ごあいさつ
 裾野アートハウスは、1986年に現代の美術家の作品を身近に親しんで頂きたいとの思いで開設いたしました。これまで多くの作家を紹介してきましたが、より一層をアートを楽しむ場にと展示スペースを増築して高木倶・山口源両氏の美術館を開設しました。
 高木氏とは、開廊当初から交流がありこれまでに3回の展覧会をしております。一昨年他界され、残された作品がうずもれてしまうの憂慮し遺族と相談のうえ常設の場所を設けました。また、高木氏が懇意にされていた版画家の山口氏の作品も合わせて展示します。山口氏の作品は国際的に高く評価され、沼津市立美術館(モン・ミュゼ)にも多数収蔵されていますが、抽象作品ということもあり一般にはあまり馴染みがありません。目に触れる機会を増やすことで氏の抽象世界も楽しんで頂きたいと思います。
 美術館とは言えないほどの小さなスペースですが、両氏の作品を知っていただき、後世に残す一助となればと思っています。
 また美術書などの資料も自由に閲覧できオープンなスペースとしてコンサート・レクチャーなどの利用にも対応したいと思います。是非、裾野アートハウスの扉を開いてください。

2018年3月            裾野アートハウス 水口英男

〒410-1123静岡県裾野市伊豆島田355-3 裾野アートハウス
電話:055-993-5930
E-mail. susono-art@sf.tokai.or.jp
URL. http://arthouse.sp.land.to./

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20180317170308_00004クリックしてください、拡大します。

20180330高木倶(たかぎ とも)
東京出身、昭和24年家族疎開地であった沼津に移り、それから70年余り造形美術研究所の創設はじめ、地元美術界の発展に尽力した。斬新な現代美術の手法を取り入れた独自の作風を確立し、品格ある静謐な画風は多くの人に愛された。
2016年死去、享年92。

高木俱 (たかぎ とも)
1924年 東京生まれ
1941~48年 旧制、多摩造型芸術専門学校(油)中退
1949年 沼津市に移る
1958年 個展 静岡・西武
1960年 グループ展 ニューヨーク、サンフランシスコ、フィラデルフィア 木版画出品
1965年 グループ展 四人展 曽宮一念・山口源・青木達弥・高木 俱(銀座・松屋)
1966~68年 レリーフ制作 アルミ鋳造レリーフ及び壁画 常園寺(東京・新宿)
1974~75年 レリーフ制作 アルミ鋳造レリーフ及び壁画 蓮政寺(熊本)
1977年 個展 ギャラリーほさか(静岡・沼津)
1979年 個展 渋谷・東急本店画廊 '80~'93
1981年 グループ展 アジア現代作家展
招待出品(マナマ・バーレーン王国)
1986年 個展 静岡・伊勢丹
1988年 個展 銀座・松屋 他
1989年 個展 裾野アートハウス(静岡・裾野)'92
1995年 個展 ギャラリー48(ロンドン)
1996年 個展 ギャラリータケイ(静岡・沼津) '09
2016年 8月11日逝去
(http://www.numashin.co.jp/street/344.html より抜粋)

山口 源(やまぐち げん)
版画家、日本版画家協会会員、国画会会員山口源は、1976年7月15日午後11時36分静岡県沼津市の岩井医院で死去した。享年79。本名源吾。明治29(1896)年10月23日静岡県富士郡(現富士市)田子浦柳島19番地に生まれた。青少年期を台湾で過し、その頃版画家藤森静雄を知ったのが後年版画へ進む機縁となる。大正12年関東大震災後上京し藤森に再会、その後恩地孝四郎の門を叩き、日本創作版画協会展に出品した。戦中から戦後しばらく続いた恩地を中心とする版画家の研究会一木会に加わり、ここで関野準一郎らと知り合った。また、昭和18年日本版会協会会員、同24年には国画会会員となった。同19年10月頃沼津市へ疎開し、晩年に至るまで当地で制作を続け、同31年養清堂画廊での個展以来毎年個展を開催したほか、同33(1958)年3月第5回スイス、ルガノ国際版画展でグランプリ受賞、同年6月スイス、グレンヘンのトリエンナーレで佳作賞を受けるなど、木版による抽象の作風は戦後柔軟な成熟をみせた。代表作に「能役者」(ルガノ、国際版画展、1958)「許容」(グレンヘン国際版画展1958)「熱望」(日本版画協会展、1974)など。
(http://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9583.html より引用)

*画廊亭主敬白
先日終了した埼玉県立近代美術館の「版画の景色 現代版画センターの軌跡」はおかげさまで好評だったようです。
私たち夫婦にとって嬉しかったのは作家や刷り師、旧会員の皆さんたちとの再会でした。
予期せぬ出来事としては現代版画センター事務局の旧メンバーたちが1月20日に集まり、駒込まで来てくれたことでした。
埼玉県立近代美術館にて。後列、右から三人目が水口英男さん(撮影:酒井猛)。
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水口さんが静岡県裾野市でずっと美術の仕事を続けていたのは聞いていましたが、このたび上掲の挨拶にあるとおり、自宅の一角に高木倶・山口源を記念するスペースをオープンすることになりました。どうぞお近くの方はぜひ訪ねて、水口さんを応援してやってください。
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●本日のお勧め作品は大沢昌助です。
345_大沢昌助《大沢昌助版画集<青の立像>より、青の立像》大沢昌助
大沢昌助版画集<青の立像>より《青の立像》
1980年
リトグラフ
Image size: 40.1×30.0cm
Sheet size: 63.0×50.2cm
Ed.100
サインあり
刷り:森版画工房(森仁志)

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●書籍・カタログのご案内
表紙植田正治写真展―光と陰の世界―Part II』図録
2018年3月8日刊行
ときの忘れもの 発行
24ページ
B5判変形
図版18点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:800円(税込)※送料別途250円

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植田正治写真展―光と陰の世界―Part I』図録
2017年
ときの忘れもの 発行
36ページ
B5判
図版33点
執筆:金子隆一(写真史家)
デザイン:北澤敏彦(DIX-HOUSE)
価格:800円(税込)※送料別途250円


●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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