小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」第43回

さとねことさんの作品にはじめて出会ったのは、開店間もない頃でした。うちのお店は、ほかの小規模書店と比較すると、ZINEや個人出版物の取扱は多い方ではありません。でも、さとねことさんが持ち込んできた小さなマンガ作品をパラパラ見たときに、「これはうちのお店でも売れるかもしれない。」と思いました。
そのマンガが売り切れた後も、Twitter上でさとねさんのイラスト作品は、ずっとチェックしていて、来店される度に「また何かzineを作ってください。作ったら、うちで売りたいです!」と言い続けていました。
今回ご紹介するのは、そんなこんなでようやく作ることになったさとねことさんの作品集です。
『しずかに。』

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もともとはTwitter上でイラストと共にあげられている、小さな呟きを元にした作品集です。(たくさんの呟きに中から、どれを収録するか、そのお手伝いもさせていただきました。)
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誰もが感じたことがあるような、本当にささいな感情。それをさとねことさんが切り取ってくれたおかげで、そのささやかな感情が昇華されて、とっても愛おしくなるような、そんな気がします。「あるある!」ということなんですが、一人で感じたことが、みんなも同じように感じている。それがとっても大切なことなのではないかな?「日常はこうして繋がっていくんだよな」と、そんな気にさせてくれる呟きとイラストです。

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青いカバも製作に協力させてもらい、最後にはこんなページも。

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小さなマンガも一作品載っているのですが、これもいつもの繰り返しの日常に、不思議な優しさを与えてくれる作品です。
今のところ、さとねことさんから直販で手に入れるか、当店の店頭orWEBショップで手に入れるかのどちらか。
ぜひよろしくお願いします。

https://www.bluekababooks.shop/items/36376847
おくに たかし

小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。

■小国貴司 Takashi OKUNI
「BOOKS青いカバ」店主。学生時代より古書に親しみ、大手書店チェーンに入社後、店長や本店での仕入れ・イベント企画に携わる。書店退職後、新刊・古書を扱う書店「BOOKS青いカバ」を、文京区本駒込にて開業。

*画廊亭主敬白
私の石岡さんの印象は、頭に布を巻いた厳しそうな女性!でした。小さいころテレビでその姿を見た記憶があります。
資生堂、パルコ、アカデミー賞のことは全く知りませんでした。。

(20210204/スタッフMからの業務報告より)>
東京都現代美術館の石岡瑛子さんの回顧展を見た若いスタッフの感想ですが、考えてみれば社長と亭主以外は石岡さんに会ったことがない。
石岡さんて、どんな人?」、初めて知った若い方々が9年前の追悼記事「石岡瑛子さん逝く」を読んでくださっているようです。パルコのウォーホル展(1983年)のときの石岡さんは45歳だった、美しいですね。

●ときの忘れものが青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転して3年が経ちました。
もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。