皆様こんにちわ。
ときの忘れもの国内担当のスタッフMです。
新型コロナウィルスの影響で都内では外出自粛要請が出たりと、皆様も不安な日々を送られていることと思います。
感染者の方々のご回復をお祈りするとともに、皆様がいつも通りの生活に戻れるように願っております。
こんなときこそ、ときの忘れものではネットの力を使って美術の魅力をお伝えしようと、準備を進めております。
さっそく今回は、舟越桂のリトグラフをご案内いたします。
『舟越桂全版画1987-2002 』(2003年、株式会社青幻舎)を読みながら、作品の魅力をお伝えしたいと思います。
まずは「春の画廊コレクション展」の展示風景をご覧ください。
画像ではなかなか伝わりづらいですが、右側に展示している人物のイメージの作品は、額サイズ:縦110cm位あるので、実物をご覧になるとその大きさに驚かれると思います。


左)舟越桂《His diary 少年の日記》
右)舟越桂《Into the sound, into my mind 音の中へ、私の中へ》
舟越桂は1987年から2003年までの間に総数70点以上の銅版画、リトグラフ、木版画を制作しています。初めて版画作品を発表したのは1987年。3点の銅版画でした。
「教会とカフェのためにI」
「教会とカフェのためにII」
「静かな鏡のために」
3点ともに刷りは戸村茂樹、版元はギャラリーせいほうです。
(こちらの3点については後日のブログで取り上げます。)
この後もサンフランシスコの版画工房などで銅版画を制作していますが、1993年には版画工房「エディション・ワークス」で初めてリトグラフを制作します。
リトグラフはインクが紙の上に「食いついていない」という印象で好きになれなかったそうですが、トナーを水に溶かずに粉のまま筆に付けて描き、火であぶって亜鉛板に定着させるという、リトグラフの制作過程の中でもあまり試みられていない技法によって、望むような強い黒の線が出せたといいます。その技法によって制作されたのが、今回ご紹介する「水の下の小石」の5点です。
ここで作家の言葉を引用いたします。
「水のなかを覗くというのは、自分のなかを見ることではないかと思うようになったのです。ひとりひとり、北欧にあるような深い湖をもっていて、自分を確かめるということは、そのなかに潜っていって、小さな石を拾ってくるということじゃないか―—そんな風に考えるようになったのです。」
――「みずからを語る」、「舟越桂」展カタログ、神奈川県立近代美術館、1993年 より引用
舟越桂といえば、もちろん彫刻家として著名ですが、リトグラフにも彫刻家の技が詰まっているように思います。今作はまさに深い湖から拾ってきた石のような静かだけど力強さのある貴重な作品です。
画廊は臨時休廊中ですが、スタッフは在宅勤務に切り替えて、メール等への対応はいつも通り行っています。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
(スタッフM)
舟越桂
《The small stone beneath the water 水の下の小石》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:80.0×65.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂
《The mirror in the distance 遠い鏡》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:85.0×65.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂
《The room of sand 砂の部屋》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:78.0×45.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂
《Into the sound, into my mind 音の中へ、私の中へ》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:91.0×60.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂
《His diary 少年の日記》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:93.0×68.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
*画廊亭主敬白
臨時休廊8日目。
今から40年ほど前、亭主は世田谷の舟越保武先生のお宅にMORIOKA第一画廊の上田浩司さんに連れられてしばしば通っておりました。保武先生に版画(銅版、リトグラフ)をつくってもらうためです。当時桂さん、直木さんご兄弟はまだ30歳前後、無名時代といってもいいでしょう。
盛岡の上田さんがプロデュースし、亭主も下っ端でお手伝いしたのが1984年竣工の虎ノ門パストラルでした。総工費98億円、美術品にその1%にあたる9,800万円を投じた一大プロジェクトでした。これについてはいずれ詳しくご紹介しましょう。
思えば、上田さんに導かれた戸張孤雁に始まり、木内克先生、舟越保武先生、関根伸夫先生などなど彫刻家の版画をずいぶんとエディションしました。
戦後日本の具象彫刻を代表するのが舟越保武、舟越桂だとするのなら、抽象彫刻を代表するのが堀内正和、そして宮脇愛子。
ということで本日の「一日限定! 破格の掘り出し物」は、宮脇愛子先生の超レアなオブジェ!
宮脇愛子「キャンドルスタンド」
金属 1970年代
縦10.5×横9.0×高さ13.6㎝
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2014年03月02日|ピカソ、ミロのオリジナル版画入り・ベルグランのカタログ
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◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。
●ときの忘れものは2017年6月に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
ときの忘れもの国内担当のスタッフMです。
新型コロナウィルスの影響で都内では外出自粛要請が出たりと、皆様も不安な日々を送られていることと思います。
感染者の方々のご回復をお祈りするとともに、皆様がいつも通りの生活に戻れるように願っております。
こんなときこそ、ときの忘れものではネットの力を使って美術の魅力をお伝えしようと、準備を進めております。
さっそく今回は、舟越桂のリトグラフをご案内いたします。
『舟越桂全版画1987-2002 』(2003年、株式会社青幻舎)を読みながら、作品の魅力をお伝えしたいと思います。
まずは「春の画廊コレクション展」の展示風景をご覧ください。
画像ではなかなか伝わりづらいですが、右側に展示している人物のイメージの作品は、額サイズ:縦110cm位あるので、実物をご覧になるとその大きさに驚かれると思います。


左)舟越桂《His diary 少年の日記》
右)舟越桂《Into the sound, into my mind 音の中へ、私の中へ》
舟越桂は1987年から2003年までの間に総数70点以上の銅版画、リトグラフ、木版画を制作しています。初めて版画作品を発表したのは1987年。3点の銅版画でした。
「教会とカフェのためにI」
「教会とカフェのためにII」
「静かな鏡のために」
3点ともに刷りは戸村茂樹、版元はギャラリーせいほうです。
(こちらの3点については後日のブログで取り上げます。)
この後もサンフランシスコの版画工房などで銅版画を制作していますが、1993年には版画工房「エディション・ワークス」で初めてリトグラフを制作します。
リトグラフはインクが紙の上に「食いついていない」という印象で好きになれなかったそうですが、トナーを水に溶かずに粉のまま筆に付けて描き、火であぶって亜鉛板に定着させるという、リトグラフの制作過程の中でもあまり試みられていない技法によって、望むような強い黒の線が出せたといいます。その技法によって制作されたのが、今回ご紹介する「水の下の小石」の5点です。
ここで作家の言葉を引用いたします。
「水のなかを覗くというのは、自分のなかを見ることではないかと思うようになったのです。ひとりひとり、北欧にあるような深い湖をもっていて、自分を確かめるということは、そのなかに潜っていって、小さな石を拾ってくるということじゃないか―—そんな風に考えるようになったのです。」
――「みずからを語る」、「舟越桂」展カタログ、神奈川県立近代美術館、1993年 より引用
舟越桂といえば、もちろん彫刻家として著名ですが、リトグラフにも彫刻家の技が詰まっているように思います。今作はまさに深い湖から拾ってきた石のような静かだけど力強さのある貴重な作品です。
画廊は臨時休廊中ですが、スタッフは在宅勤務に切り替えて、メール等への対応はいつも通り行っています。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
(スタッフM)
舟越桂《The small stone beneath the water 水の下の小石》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:80.0×65.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂《The mirror in the distance 遠い鏡》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:85.0×65.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂《The room of sand 砂の部屋》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:78.0×45.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂《Into the sound, into my mind 音の中へ、私の中へ》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:91.0×60.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
舟越桂《His diary 少年の日記》
1993年
リトグラフ
イメージサイズ:93.0×68.0cm
シートサイズ:93.0×75.5cm
Ed.50 Signed
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
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*画廊亭主敬白
臨時休廊8日目。
今から40年ほど前、亭主は世田谷の舟越保武先生のお宅にMORIOKA第一画廊の上田浩司さんに連れられてしばしば通っておりました。保武先生に版画(銅版、リトグラフ)をつくってもらうためです。当時桂さん、直木さんご兄弟はまだ30歳前後、無名時代といってもいいでしょう。
盛岡の上田さんがプロデュースし、亭主も下っ端でお手伝いしたのが1984年竣工の虎ノ門パストラルでした。総工費98億円、美術品にその1%にあたる9,800万円を投じた一大プロジェクトでした。これについてはいずれ詳しくご紹介しましょう。
思えば、上田さんに導かれた戸張孤雁に始まり、木内克先生、舟越保武先生、関根伸夫先生などなど彫刻家の版画をずいぶんとエディションしました。
戦後日本の具象彫刻を代表するのが舟越保武、舟越桂だとするのなら、抽象彫刻を代表するのが堀内正和、そして宮脇愛子。
ということで本日の「一日限定! 破格の掘り出し物」は、宮脇愛子先生の超レアなオブジェ!
宮脇愛子「キャンドルスタンド」金属 1970年代
縦10.5×横9.0×高さ13.6㎝
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2014年03月02日|ピカソ、ミロのオリジナル版画入り・ベルグランのカタログ
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◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。
●ときの忘れものは2017年6月に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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