<このたび、諸般の事情により、一般財団法人戦没画学生慰霊美術館無言館が営む「信濃デッサン館」を、本年3月15日をもって無期限休館とさせて頂くことになりました。39年の永きにわたるご厚情、ご支援に心より感謝申し上げます。(以下略)
一般財団法人戦没画学生慰霊美術館無言館 理事長 窪島誠一郎>

美術館の閉鎖が続いています。
来館者は減り続け、入場料収入では運営を維持できない。
かつては年間100万人以上の来館者があったという西の横綱・倉敷の大原美術館でさえ、平成28年度の事業報告書を見ると年間入館者数は30万人ほどです。
県立はもちろん、市立美術館、町立美術館までが全国各地にできましたが(乱立)、美術館単体で黒字のところなんてほとんどない、自治体の補助なくしては成り立たないのが現状でしょう。
ましてや私立美術館はよほど裕福な財団でもない限りいずれ存続の危機に陥る。

このブログでも、2015年6月の須玉美術館の休館、昨年夏の池田満寿夫美術館の閉館などを伝えてきましたが、かつては村山槐多、関根正二、野田英夫、戸張孤雁、靉光、松本竣介ら夭折の画家達の作品約1000点を所蔵していた信濃デッサン館までも遂に・・・という思いです。
資金難からか、既に野田英夫などは多くが売却されています。

ハコモノ文化はいずれ淘汰の季節がくるでしょう。
そんな中で少し嬉しいニュースです。

2012年5月27日ブログでご紹介したことがありますが、思いっきり不便なとろこにある岩手町立石神の丘美術館が開館25周年を迎えました。
六岡康光さんという岩手日報の文化部記者だった方がいます。私たちが盛岡に遊びに行くたびに相手をしてくださった方ですが、定年退職後に石神の丘美術館の芸術監督を勤められました(2008年に死去、現在は作家の斎藤純さんが就任)。
そんな縁もあり、私たちも幾度か訪ねました。
開館以来、齋藤忠誠展、村上善男展大宮政郎展宇都宮功展、柵山龍司展、戸村茂樹展百瀬寿展長谷川誠展など優れた現代美術の作家たちの個展を継続して開催してきました。
ここはスゴンザックの銅版画を多数所蔵していますが、私たちが少しお手伝いした作品です。

20180421石神の丘美術館20180421石神の丘美術館_裏

岩手町立石神の丘美術館
石神の丘美術館開館25周年記念展 【博物編】
岩手町大百科
会 期: 2018年 4月21日(土)~6月3日(日)
開館時間:午前9時から午後5時(入場は4時30分まで)
休 館 日:毎週月曜日 ※4/30、5/1は開館します
会   場: 岩手町立 石神の丘美術館 企画展示室
入 場 料:無料(屋外展示場観覧は別途入場券をお求めください)
2018年は石神の丘美術館開館25周年の年にあたります。
屋外展示場は、2018年9月から2020年春までリニューアル工事のため閉鎖となります。どうぞお気をつけください。
リニューアル工事では、ラベンダー園等がより散策しやすいようになる予定です。
今年のラベンダーフェアは、現在のラベンダー園をご覧いただく最後の機会。
来年のラベンダーフェアは、工事にともないお休みとなります。
ラベンダーは、6月下旬から7月上旬に見ごろをむかえます。
皆さまのご来場をお待ちしております。(同館のHPより)

入館者も少なく運営はとてもたいへんでしょうが、文化は必ずその地域に豊かな種子を撒きます。子供たちに有形無形の影響を与え、希望の灯を点します。
どうぞ町長さん、がんばって次の50周年を目指してください。

●今日のお勧め作品は百瀬寿です。
050_百瀬寿百瀬寿
「Eight strips Gray to Pearl Green」
1988年
ミクストメディア
Image size: 37.0x36.0cm
Sheet size: 38.0x38.0cm
Signed

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

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●メールを下さる皆様へ
作品の価格や、下記のような建築ツアー等へのお問い合せを日々いただくのですが(感謝!)、ご住所はともかくお名前すら書かれない方がしばしばおられます。恐縮ですが、今後は「名無し」のお問い合せにはお返事しませんのでどうぞご了解ください。
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群馬県高崎市のレーモンド建築ツアーを開催します
日時:2018年6月23日(土)13時高崎駅集合
inoue_house1952年竣工の旧井上房一郎邸
画像は高崎市役所ホームページより。
1961年竣工の群馬音楽センター、1991年開館の高崎市美術館を見学し、明治14年(1881年)創業の魚仲で会食懇談します。
講師:熊倉浩靖塚越潤(高崎市美術館館長)
※詳細は「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してメールにてお問い合わせください

◆ときの忘れものは没後70年 松本竣介展を開催しています。
会期:2018年5月8日[火]―6月2日[土]
11:00-19:00  ※日・月・祝日休廊

ときの忘れものは生誕100年だった2012年に初めて「松本竣介展」を前期・後期にわけて開催しました。あれから6年、このたびは素描16点による「没後70年 松本竣介展」を開催します。
201804MATSUMOTO_DM

「没後70年 松本竣介展」出品作品を順次ご紹介します
24出品No.22)
松本竣介
《作品》

紙にインク、墨
Image size: 26.4x37.8cm
Sheet size: 27.6x39.0cm
※『松本竣介展』(2012年、ときの忘れもの)p.12所収 No.24

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●本展の図録を刊行しました
MATSUMOTO_catalogue『没後70年 松本竣介展』
2018年
ときの忘れもの 刊行
B5判 24ページ 
テキスト:大谷省吾(東京国立近代美術館美術課長)
作品図版:16点
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
税込800円 ※送料別途250円



●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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