3月末に画廊を閉め、スタッフは在宅勤務に切り替えた当初は売り上げ激減となり真っ青になりましたが、ネットを使って今まで以上に、WEB展など違った形での作品紹介にスタッフたちが知恵を絞っています。
ときの忘れもののホームページ開設は1998年、2005年頃からはブログにも注力し、2007年あたりからはほぼ毎日更新となりました。
コロナウイルス禍で画廊での営業ができなくなり苦肉の策でブログを使って開催した「一日限定! 破格の掘り出し物」が好評だったので、藤江民クリスト&ジャンヌ=クロード関根美夫などのブログ頒布会も企画しました。
幸いなことに皆さんに楽しんでいただけたようです。

7月30日/塩見允枝子 特別頒布会
DSC_0882塩見允枝子《Bottled Music 音楽の小瓶 Selection 1
1993/2013  1個限定
瓶高:8~10cm
箱サイズ:24×18×11cm
サインとナンバー入り。  
(*このシリーズは1993年ケルンのフンデルトマルク画廊が主催した「サウンド・オブジェクト展」のために制作した作品で、2013年に現存したナンバー8種(9個)を桐箱に納めたもの) 

フルクサスは、第2次世界大戦時の大量殺戮への批判にもとづき、西洋的合理主義への反発から生まれた国際的なアートのムーヴメントであった。「フルクサス」という語は、「流動」や「変化」を意味する“flux”に由来する。ダダの精神を継承しながらも、東洋思想を取り入れ、日常性と芸術表現の間に対立を見ず、日常を表現の糧と見なしたこの前衛運動に、オノ・ヨーコ塩見允枝子久保田成子斎藤陽子という4人の日本女性がかかわっていたことは印象的である。フルクサスには、安価な素材の使用を好み、即興的で自然発生的なニュアンスをもち、「食べる」「一緒に出かける」などの日常的な行為を再構成するといった傾向がしばしば見受けられ、そこには、人間の生そのものの豊かさに観客の意識を開こうとする工夫がある。塩見が指摘するように「表現主義、自己表現を嫌い、シンプルかつ客観的であろうとした」ものであり、「観客の参加、共同制作など、作家と一般の人々の間の壁を取り払う試み」であり、また、そこには「ゲーム性、ジョーク、ユーモアを重んじた。禅の影響もみられる」。
(長谷川祐子 著『破壊しに、と彼女たちは言う 柔らかに境界を横断する女性アーティストたち』2017年、東京藝術大学出版会刊、36頁より)

フルクサスのメンバー塩見允枝子さんの書籍は今まで扱ってきましたが、今回は初めて塩見さんの制作された作品の特別頒布会をブログで開催します。
塩見さん自選の10作品ほどを出品予定しており、すべての作品について塩見さんご自身が解説を執筆されます。7月30日ブログで公開しますので、どうぞご期待ください。

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。