野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第60回

「ART OSAKA」

20190715野口琢郎_0876
7月5,6,7日はNii Fine ArtsさんからART OSAKAに出展しました。
昨年は出展できなかったので、2年ぶりの大阪でした。
梅雨で期間中雨かとおもいきやほぼ連日晴れていて、自然光メインの展示になるので明るくて良かったです。
ときの忘れものさんも出展されていて、綿貫さんご夫妻とお会いする事ができ、先月の披露宴ではご出席頂いたものの全然お話できなかったもので、今回色々とお話できて良かったです。
Nii Fine Artsの展示部屋は作品の数がとても多かったですが、新たな作家さんも加わり個性豊かな作品が並んでいました。
僕は空海系を2点、Landscapeを2点、もじゃもじゃ系1点の5点を出展しました。

20190715野口琢郎_0878(左)"Landscape#46"
2018年 40.9×31.8cm

(右)"Landscape#47"
2019年 53×41cm
20190715野口琢郎_0883"Hope"
2019年 33.3×24.2cm
20190715野口琢郎_0892(左)"azure"
2019年 40×40cm

(右)"Together"
2019年 65.2×53cm

新作の黒いもじゃもじゃ系の作品はちょっと変わり種で、当初は実験も兼ねてパテで造形したもじゃもじゃだけで中は空洞の直方体を作るつもりだったのですが、いざやってみると強度不足で断念、結局部分的に切り取り、予め金箔を押したパネルに貼り付ける形になりました。
もじゃもじゃ部分には当初箔を押すつもりでいたのですが、漆の質感が良かったので、漆面のまま完成にしました。
今まで画面上はすべて箔を押すか石炭の粉末を撒いていたので、漆面で完成させた作品はこれが初めてでした。
題名は「Hope」暗闇に閉じ込められた隙間から見える希望の光をイメージしました。
また今後進化形も作れればと思います。

ART OSAKAはすべてのギャラリーブースは見ることができませんでしたが、見応えある作品が多くてとても刺激になりました。
色々と考える事も多かったので、今後3本目の柱のシリーズとなるような、新たな展開も何とか形にしていければと思います。
と言いつつ、ずっと前から考えているもののなかなか思いつかないのですが、、がんばります。
のぐち たくろう

野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
ホームページhttp://noguchi-takuro.com/

◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。

●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。
noguchi_23_HANABI-9野口琢郎 Takuro NOGUCHI
"HANABI #9"
2011年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
91×72.7 cm
サインあり
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野口琢郎展カタログのご案内
野口琢郎展_表紙600野口琢郎展カタログ
2018年
ときの忘れもの発行
24ページ
テキスト:島敦彦(金沢21世紀美術館館長)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
本体価格800円(税込) 
※送料別途250円
(メールにてお申し込みください)


●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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