一年前の今日3月18日、トリシャ・ブラウン(Trisha Brown: 1936-2017)さんが亡くなりました。

2006年3月22日ときの忘れもの(青山)にて、左がトリシャ・ブラウンさん
トリシャブラウン(ドローイング 1999年)

中谷芙二子さんとトリシャ・ブラウン 於・彩の国さいたま芸術劇場
トリシャ・ブラウンさんが「トリシャ・ブラウン・ダンス・カンパニー」を率いて18年ぶりの来日公演(彩の国さいたま芸術劇場)をしたのは2006年3月のことでした。
公演に合わせてときの忘れものは日本に於けるはじめての展覧会「トリシャ・ブラウン ドローイング展―思考というモーション」を開催しました。
展覧会のカタログも兼ねた、これも日本では初めての本も出版しました。

『トリシャ・ブラウン―思考というモーション』
2006年 ときの忘れもの 発行
デザイン:北澤敏彦
編集:尾立麗子
執筆:トリシャ・ブラウン、岡崎乾二郎、スティーヴ・パクストン、マース・カニングハム、ウィリアム・フォーサイス、ジョナス・メカス、中谷芙ニ子、石井達朗、黒沢美香、岡田利規
112ページ A5版
価格:2,571円

著書にサインするトリシャ・ブラウン、手伝うのは入社間もない尾立麗子。於・ときの忘れもの(青山の二階)


2006年3月22日 左から、岡崎乾二郎、トリシャ・ブラウン、綿貫不二夫
~~~~~
私達は大きな悲しみと共に、アーティスト トリシャ・ブラウンが長年の闘病の末、3月18日にテキサス州サンアントニオで亡くなったことをお伝えします。息子、アダム・ブラウン、彼の妻エリン、4人の孫たちと兄妹であるゴードン・ブラウンとルイーザ・ブラウンに支えられた晩年でした。夫であるバルト・バー氏は2016年11月7日に亡くなっています。
トリシャは同世代の中でも最も有名で影響力を持つ振付師/舞踏家であり、彼女の画期的な作品は、アートの風景を永遠に変えてしまうものでした。1958年にミルズカレッジのダンス学部を卒業したトリシャは、1961年に生地であるワシントン州・アバディーンを離れニューヨークに訪れました。そこで彼女はアンナ・ハルプリンの教え子としてロバート・ダンの舞踊ワークショップ-後にジャッドソンダンスシアターを生み出す元となった-に参加し、1960年代のニューヨークを定義する多分野に渡る熱狂的な創造性の確立に多いに貢献しました。ダンスとカテゴリされる立ち振る舞いの枠を拡張することで、彼女は日常の中に非日常を見出し、決まり事やルールゲーム、自然な動きや即興を舞踏作品の制作に取り込んでいきました。
1970年のトリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーの設立後、ブラウンは40年に及ぶ長き時を絶え間ない芸術的調査と実験に費やしてきました。100を超える舞踊、6本のオペラ、そして多数の美術館やコレクションを飾ったグラフィック・アートを生み出したブラウンの最初期の作品は、ニューヨークのダウンタウン、ソーホーから始動しました。1970年代、ブラウンは独自の抽象的動作言語-彼女の独自業績の一つ-を作り上げましたが、アートギャラリー、美術館や国際的な展覧会こそが、最も重要な発表の場であり、同時に、ブラウンの確立した手法以外で美術館へ舞踊を導入する事は考えられないことでした。
ブラウンの動作語彙、そして彼女と彼女のダンサーたちが導入した新しい訓練方法は、国際的なダンスの実践において現在でも色濃く彼女の影響を残す遺産です。しかし、ブラウンにとってこれらのテクニックは目標達成の一手段にすぎず、舞踊の制作は連続して展開されました。
(2017年3月 トリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーのサイトより引用、翻訳:新澤悠)
~~~~~

青山時代のときの忘れもので、サインをするトリシャ・ブラウンさん。
かつての私たちの空間だった「青山Cube101」がドラマのロケ地として使用されました。
ドラマ名:「さまぁ~ずハウス」(シーズン1) 3. 「家探し」
Amazon prime 会員のみがご覧いただける「Prime Video」です。Amazon prime 会員の方はご覧いただけますが、会員でない方はご覧いただけませんのでご了承ください。
Amazonの Prime Videoから「さまぁ~ずハウス」と検索していただき、 3. 「家探し」をごご覧いただください。青山Cube101が写るのは16分頃です。



昨春、お亡くなりになったとき、あれだけの人ですからきっと追悼特集されるのではと思っていましたが、亭主の見聞する限り報道は小さいものでした。
コンテンポラリーダンスの開拓者としての大きな足跡はこれからも語り続けられるでしょう。青山時代のときの忘れものに奇跡のように舞い降りたトリシャ・ブラウンさんの美しい姿を忘れません。
あらためて心よりご冥福をお祈りいたします。
~~~~~~~
埼玉県立近代美術館の「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展にばかり集中してしまい、なかなか他の展覧会のご紹介ができず、申し訳ありません。
会期が短い二つの展覧会を取り急ぎご紹介します。
●ルリユール工房作品展

ルリユール工房ギャラリー展
会場:西武コミュニティ・カレッジ9階コミカレギャラリー
日程:3月14日(水)~3月26日(月)
10:00~20:00 (日曜・最終日は18:00まで)
生徒作品展
会場:ルリユール工房(22番教室)
会期:3月23日(金)~3月25日(日)
13:00~19:00(日曜は17:00まで)
社長がずっと通っている教室の先生方と生徒さんの展覧会です。
本好きの皆さんはぜひぜひお運びください。
ルリユールについてはこのブログで、frgmの皆さんに長期連載エッセイ「ルリユール 書物への偏愛」をぜひお読みください。
昨年までは生徒として社長も出品していたのですが、昨年来の引越し騒動ですっかり教室から遠ざかってしまい、今回は参加していません。
社長の唯一の息抜きの時間(毎週一回二時間ほど)なので、ぜひ再開して欲しいと我儘亭主からのお願いであります。
~~~~~~
●「芸術家の棲む家」
文化庁新進芸術家海外研修制度が始まってから50年。新進芸術家として海外で研修を行った建築家と芸術家のコラボレーションによる展覧会「芸術家の棲む家」が開催されています。


会期:2018年3月8日(木)~3月31日(土)
11:00~19:00 会期中無休
会場:BankART Studio NYK 3F
入場料:一般 1000円、大学生700円
フリーパス2500円
建築家、画家、彫刻家たちによる作品の展示があり、
バレエの部屋があり、
ピアノによる演奏や様々なパフォーマンスが繰り広げられる展覧会場は、
建築家と芸術家のコラボレーションによる祝祭空間となり、
展覧会場全体が芸術家の棲む家となります。
偶然にも、3月末で終了となるBankArt Studio NYK の空間で、
展覧会を開催させていただくことになりました。
この素晴らしい空間に、 是非、 足をお運びください。(堀川秀夫さんからのメールより)
・出展者
<建築>古谷 誠章、西森 陸雄、山岡 嘉彌、堀川 秀夫、戸室 太一、林 寛治、今永 和利、小泉 浩隆、原田 真宏、長田 直之、山口 尚之、霜田 亮祐、田辺 雄之、平瀬 有人、黒川 智之、石井 大五、細海 拓也
<美術>馬越 陽子、櫻井 淳一、内田 あぐり、坂口 紀代美、大野 由美子、多田 洋子、遠藤 研二、柳楽 晃太郎
<音楽>ひらやす かつこ、下山 静香、岡元 敦司
<舞踊>、根本 美香、カミユ
◆埼玉県立近代美術館で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が開催されています。現代版画センターと「ときの忘れもの」についてはコチラをお読みください。
詳細な記録を収録した4分冊からなるカタログは、ときの忘れもので扱っています。
会期:2018年1月16日(火)~3月25日(日)
現代版画センターは会員制による共同版元として1974年~1985年までの11年間に約80作家、700点のエディションを発表し、全国各地で展覧会、頒布会、オークション、講演会等を開催しました。本展では45作家、約280点の作品と、機関誌等の資料、会場内に設置した三つのスライド画像によりその全軌跡を辿ります。
【トークイベント】ウォーホルの版画ができるまで―現代版画センターの軌跡
日時:本日3月18日 (日) 14:00~16:30
第1部:西岡文彦 氏(伝統版画家 多摩美術大学教授)、聞き手:梅津元(当館学芸員)
第2部:石田了一 氏(刷師 石田了一工房主宰)、聞き手:西岡文彦 氏
場所:2階講堂
定員:100名 (当日先着順)/費用:無料
~~~
○<ひさびさの、美学校遠足◎
岡部さんの刷ったのいっぱいあった、
(20180212/fu__eeさんのinstagramより)>
○<埼玉県立近代美術館。シルクスクリーン版画の展示数が凄すぎる。貴重な機会。アートでのシルクスクリーンはやっぱり刺激をうける。縁あってここに出てくる人達と仕事が出来る環境は大事にしたい。
(20180207/k_s_k_rさんのinstagramより)>
○<現代版画センターの軌跡 #埼玉県立近代美術館 .
靉嘔さんの《I love you》が面白かったなあ。
いろんな表情があって楽しい。
表現を変えて愛を囁く。みたいな。
(20180316/poyo023さんのinstagramより)>
○<「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展に行ってきました。
靉嘔、瑛九、草間彌生、アンディー・ウォーホールなど、版画作品がたくさんあって見応えのある展覧会でした。
北浦和公園の噴水が音楽に乗って水飛沫を上げていました。ゆっくり鑑賞出来て良かったです。
(20180208/a_a427さんのinstagramより)>
○<そして朝ごパンを頂いた後、埼玉県立近代美術館へ、「版画の景色」を見にダッシュ。現代版画センターの1974〜85年の活動の軌跡を紹介した展覧会です。
関西でもお馴染みの先生方の作品もあり、見応えのあるものでした。
多くの作品、展覧会を手掛けた現代版画センターが、11年で倒産した事実、当時版画に求められていた事、自分が版で行なっていきたい事などなど、肌で感じる事が出来、版に従事する者として見て良かったです。
ではでは、銀座へダッシュで出勤致します!
「版画の景色」埼玉県立近代美術館〜3月25日まで
(20180217/chicamatsu_motokoさんのinstagramより)>
○西岡文彦さんの連載エッセイ「現代版画センターという景色」は1月24日、2月14日、3月14日の全3回掲載しました。
草創期の現代版画センターに参加された西岡さんが3月18日14時半~トークイベント「ウォーホルの版画ができるまでー現代版画センターの軌跡」に講師として登壇されます。
○光嶋裕介さんのエッセイ「身近な芸術としての版画について」(1月28日ブログ)
○荒井由泰さんのエッセイ「版画の景色―現代版画センターの軌跡展を見て」(1月31日ブログ)
○スタッフたちが見た「版画の景色」(2月4日ブログ)
○倉垣光孝さんと浪漫堂のポスター(2月8日ブログ)
○嶋﨑吉信さんのエッセイ~「紙にインクがのっている」その先のこと(2月12日ブログ)
○大谷省吾さんのエッセイ~「版画の景色-現代版画センターの軌跡」はなぜ必見の展覧会なのか(2月16日ブログ)
○植田実さんのエッセイ「美術展のおこぼれ 第47回」(3月4日ブログ)
○土渕信彦さんのエッセイ<埼玉県立近代美術館「版画の景色ー現代版画センターの軌跡」展を見て>(3月8日ブログ)
○現代版画センターに参加した刷り師たち(3月11日ブログ)
○現代版画センターの生みの親 井上房一郎と久保貞次郎(3月13日ブログ)
○塩野哲也さんの編集思考室シオング発行のWEBマガジン[ Colla:J(コラージ)]2018 2月号が展覧会を取材し、87~95ページにかけて特集しています。
○毎日新聞2月7日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は永田晶子さん、見出しは<「志」追った運動体>。
○3月4日のNHK日曜美術館のアートシーンで紹介されました。
○朝日新聞3月13日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は小川雪さん、見出は<版画に込めた情熱と実験精神>。
○月刊誌『建築ジャーナル』2018年3月号43ページに特集が組まれ、見出しは<運動体としての版画表現 時代を疾走した「現代版画センター」を検証する>。
○埼玉県立近代美術館の広報誌 ソカロ87号で1983年のウォーホル全国展が紹介されています。
○同じく、同館の広報誌ソカロ88号には栗原敦さん(実践女子大学名誉教授)の特別寄稿「現代版画センター運動の傍らでー運動のはるかな精神について」が掲載されています。
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○現代版画センターエディションNo.441 本田眞吾「Extension No.31」
現代版画センターのエディション作品を展覧会が終了する3月25日まで毎日ご紹介します。
本田眞吾
「Extension No.31」
1977年
凸版(刷り:作家自刷り)
37.0×50.0cm
Ed.50
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。

出品作家45名:靉嘔/安藤忠雄 /飯田善国/磯崎新/一原有徳/アンディ・ウォーホル/内間安瑆/瑛九/大沢昌助/岡本信治郎/小田襄/小野具定/オノサト・トシノブ/柏原えつとむ/加藤清之/加山又造/北川民次/木村光佑/木村茂/木村利三郎/草間彌生/駒井哲郎/島州一/菅井汲/澄川喜一/関根伸夫/高橋雅之/高柳裕/戸張孤雁/難波田龍起/野田哲也/林芳史/藤江民/舟越保武/堀浩哉 /堀内正和/本田眞吾/松本旻/宮脇愛子/ジョナス・メカス/元永定正/柳澤紀子/山口勝弘/吉田克朗/吉原英雄
◆ときの忘れものは「植田正治写真展ー光と陰の世界ーPart Ⅱ」を開催しています。
会期:2018年3月13日[火]―3月31日[土] 11:00-19:00
※日・月・祝日休廊(但し3月25日[日]は開廊)
昨年5月に開催した「Part I」に続き、1970年代~80年代に制作された大判のカラー作品や新発掘のポラロイド写真など約20点をご覧いただきます。

●書籍・カタログのご案内
『植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録
2018年3月8日刊行
ときの忘れもの 発行
24ページ
B5判変形
図版18点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:800円(税込)※送料別途250円

『植田正治写真展―光と陰の世界―Part I』図録
2017年
ときの忘れもの 発行
36ページ
B5判
図版33点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
価格:800円(税込)※送料別途250円
●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
新天地の駒込界隈についてはWEBマガジン<コラージ12月号>をお読みください。18~24頁にときの忘れものが特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

2006年3月22日ときの忘れもの(青山)にて、左がトリシャ・ブラウンさん

トリシャブラウン(ドローイング 1999年)

中谷芙二子さんとトリシャ・ブラウン 於・彩の国さいたま芸術劇場
トリシャ・ブラウンさんが「トリシャ・ブラウン・ダンス・カンパニー」を率いて18年ぶりの来日公演(彩の国さいたま芸術劇場)をしたのは2006年3月のことでした。
公演に合わせてときの忘れものは日本に於けるはじめての展覧会「トリシャ・ブラウン ドローイング展―思考というモーション」を開催しました。
展覧会のカタログも兼ねた、これも日本では初めての本も出版しました。

『トリシャ・ブラウン―思考というモーション』
2006年 ときの忘れもの 発行
デザイン:北澤敏彦
編集:尾立麗子
執筆:トリシャ・ブラウン、岡崎乾二郎、スティーヴ・パクストン、マース・カニングハム、ウィリアム・フォーサイス、ジョナス・メカス、中谷芙ニ子、石井達朗、黒沢美香、岡田利規
112ページ A5版
価格:2,571円

著書にサインするトリシャ・ブラウン、手伝うのは入社間もない尾立麗子。於・ときの忘れもの(青山の二階)


2006年3月22日 左から、岡崎乾二郎、トリシャ・ブラウン、綿貫不二夫
~~~~~
私達は大きな悲しみと共に、アーティスト トリシャ・ブラウンが長年の闘病の末、3月18日にテキサス州サンアントニオで亡くなったことをお伝えします。息子、アダム・ブラウン、彼の妻エリン、4人の孫たちと兄妹であるゴードン・ブラウンとルイーザ・ブラウンに支えられた晩年でした。夫であるバルト・バー氏は2016年11月7日に亡くなっています。
トリシャは同世代の中でも最も有名で影響力を持つ振付師/舞踏家であり、彼女の画期的な作品は、アートの風景を永遠に変えてしまうものでした。1958年にミルズカレッジのダンス学部を卒業したトリシャは、1961年に生地であるワシントン州・アバディーンを離れニューヨークに訪れました。そこで彼女はアンナ・ハルプリンの教え子としてロバート・ダンの舞踊ワークショップ-後にジャッドソンダンスシアターを生み出す元となった-に参加し、1960年代のニューヨークを定義する多分野に渡る熱狂的な創造性の確立に多いに貢献しました。ダンスとカテゴリされる立ち振る舞いの枠を拡張することで、彼女は日常の中に非日常を見出し、決まり事やルールゲーム、自然な動きや即興を舞踏作品の制作に取り込んでいきました。
1970年のトリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーの設立後、ブラウンは40年に及ぶ長き時を絶え間ない芸術的調査と実験に費やしてきました。100を超える舞踊、6本のオペラ、そして多数の美術館やコレクションを飾ったグラフィック・アートを生み出したブラウンの最初期の作品は、ニューヨークのダウンタウン、ソーホーから始動しました。1970年代、ブラウンは独自の抽象的動作言語-彼女の独自業績の一つ-を作り上げましたが、アートギャラリー、美術館や国際的な展覧会こそが、最も重要な発表の場であり、同時に、ブラウンの確立した手法以外で美術館へ舞踊を導入する事は考えられないことでした。
ブラウンの動作語彙、そして彼女と彼女のダンサーたちが導入した新しい訓練方法は、国際的なダンスの実践において現在でも色濃く彼女の影響を残す遺産です。しかし、ブラウンにとってこれらのテクニックは目標達成の一手段にすぎず、舞踊の制作は連続して展開されました。
(2017年3月 トリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーのサイトより引用、翻訳:新澤悠)
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青山時代のときの忘れもので、サインをするトリシャ・ブラウンさん。
かつての私たちの空間だった「青山Cube101」がドラマのロケ地として使用されました。
ドラマ名:「さまぁ~ずハウス」(シーズン1) 3. 「家探し」
Amazon prime 会員のみがご覧いただける「Prime Video」です。Amazon prime 会員の方はご覧いただけますが、会員でない方はご覧いただけませんのでご了承ください。
Amazonの Prime Videoから「さまぁ~ずハウス」と検索していただき、 3. 「家探し」をごご覧いただください。青山Cube101が写るのは16分頃です。



昨春、お亡くなりになったとき、あれだけの人ですからきっと追悼特集されるのではと思っていましたが、亭主の見聞する限り報道は小さいものでした。
コンテンポラリーダンスの開拓者としての大きな足跡はこれからも語り続けられるでしょう。青山時代のときの忘れものに奇跡のように舞い降りたトリシャ・ブラウンさんの美しい姿を忘れません。
あらためて心よりご冥福をお祈りいたします。
~~~~~~~
埼玉県立近代美術館の「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展にばかり集中してしまい、なかなか他の展覧会のご紹介ができず、申し訳ありません。
会期が短い二つの展覧会を取り急ぎご紹介します。
●ルリユール工房作品展

ルリユール工房ギャラリー展
会場:西武コミュニティ・カレッジ9階コミカレギャラリー
日程:3月14日(水)~3月26日(月)
10:00~20:00 (日曜・最終日は18:00まで)
生徒作品展
会場:ルリユール工房(22番教室)
会期:3月23日(金)~3月25日(日)
13:00~19:00(日曜は17:00まで)
社長がずっと通っている教室の先生方と生徒さんの展覧会です。
本好きの皆さんはぜひぜひお運びください。
ルリユールについてはこのブログで、frgmの皆さんに長期連載エッセイ「ルリユール 書物への偏愛」をぜひお読みください。
昨年までは生徒として社長も出品していたのですが、昨年来の引越し騒動ですっかり教室から遠ざかってしまい、今回は参加していません。
社長の唯一の息抜きの時間(毎週一回二時間ほど)なので、ぜひ再開して欲しいと我儘亭主からのお願いであります。
~~~~~~
●「芸術家の棲む家」
文化庁新進芸術家海外研修制度が始まってから50年。新進芸術家として海外で研修を行った建築家と芸術家のコラボレーションによる展覧会「芸術家の棲む家」が開催されています。


会期:2018年3月8日(木)~3月31日(土)
11:00~19:00 会期中無休
会場:BankART Studio NYK 3F
入場料:一般 1000円、大学生700円
フリーパス2500円
建築家、画家、彫刻家たちによる作品の展示があり、
バレエの部屋があり、
ピアノによる演奏や様々なパフォーマンスが繰り広げられる展覧会場は、
建築家と芸術家のコラボレーションによる祝祭空間となり、
展覧会場全体が芸術家の棲む家となります。
偶然にも、3月末で終了となるBankArt Studio NYK の空間で、
展覧会を開催させていただくことになりました。
この素晴らしい空間に、 是非、 足をお運びください。(堀川秀夫さんからのメールより)
・出展者
<建築>古谷 誠章、西森 陸雄、山岡 嘉彌、堀川 秀夫、戸室 太一、林 寛治、今永 和利、小泉 浩隆、原田 真宏、長田 直之、山口 尚之、霜田 亮祐、田辺 雄之、平瀬 有人、黒川 智之、石井 大五、細海 拓也
<美術>馬越 陽子、櫻井 淳一、内田 あぐり、坂口 紀代美、大野 由美子、多田 洋子、遠藤 研二、柳楽 晃太郎
<音楽>ひらやす かつこ、下山 静香、岡元 敦司
<舞踊>、根本 美香、カミユ
◆埼玉県立近代美術館で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が開催されています。現代版画センターと「ときの忘れもの」についてはコチラをお読みください。
詳細な記録を収録した4分冊からなるカタログは、ときの忘れもので扱っています。
会期:2018年1月16日(火)~3月25日(日)
現代版画センターは会員制による共同版元として1974年~1985年までの11年間に約80作家、700点のエディションを発表し、全国各地で展覧会、頒布会、オークション、講演会等を開催しました。本展では45作家、約280点の作品と、機関誌等の資料、会場内に設置した三つのスライド画像によりその全軌跡を辿ります。【トークイベント】ウォーホルの版画ができるまで―現代版画センターの軌跡
日時:本日3月18日 (日) 14:00~16:30
第1部:西岡文彦 氏(伝統版画家 多摩美術大学教授)、聞き手:梅津元(当館学芸員)
第2部:石田了一 氏(刷師 石田了一工房主宰)、聞き手:西岡文彦 氏
場所:2階講堂
定員:100名 (当日先着順)/費用:無料
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○<ひさびさの、美学校遠足◎
岡部さんの刷ったのいっぱいあった、
(20180212/fu__eeさんのinstagramより)>
○<埼玉県立近代美術館。シルクスクリーン版画の展示数が凄すぎる。貴重な機会。アートでのシルクスクリーンはやっぱり刺激をうける。縁あってここに出てくる人達と仕事が出来る環境は大事にしたい。
(20180207/k_s_k_rさんのinstagramより)>
○<現代版画センターの軌跡 #埼玉県立近代美術館 .
靉嘔さんの《I love you》が面白かったなあ。
いろんな表情があって楽しい。
表現を変えて愛を囁く。みたいな。
(20180316/poyo023さんのinstagramより)>
○<「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展に行ってきました。
靉嘔、瑛九、草間彌生、アンディー・ウォーホールなど、版画作品がたくさんあって見応えのある展覧会でした。
北浦和公園の噴水が音楽に乗って水飛沫を上げていました。ゆっくり鑑賞出来て良かったです。
(20180208/a_a427さんのinstagramより)>
○<そして朝ごパンを頂いた後、埼玉県立近代美術館へ、「版画の景色」を見にダッシュ。現代版画センターの1974〜85年の活動の軌跡を紹介した展覧会です。
関西でもお馴染みの先生方の作品もあり、見応えのあるものでした。
多くの作品、展覧会を手掛けた現代版画センターが、11年で倒産した事実、当時版画に求められていた事、自分が版で行なっていきたい事などなど、肌で感じる事が出来、版に従事する者として見て良かったです。
ではでは、銀座へダッシュで出勤致します!
「版画の景色」埼玉県立近代美術館〜3月25日まで
(20180217/chicamatsu_motokoさんのinstagramより)>
○西岡文彦さんの連載エッセイ「現代版画センターという景色」は1月24日、2月14日、3月14日の全3回掲載しました。
草創期の現代版画センターに参加された西岡さんが3月18日14時半~トークイベント「ウォーホルの版画ができるまでー現代版画センターの軌跡」に講師として登壇されます。
○光嶋裕介さんのエッセイ「身近な芸術としての版画について」(1月28日ブログ)
○荒井由泰さんのエッセイ「版画の景色―現代版画センターの軌跡展を見て」(1月31日ブログ)
○スタッフたちが見た「版画の景色」(2月4日ブログ)
○倉垣光孝さんと浪漫堂のポスター(2月8日ブログ)
○嶋﨑吉信さんのエッセイ~「紙にインクがのっている」その先のこと(2月12日ブログ)
○大谷省吾さんのエッセイ~「版画の景色-現代版画センターの軌跡」はなぜ必見の展覧会なのか(2月16日ブログ)
○植田実さんのエッセイ「美術展のおこぼれ 第47回」(3月4日ブログ)
○土渕信彦さんのエッセイ<埼玉県立近代美術館「版画の景色ー現代版画センターの軌跡」展を見て>(3月8日ブログ)
○現代版画センターに参加した刷り師たち(3月11日ブログ)
○現代版画センターの生みの親 井上房一郎と久保貞次郎(3月13日ブログ)
○塩野哲也さんの編集思考室シオング発行のWEBマガジン[ Colla:J(コラージ)]2018 2月号が展覧会を取材し、87~95ページにかけて特集しています。
○毎日新聞2月7日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は永田晶子さん、見出しは<「志」追った運動体>。
○3月4日のNHK日曜美術館のアートシーンで紹介されました。
○朝日新聞3月13日夕刊の美術欄で「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展が紹介されました。執筆は小川雪さん、見出は<版画に込めた情熱と実験精神>。
○月刊誌『建築ジャーナル』2018年3月号43ページに特集が組まれ、見出しは<運動体としての版画表現 時代を疾走した「現代版画センター」を検証する>。
○埼玉県立近代美術館の広報誌 ソカロ87号で1983年のウォーホル全国展が紹介されています。
○同じく、同館の広報誌ソカロ88号には栗原敦さん(実践女子大学名誉教授)の特別寄稿「現代版画センター運動の傍らでー運動のはるかな精神について」が掲載されています。
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○現代版画センターエディションNo.441 本田眞吾「Extension No.31」
現代版画センターのエディション作品を展覧会が終了する3月25日まで毎日ご紹介します。
本田眞吾「Extension No.31」
1977年
凸版(刷り:作家自刷り)
37.0×50.0cm
Ed.50
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出品作家45名:靉嘔/安藤忠雄 /飯田善国/磯崎新/一原有徳/アンディ・ウォーホル/内間安瑆/瑛九/大沢昌助/岡本信治郎/小田襄/小野具定/オノサト・トシノブ/柏原えつとむ/加藤清之/加山又造/北川民次/木村光佑/木村茂/木村利三郎/草間彌生/駒井哲郎/島州一/菅井汲/澄川喜一/関根伸夫/高橋雅之/高柳裕/戸張孤雁/難波田龍起/野田哲也/林芳史/藤江民/舟越保武/堀浩哉 /堀内正和/本田眞吾/松本旻/宮脇愛子/ジョナス・メカス/元永定正/柳澤紀子/山口勝弘/吉田克朗/吉原英雄
◆ときの忘れものは「植田正治写真展ー光と陰の世界ーPart Ⅱ」を開催しています。
会期:2018年3月13日[火]―3月31日[土] 11:00-19:00
※日・月・祝日休廊(但し3月25日[日]は開廊)
昨年5月に開催した「Part I」に続き、1970年代~80年代に制作された大判のカラー作品や新発掘のポラロイド写真など約20点をご覧いただきます。

●書籍・カタログのご案内
『植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録2018年3月8日刊行
ときの忘れもの 発行
24ページ
B5判変形
図版18点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:800円(税込)※送料別途250円

『植田正治写真展―光と陰の世界―Part I』図録
2017年
ときの忘れもの 発行
36ページ
B5判
図版33点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
価格:800円(税込)※送料別途250円
●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
新天地の駒込界隈についてはWEBマガジン<コラージ12月号>をお読みください。18~24頁にときの忘れものが特集されています。2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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