明日15日から「第309回企画◆ル・コルビュジエ展 」を開催します。
会期:2019年3月15日[金]―4月6日[土] 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊

ときの忘れものは開廊以来、ジョバンニ・バティスタ・ピラネージ、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、安藤忠雄、磯崎新など建築家たちが描いたドローイングや版画を紹介してきました。 日本では、建築家=建築を設計する「技術者」と思われていますが、私たちは優れた建築家というのは、人間の生きる空間をデザインする「アーティスト」だと考えています。 その空間に身をおくだけで人間の精神に刺激を与えるような空間を創造する人、実際に建築が実現しなくとも、そのような空間を夢想する人、そんな建築家たちの描いた作品を私たちは積極的に扱ってきました。 20世紀の鉄とコンクリートとガラスの建築をリードした巨匠、ル・コルビュジェは、精力的に世界各地に建築を残しましたが、その出発点は画家であり、生涯絵筆を離すことはありませんでした。版画作品も精力的に制作しています。
今回の「ル・コルビュジエ展」では、代表作「ユニテ」連作などの版画作品と、彼がデザインした食器なども出品し、多彩な才能の一端をご紹介します。
最終日4月6日[土]は1日だけの「吉川盛一の建築本の販売」を開催します。
吉川盛一氏は「住まいの図書館出版局」などで活躍する建築専門の編集者です。
話変わって、中国からちょっといい感じの案内状が届きました。


柳澤紀子版画作品展(浙江美術館)
会期:2019年2月22日(金)~3月19日(火)
会場:浙江美術館 第4展示室
杭州市南山路138号
~~~~~~
ときの忘れものはいまだ中国本土にはまったく縁がなく、今月末に初めて香港のアートフェアに出展するのが初体験です。
上掲の柳澤紀子先生の個展は、浙江省と静岡県の芸術交流の一環として、杭州市の浙江美術館で開催されます。2015年の上海に続き、中国での個展は2回目とのこと。今回は代表作から新作まで約100点の版画作品を展示されます。
柳澤先生には現代版画センター時代から公私ともにたいへんお世話になっています。
なかでも岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』はセンターの代表的エディションとなりました。


岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』
岡田隆彦:詩8篇
柳澤紀子:版画(銅版+手彩色)8点
両者の自筆サインあり
刷り:山村兄弟版画工房
装幀:五十嵐恵子
発行日:1984年5月23日
発行者:綿貫不二夫、原勝雄
発行所:現代版画センター、浜松アートデューン
印刷・製本:クリキ企画印刷株式会社
岡田隆彦サイン


I
また海へ出るのだ、
荒れ狂う心をしずめるために。
おれの小舟よ、涙をぬぐえ!
行方知れずの母よ、
おれはいま、波を押しかえす。


II
自分を洗っている海へ。
(語るなかれ) 海へ。
時が結晶してゆく、
したたかな器官のような
石のごとく物言わぬかたちへ
泳ぎついて、おれはつかむ。


III
港の灯はクイーンズ・ネックレス。
船は和音を静かに食べている。
青い風は嗚呼、若い草を吹く。
溺れてしまいたい、だが
必ず浮上する。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■柳澤 紀子(やなぎさわ のりこ)
1940年静岡県浜松市で生まれる。浜松市立高等学校を経て、1965年東京藝術大学大学院油画専攻修了。学部時代は林武に油彩を、大学院に進んでから駒井哲郎に銅版画を学ぶ。この時期は駒井教室の黄金期で、中林忠良、野田哲也、原健など日本の現代版画を主導する多くの逸材を生んだ。64年日本版画協会展協会賞。71年より4年間アメリカに滞在。ニューヨーク・プリントメーキング・ワークショップにて制作。帰国後は静岡県掛川市を拠点にして、エッチングによる銅版画を中心に制作制作活動を続ける。83年2人展(池田20世紀美術館)。84年詩画集「海へ」詩:岡田隆彦(版画センター)。2001年第10回山口源大賞を受賞。ワールドバンク・アートソサエティ(ワシントン)、ブルガリア・ナショナルギャラリー、イスラエル・ティコティン美術館、ルーマニア国立美術館、サンパウロ州立博物館、掛川市二の丸美術館、ヒルサイド・フォーラムなど世界各地で個展を開催している。
「身体と精神の関係」を追い続け、描かれる身体にはアンモナイトや翼、舟、水、樹木などのイメージが重ね合わされ、人と自然や文明、時間など多様なテーマが共鳴している。核をテーマにした「test-zone」(核実験場)などの作品や、和紙を活用したミクストメディアによる大作にも意欲的に取り組んでいる。2003~11年武蔵野美術大学教授を勤め後進の指導にあたる。

2017年10月2日神田錦町の学士会館にて、柳澤紀子先生
『柳澤紀子 全作品』刊行記念レセプション
ますますのご活躍をお祈りしています。
●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

会期:2019年3月15日[金]―4月6日[土] 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊

ときの忘れものは開廊以来、ジョバンニ・バティスタ・ピラネージ、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、安藤忠雄、磯崎新など建築家たちが描いたドローイングや版画を紹介してきました。 日本では、建築家=建築を設計する「技術者」と思われていますが、私たちは優れた建築家というのは、人間の生きる空間をデザインする「アーティスト」だと考えています。 その空間に身をおくだけで人間の精神に刺激を与えるような空間を創造する人、実際に建築が実現しなくとも、そのような空間を夢想する人、そんな建築家たちの描いた作品を私たちは積極的に扱ってきました。 20世紀の鉄とコンクリートとガラスの建築をリードした巨匠、ル・コルビュジェは、精力的に世界各地に建築を残しましたが、その出発点は画家であり、生涯絵筆を離すことはありませんでした。版画作品も精力的に制作しています。
今回の「ル・コルビュジエ展」では、代表作「ユニテ」連作などの版画作品と、彼がデザインした食器なども出品し、多彩な才能の一端をご紹介します。
最終日4月6日[土]は1日だけの「吉川盛一の建築本の販売」を開催します。
吉川盛一氏は「住まいの図書館出版局」などで活躍する建築専門の編集者です。
話変わって、中国からちょっといい感じの案内状が届きました。


柳澤紀子版画作品展(浙江美術館)
会期:2019年2月22日(金)~3月19日(火)
会場:浙江美術館 第4展示室
杭州市南山路138号
~~~~~~
ときの忘れものはいまだ中国本土にはまったく縁がなく、今月末に初めて香港のアートフェアに出展するのが初体験です。
上掲の柳澤紀子先生の個展は、浙江省と静岡県の芸術交流の一環として、杭州市の浙江美術館で開催されます。2015年の上海に続き、中国での個展は2回目とのこと。今回は代表作から新作まで約100点の版画作品を展示されます。
柳澤先生には現代版画センター時代から公私ともにたいへんお世話になっています。
なかでも岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』はセンターの代表的エディションとなりました。


岡田隆彦・柳澤紀子 詩画集『海へ』
岡田隆彦:詩8篇
柳澤紀子:版画(銅版+手彩色)8点
両者の自筆サインあり
刷り:山村兄弟版画工房
装幀:五十嵐恵子
発行日:1984年5月23日
発行者:綿貫不二夫、原勝雄
発行所:現代版画センター、浜松アートデューン
印刷・製本:クリキ企画印刷株式会社
岡田隆彦サイン

I
また海へ出るのだ、
荒れ狂う心をしずめるために。
おれの小舟よ、涙をぬぐえ!
行方知れずの母よ、
おれはいま、波を押しかえす。


II
自分を洗っている海へ。
(語るなかれ) 海へ。
時が結晶してゆく、
したたかな器官のような
石のごとく物言わぬかたちへ
泳ぎついて、おれはつかむ。


III
港の灯はクイーンズ・ネックレス。
船は和音を静かに食べている。
青い風は嗚呼、若い草を吹く。
溺れてしまいたい、だが
必ず浮上する。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■柳澤 紀子(やなぎさわ のりこ)
1940年静岡県浜松市で生まれる。浜松市立高等学校を経て、1965年東京藝術大学大学院油画専攻修了。学部時代は林武に油彩を、大学院に進んでから駒井哲郎に銅版画を学ぶ。この時期は駒井教室の黄金期で、中林忠良、野田哲也、原健など日本の現代版画を主導する多くの逸材を生んだ。64年日本版画協会展協会賞。71年より4年間アメリカに滞在。ニューヨーク・プリントメーキング・ワークショップにて制作。帰国後は静岡県掛川市を拠点にして、エッチングによる銅版画を中心に制作制作活動を続ける。83年2人展(池田20世紀美術館)。84年詩画集「海へ」詩:岡田隆彦(版画センター)。2001年第10回山口源大賞を受賞。ワールドバンク・アートソサエティ(ワシントン)、ブルガリア・ナショナルギャラリー、イスラエル・ティコティン美術館、ルーマニア国立美術館、サンパウロ州立博物館、掛川市二の丸美術館、ヒルサイド・フォーラムなど世界各地で個展を開催している。
「身体と精神の関係」を追い続け、描かれる身体にはアンモナイトや翼、舟、水、樹木などのイメージが重ね合わされ、人と自然や文明、時間など多様なテーマが共鳴している。核をテーマにした「test-zone」(核実験場)などの作品や、和紙を活用したミクストメディアによる大作にも意欲的に取り組んでいる。2003~11年武蔵野美術大学教授を勤め後進の指導にあたる。

2017年10月2日神田錦町の学士会館にて、柳澤紀子先生
『柳澤紀子 全作品』刊行記念レセプション
ますますのご活躍をお祈りしています。
●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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