
・八月九日 雲の切れ間
・八人兄妹と響写真館
・四男 清明―昭和六年生まれ
・五男 徹生―昭和八年生まれ
・三女 美夜―昭和十一年生まれ
・長男 桃太郎―大正九年生まれ 妻 睦子―昭和二年生まれ
・長崎へ
・ガラス乾板
・謎の兄さんと伝説の暴君―幸蔵・泉・清明三兄弟会談
・次男 幸蔵―大正十一年生まれ
・三男 泉―昭和五年生まれ
・井手傅次郎と古賀梅子―響写真館開館まで
・長崎から多良へ
・八月九日
・多良から奈良へ
・風景を失った少女たち
・あとがき

著者からのメッセージ
昭和2年長崎片淵町に井手傅次郎が開設した響写真館は、高い写真技術とモダンな調度が女性たちにも人気で、高い評判を得ました。井手傅次郎が生前出版した写真画集『長崎』『島原・雲仙』と写真の一部は、平成14年に東京都写真美術館に寄贈しました。
私の母・夏木は井手家の八人兄妹の長女ですが、77才で亡くなるまで原爆のことを何も語りませんでした。被爆手帳の被爆年齢17歳の文字を見た時、17才の少女が失った風景の中で何を思ったのか、母が語らなかった物語をおじおばたちに聞き書きする私の旅が始まりました。高齢の老人たちが曖昧な記憶の中から語ってくれた細切れな記憶をパッチワークのように繋ぐと、昭和2年から18年の長崎に、わずか16年間だけ存在した幻のような響写真館と井手家の子供たちの愉快な暮らしぶりが浮かびあがってきたのです。
取材の途中で見つかったガラス乾板(ガラスのネガ)1300枚の中から選んだ写真を180枚近く使って、長崎design heheの山崎加代子さんが、贅沢な本に仕上げてくれました。デジカメの現代でも、最近は若い方に銀塩写真の質感が見直されているそうです。井手傅次郎撮影の古き良き長崎の風景と珍しいガラス乾板の写真集として、また戦争に向かう時代の子どもたちの目から見た記録として、ぜひ若い方たちにも読んでいただきたいと思っています。なお本に掲載した長男・桃太郎が終戦の翌年撮った爆心地付近の写真は、出版を機に長崎原爆資料館に資料として寄贈しました。
お時間ある時に、ご高覧いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。
ねもと ちえ

■根本千絵 Chie NEMOTO(1956-)
東京都生まれ。詩人・谷川雁が立ち上げた宮沢賢治の童話を身体で表現する「ものがたり文化の会」主宰の一人。さまざまな世代の子どもたちとの対話を30年以上続けている。父・針生一郎は、美術評論家で「原爆の図 丸木美術館」館長。母・夏木は『授業を創る』誌編集長。平成19年(2007)より始めたブログ「かんからかんのかあん」の中で、おじ・おばの聞き書き『長崎八人兄妹物語』を随時発信。これが長崎新聞に紹介されたことがきっかけで、傅次郎の愛弟子・山崎喬の娘で長崎市在住のグラフィックデザイナー・山崎加代子と出逢い「響写真館」の末裔たちによる出版に向けての山あり谷ありの愉快なコラボが始まった。約10年近いやりとりを経て出版に至る。

●本日のお勧め作品はパウル・クレーです。
DSCF3756_600パウル・クレー Paul Klee
"Three Heads"

1919年
リトグラフ
イメージサイズ:12.1×14.8cm
シートサイズ:19.7×23.4cm
版上サイン
*1919年刊行の雑誌『Munchner Blatter』(ミュンヘナー・ブレッター)に挿入するために制作されたもので、
a)別刷りの100部(裏にテキストの印刷のないもの)と、
b)雑誌に挿入されたもの(裏にテキストが印刷されたもの、部数は不明)の2種類があり、a版、b版ともにサインは刷込みです。本作品はb版。

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